ナナカ

     

「ごしゅじんさま……もうゆるしてください……」

          

●名前……ナナカ
●種族……ライカンスロープ(スラム生まれの雑種のため正確な分類はできないが、ウサギの血が強い)
●性別……女性
●年齢……不詳。外見は十代に満たないほど幼い。
●一人称…ナナカ
●二人称…ごしゅじんさま(自分以外の相手はすべてこう呼ぶように調教されている)
●出身……最下層「グランド・ゼロ」スラム街。愛玩奴隷としてドルゲに飼われ、娼館で働かされている。
●性格……弱気。無垢。従順。まだ幼いゆえ疑いを知らない。
●好き……やさしいごしゅじん様(十回の責めのうち一回だけもでも慈悲をくれる相手なら、こう呼ぶに値する)
●嫌い……調教。虐待。 折檻。お仕置き。この生活。
●属性……うさみみ。ロリ。儚げ。幼さゆえの痛々しさ。不幸。


力あるものが奪い、力ないものは虐げられるのみ―弱肉強食は地下世界全域をすべからく支配する法だが、最下層「グランド・ゼロ」では特に顕著である。
力なき存在は、飢えたハゲタカどもの恰好の標的だ。それが彼女のように誰かの庇護なくせずには生きていけない幼女でも、一切の情けもかけられはしない。地獄じみた掃き溜めにおいては、彼女のように抗うすべを持たないものは、すべてを奪われ貪られるしかないのだ。
無力そのもののナナカがそんな世界で生きていられるのは、もって生まれた魅力と能力のおかげだった。

ナナカは生まれてまだ間もない少女であり、当然外見も未発達で幼い。顔立ちは無垢で、大き目の瞳に常に何かに怯えたように潤んでいる。白い兎耳は力なく垂れ、いかにも弱弱しい印象だ。ちっちゃな肢体は、抱きしめただけでも壊れてしまいそうなほどに儚い。
混沌としたスラム生まれの獣人ゆえ、出自はハッキリとせず種別は特定できないが、外見・気性ともにウサギの血を強く引いているようである。こうした雑種は稀に特異な能力を持って生まれてくることがあるが、ナナカもそうだった。生まれつき治癒力・生命力が強く、どんな傷もすぐに治ってしまうのだ。
この能力のおかげでナナカは生きてこれたし、同時に地獄を見ることにもなった。

思わず守ってあげたくなるような弱弱しい幼姿も、しかしスラムではどれほどの同情を買うことも出来ない。だが逆の価値は大いにある――つまり、下卑た欲情をぶつける玩具として、極めて需要が高いのだ。
ナナカは、生まれたときから嗜虐心旺盛な男たちの慰み者として扱われてきた。奴隷商人に愛玩動物として見出され、飼い主にひたすら尽くすように調教されている。従順な気質と疑いを知らない性格から、ナナカは教えられるがままに最高の「商品」となっていた。
現在、ナナカはグランドゼロの支配者ドルゲ・ゲドルの所有物であり、彼の組織の娼館で最高の商品として日々客をとっている。その相手は、いずれも残忍で人の心など持ち合わせていない暗黒街の顔役ども。その幼い肢体にぶつけられる陵虐は、いずれも筆舌に尽くしがたく凄惨だ。

普通なら死んでしまうような激しい責めでも、その能力ゆえナナカは耐えることができる。さらには何度処女膜を破られても数日すれば再生し、また処女を味わうことができるのだ。また粘膜を傷つけたり引き裂いたりしても数日立てば元に戻るので、常に初々しい感触を楽しむことが出来る。もっとも、治癒力があるだけで決して不死身というわけではない。手加減なしの責めを加えられれば死んでしまうが、飼い主がそれを許さない。ドルゲ・ゲドルとその組織を敵に回そうというものなどグランドゼロにはおらず、ある意味で彼女は安全を保障されていると言える。

地獄じみた生活の中でも、しかしナナカは生来の純真を失わず、それがまた彼女の商品価値を高めている。完治するとは言え性的虐待に対する痛みや嫌悪感はやはり強く、常に初々しい反応を示すその痛々しい喘ぎ姿も人気であり、どんな責めにも逆らうことはしないのにぽろぽろと涙を流して許しを乞う、そんな憐れな姿が客層にうけている。また幼いゆえ極めて依存心が強く、どんなに酷いことをしてもその後少しでも優しくしてやれば感謝しなついてくる。その従順さも、ペットとしては最高の素質だと言えるだろう。

まさに、彼女はカゴに飼われた小鳥そのものである。
それは、考え方によっては幸せな生き方なのかもしれない。光なき地下世界では、彼女のように弱いものは何かに縋って生きるしかない。“生きられる”というだけで、この世界では完全な勝者なのだから。事実、明日の生を約束された彼女の生活を羨む声もある。
だが、彼女の本心は違う。
その力は彼女の身体は直せても、心の傷までは癒せないのだから……。


「そら……。わたしも……いってみたい」
 

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●ナナカとレイナ
ナナカはレイナのストーリー「ナイトファング」で重要な役割を果たすサブキャラクターです。
二人とも立場は全然違うのですが、実は根っこの部分はすごく似ている、というあたりを上手く描けたらいいと思います。
レイナはとらえどころのない孤高な一匹狼ですが、ナナカと触れ合うことで少しだけ丸くなる、というような展開を考えています。