ナイトエンジェルVSデスパイア

登場人物・設定紹介

三章

「あがぁ……あひ、あひぃい。ひぃいいん、ん……っ!」
 耳と秘奥で同時にイカされた――地獄じみたオルガの余韻が、いつまで経っても抜けてくれない。半ば放心したまま、メイは艶かしい声で悶え続けていた。可憐な唇は開けっ放しで、端からはだらしなく涎が流れ続けている。汗と涙にまみれたアヘ顔は、痛ましいほどに淫靡だった。
 華麗だったコスチュームは射精粘液でどろどろにまみれ、ずれたインナースーツはもはや肌を隠す役目を果たしていない。はだけられた胸生地からは興奮でいっそう膨らみを増した巨肉峰が露に覗き、乱れきったスカートの裾からはぐちゃぐちゃになったショーツが見えていた。黒い生地は内外に集る細蟲たちの蠕動で揉みくちゃにされ、自身の蜜に濡れていやらしい光沢を放っている。あまりに破廉恥な姿を、しかしいまの彼女には隠すことさえできない。
「ひぁ、はぁ、は……んぅ、あ、はああ……」
 地面に腰を下ろしだらしなく足を開いたM字開脚姿勢で、両手首を地面につけて苦しげに悶える変身ヒロイン。四肢は無数の触手に巻き取られ、コスチューム越しにおぞましい愛撫を延々と続けられている。絶頂とともに魔力を吸い取られた女体は、もはや快楽に蕩けきって抵抗する力を失ってしまっている。流麗だった黒髪は乱れきり、汗と涙にまみれた美貌は被虐の艶に蕩けきっていた。パンティの内側と両耳の腔内に大量の肉蟲を詰め込まれ、豊潤なおっぱいや成熟した秘部をねちねちと可愛がられ続け、快楽と絶望で身体の中も外も満たしつくされ――触手まみれで悶え続ける変身ヒロインの姿は、あまりに惨めで淫猥だった。
 ――ああ、あ。もう……だめです。わたし……こ、このまま……。
 信じられない場所まで犯し抜かれた。鼓膜の処女を奪われ脳髄までを陵辱され、魂も身体も汚された。エンジェルの力までもを極限まで吸い取られ、もはや魔物と戦うための力も、いやそもそも抗おうという戦意さえ沸いてこない。敗北のヒロインに残された道は、絶望という名の袋小路だけだった。認めたくなくとも心が理解してしまい、残された僅かな希望の力さえもが消滅していく。一筋の涙がぽろりと流れ、冷たく頬を濡らした。
 だが、天使が絶望しても、絶望の責め苦はいまだ終わらない。大量の吐精をぶちまけながらも、線蟲の群れは僅かにも動きを休めていなかった。むしろ天使の絶望を吸い取り、いまもなおその動きを激しくしているのだ。魔力を貪り指ぐらいの太さにまで成長した寄生蟲たちは、それぞれの移住先をいつまでも延々と嬲り続けていた。今も絶頂の余韻で痙攣している膣内では無数の肉蟲が蠢き続け、腸内にみっちりと詰め込まれている触手は尻襞の一本一本までもを味わいつくしている。耳穴の処女を奪った肉蛇は、淫らな性感帯と化した鼓膜に新たな幸福を教え込むべく淫虐のピストンを続けていた。
「ぐぅうっ……あ、があぁ! そんな、ま、まだ動いてる……くふぅう、あそこも、お尻も……ひきぃいい、みみもぉお、ま、またみみ犯されてますぅうう〜!」
 ありえない。ありえない陵辱だった。寄生され内部から改造された肉体は、しかしどのような責めにも従順な反応を示してしまう。鼓膜を拡張される苦痛も、排泄穴を逆方向に抉り返される圧迫感も、何もかもが蕩けそうなほどに気持ちいい。メイは黒髪を振り乱し、聞くもあさましい嬌声でよがりまくっていた。
 ――あ、ああぁっ! すごいです……こんなぁ、き、気持ちよすぎます……ぅぅう!
 四つの穴で奏でられる、苦痛と悦楽の四重奏。犯されるたび、嬲られるたび、いっそう希望の魔力が貪られていく。防壁を失った戦士の女体に、魔物の異能に抗うすべなどありはしない。寄生蟲によって改造された女戦士の神経は、いかなる苦痛をも快感として受け入れてしまう、淫ら極まりないものへと堕しているのだ。異常な場所を虐められるたび、それ以上に異常な快感を覚えてしまう。子触手に締め上げられている乳首もクリトリスも、千切れそうなぐらいにコリコリになって勃起しきっていた。
 敗残のエンジェルは、もう、どうしようもないぐらいに発情しきっていた。
「そ、そんな……あうぅっ! 嘘です、こ、こんなので感じてるなんて……あああぁぅ耳だめですっ、耳敏感なのっ、かっ、感じすぎちゃううぅう〜ッ!」
 充血しきった乳首を震わせ、がくがくとおっぱいを揺らして悶えまくる淫乱天使。先刻教え込まれたばかりの耳陵辱の悦楽は、特に甘美だった。今まで一度も破られたことのない箇所をこじ開けられ、にゅるにゅるずぼずぼとピストンされて可愛がられる。左右から脳天にまで突き抜ける悦虐の波動に、エンジェルの官能はメロメロになってしまっていた。異常な場所で感じさせられているという背徳感が、魔悦のスパイスとなって天使を蕩かせていく。子宮はきゅんきゅんと軋み、だばぁっと大量の愛蜜を漏らし続けていた。
「へへへ、まただらだら蜜が出てきたぞ。どこまで淫乱なんだぁお前は? 処女膜破られて感じるならともかく、鼓膜ぶち破られてあんあん悶えやがって……どうしようもない変態マゾだなお前はよぉ!」
「う、うううっ! ち、違います……そんな、これは、あなたが……はあぁぁう! そ、そこ……お豆、弄っちゃだめぇぇ!」
 くちゅ、くちゅくちゅ! 小生意気にも口答えする天使に立場を教えるべく、クリトリスに絡み付いている触手が締め上げを強めた。根元を幾重にも包囲し、包皮を剥いた肉豆をシコシコと扱き責める。女としてもっとも敏感な部分を執拗に可愛がられ、たまらず腰がビクン! と刎ねる。
「ああぁうっ あひぃいいっ! お豆はぁだめぇ……うぁあ、ら、らめですぅううぅ〜!」
 鼓膜貫通の虐悦とは違う純粋な快感に打ちのめされ、メイは頤を仰け反らせてよがり鳴いた。直前の口答えとは正反対な、あさましいまでに媚びきった濡声。それ以上に正直な下のお口は迷うことなく屈服しきり、だらだらと大量の濃蜜を垂れ流していた。床に溜まった愛液はショーツにまでたっぷりと染み、いやらしい粘つきと温度が生地を浸透して直接尻肌に塗り込められていく。
 自身の愛液は、溶けた飴のように粘り、人肌以上に熱く――あまりにも、いやらしかった。
 ――う、ううぅっ。恥ずかしい……。わたし……こ、こんなに、乱れてるんですか……!
 そんなところからも自らの媚態をまざまざと意識させられ、清純な美貌がぽっと赤らんだ。ここまで犯しぬかれ身体は屈しきっていても、女としての羞恥心、人としての尊厳は心に残されている。悔しげに柳眉を奮わせる姿が、なんとも健気で痛ましかった。
「くぅうう……っく、ううう! くふぅう、ううう……〜っ!」
 ぎゅっと唇を噛み締め、必死で汚辱に耐えるナイトエンジェル。羞恥と屈辱を糧に、なんとか抵抗への意志を振り絞る。全身を触手に弄られ双穴を犯され、耳穴にまで挿入されて脳髄までをスペルマ漬けにされた。常人ならば、いや並のエンジェルでも発狂を免れない異形の責め。いまだ正気を保っているだけでも驚異的な抵抗力と言えたが、しかし彼女の抵抗もそこまでだ。
 ――だ、だめ……です。ちからがでない……もう、希望の魔力がありません……っ!
 気高き戦意に、クリスタルが答えてくれない。これまでの執拗な責めに、天使の身体は完全に屈してしまっているのだ。絶頂のたびに凄まじい勢いで魔力を貪られ、代わりに絶望的な快楽を叩き込まれてきた。いまや希望の魔力は掻き消え、もはやエンジェルとしての力も消えかけている。いまのメイは、かろうじて変身ヒロインのコスチュームを纏っているだけの、ただの憐れな肉贄にすぎないのだ。
「っはははぁ! しかしまぁ、流石にそろそろ魔力も空っぽみてえだな。喰うものもなくなっちまった。じゃ、お楽しみもここまでだメイ……そろそろ、本格的に終わらせてやるよ!」
「う、う……あ……!」
 デスパイアの言う終わりとは、陵虐からの解放を意味するものでは決してない。それは文字通りの意味での終焉――即ち、被辱者の破滅に他ならない。
 ――こ、壊される……。わたし、このまま犯し殺されてしまいます……!
 眼前にまで迫った死の予感。避けられない、敗北の代償。デスパイアとの戦いは残酷だ。正義のヒロインが勝つ保障などどこにもない。負ければ待つのは――避けようもない絶望のみ、もはや怯えるしかない敗残者に、最後の責めが下される。
「くくく。新居の準備も整った……それじゃ、最後の移住といくぜぇ!」
 下卑た声とともに、絶望の力が凝集していく。メイの眼前、何もない宙空に、不気味な黒色の光が集中していた。それは徐々に実体化し、半透明の結晶体を作り出す。
「う、あ……。こ、これは……ぁ」
 暗黒の光を放つ、紡錘系のクリスタル。形も大きさもラグビーボールほどで、は表面にギザギザとした凹凸板が無数に重ね合わされた、鉱石結晶に酷似した質感だった。宙に浮く暗黒結晶柱からは、禍々しい魔力が轟々と噴出している。迸る邪悪な力を感知し、空っぽになったエンジェルのクリスタルがエンジェルの中で悲鳴を上げていた。
 ――本体……コア、ですね。これが、こいつの……!
 霞む視界の中でも、エンジェルは、本能的に相手の本質を見据えていた。
 デスパイアには、その精髄とも言うべきコアが存在する。無数の寄生虫の姿をとっているが、天使殺しのパラサイトはすべて共通の意志を持つ一体の魔物なのだ。姿を現した結晶体は、無数の寄生虫を制御する心臓部であり、言わばこのデスパイアの本体だった。
 心臓部であるということは、コアはデスパイアにとって最大の急所であるということだ。本来なら魔物自らコアを見せることはないが、極度の興奮状態においてその姿を見せることがある。その目的は獲物から直接的に魔力を貪るため、そしてこのパラサイトにとってはもう一つ――
「さぁ、いよいよ本番だぜ宿主様ァ。その淫乱に改造された身体で! この俺様の本体を! ひひひ、受け入れてくれよぉ……お前の淫らな子宮でなぁ、ひゃぁはははははははっ!」
 ごぉぉッ! 魔力の嵐を噴出しながら、暗黒の宝石が自らの意志で飛来する。尖った先端が狙うのは――濡れた黒ショーツにぴっちりと吸い付き淫らな造形を浮き彫りにしている、女の生命の園だった。
「ひ、あ、ああ!? そんなっ、う、うそ……!」
 デスパイアの狙いを理解し、たまらず恐怖の声をあげるナイトエンジェル。自らのコアを宿主の胎内に直接埋め込み、肉体と同化し完全に支配する。それが、パラサイトデスパイアによる寄生の最終段階なのだ。だが、完全に支配されてしまう絶望感より、むしろメイにとって恐ろしかったのは――その、あまりにも信じられない物体を挿入されるという眼前の事実だった。
 ――ひ、い! 無理です……あ、あんなの。入らない……は、入るわけないです……!
 デスパイアのコアは、ラグビーボール大の長さと太さを誇っている。表面には無骨な凹凸が無数に刻まれ、それぞれが剃刀さながらの鋭さで残酷に輝いていた。クリスタルのような外観からわかる硬質な質感は、まさに宝石さながらだ。それは言わば、水晶の刃を組み合わせて構築された巨大なディルドー。触れれば肉は裂け、突き入れられれば膣が破壊される。これまでの淫戯でたっぷりと濡れているとはいえ、こんなものを迎え入れられるはずがない――!
「ひぁああ、ひぃいっ! いやぁ、いやです、そんなの無理ですっ! やめてください、お願いです、ゆ、許してぇ……うああぁぁ!?」
 死ぬ――誇張ではなく死んでしまう。破滅の予感に、情けなく許しを請う被虐の天使。なんとか腰を引いて挿入から免れようとするも、しかし脳髄まで寄生された体はもはや彼女の言うことを聞いてくれなかった。それどころか勝手に両足が動き、腰をくいっと掲げ挿入を自らせがんでしまう。脳に寄生したデスパイアによって身体を無理矢理にコントロールされ、思ってもいないポーズを強制的に取らされてしまっているのだ。両手両足に力が込められ、座位から身体を水平に持ち上げた、新たな屈服体制をとらされて行く。
「はぁ、あ、ああ。いやぁ……こ、こんな格好……ぅっ!」
 勝手に身体を操られる屈辱、そして強制された屈服のポーズに、メイは恥辱の喘ぎを漏らす。床に尻を下ろした屈服姿勢から、くいっと腰が高く掲げられていた。触手淫縛の両手は地面に付けたまま、両足のつま先で下半身をぐっと持ち上げた姿勢だ。寄生された屈服天使は、まるでブリッジして秘部を高く掲げたような、あまりに屈辱的なポーズを取らされていた。
「う、くぅうう……っぅ。きつい、いぃ……っ!」
 仰向けの状態で地面と水平に持ち上げた身体を、四肢の先だけで支えているブリッジの体制。両肩と両足にかかる負荷に、メイは歯茎を食いしばり苦悶した。両膝はぐっと曲げられ、太ももは大きく開かれて曝け出した秘部を斜め上に掲げている。ぶびゅっ、ぶびゅっとショーツを染みて噴出す愛蜜が、白いコスチュームを淫らに濡らしていた。指の一本一本まで拘束されている両掌は、限界まで五指を開いた状態で地面に押し付けられている。両足は限界まで突っ張らされ、ブーツのつま先だけで地面と接していた。四肢の先に全体重がかかり、無理な姿勢を保持させられている関節がギシギシと軋む。床に押し付けられた白手袋とブーツは、池のように溜まっていた汚濁にまみれぐちゃぐちゃに汚されていた。
「ひあぁあ、いや、いやあぁ! こ、こんな格好で……くぅ、くうううん!」
 きつい負荷のかかるブリッジの体勢。両手両足に体重がかかり、疲弊しきっている身体が悲鳴を上げている。だが苦虐の中にあっても、淫蕩な女体は淫らな舞を止めようとはしなかった。地面と水平に保たれた女体はくねくねと身悶え、Dカップの巨乳は仰向けにされてなお淫らな膨張を示している。細触手に縛り上げられねちねちと可愛がられている乳首は、重力に逆らって天を向きビンビンに勃起しきっていた。はぁはぁと荒い呼気が漏れるたび、艶かしく喉が蠢き巨乳が揺れる。ブリッジ体勢で身体を支えている両足は、ぐっと太ももを大開きにして股間部分をはしたなく晒していた。寄生された身体は意志に反してくいくいっと淫らに腰を振りまくり、更なる辱めを自らせがんでしまっている。空腰のたびにコスチュームの裾がひらつき、蜜濡れショーツに浮き出した陰唇とアナルを露に覗かせていた。細蟲を何本も咥え込まされた双穴は、それぞれの淫らさを競いあうようにそれぞれ激しく痙攣している。漏れでた愛液と腸液が混じりあい、黒い下着をぐちゃぐちゃに濡らしきっていた。透過した黒生地越しに赤い粘膜までを剥き出している肉門に、巨大なクリスタルが容赦なく接近していく。
「ひひっ、何度見てもいやらしいマンコだぜ。もう何十匹も触手咥えこんでるのに、まだヤリたりねえってかよ。へへへ、まったく俺様の住居に相応しい淫乱さだ!」
「ひぁあ、あぅううっ! い、いや……そんなこと……はぉおお、あふぅううう〜!」
 侮辱の言葉に黒髪を振り乱し、涙を流し煩悶するメイ。たが、拒絶など言葉だけのものに過ぎない。いまや肉体はパラサイトの為すがまま、狂った官能はあまりにも本能に従順だ。至近した巨大凶器を味わいたくて、粘膜門は見るも淫らに開閉を増すばかり。子宮は軋みをあげ、だらだらと愛液を流して破滅の瞬間を待ちわびている。湧き上がるマゾヒスティックな期待感に、淫乱天使は腰を振りながら物欲しげな声をあげてしまっていた。
「へへ、淫乱な声で泣きやがってマゾ天使が。ほれ、お望みどおりに入れてやるよ!」
「え、えひぁ……あ、ああ、あああああっ!」
 ズブ……ズブ、メリメリメリィ! 大股開きで晒されている股間部へと、ついに破滅の結晶が押し込まれる。汚蜜で濡れきった薄いショーツなど、なんの気休めにもならなかった。鋭い先端が生地が押し込まれ、剃刀じみた表面に触れられただけでズタズタに切り裂かれる。黒いショーツは一瞬にして引き裂かれ、最も秘めやかな秘所が守るものなく剥き出される。
「あ、は、ぁ……や、ひ……っ!」
 引き裂けたショーツに溜め込まされた、蒸れた恥匂がむわっと香る。腰を掲げた恥辱姿勢でパンティを引き裂かれ、会陰部すべてがはしたなく天に向けて晒される。肉付きのいい貝唇は外気に触れてビクビクと痙攣し、爛れた粘膜までを広げて悶えていた。後ろの穴までも曝け出され、外気に触れた爽快感でひくんひくんといやらしく痙攣している。前のお口からは白い恥蜜が、下の奥地からは粘った腸液がだらだらと流れ、紅潮しきった媚肉を淫猥に濡らしていた。その様は新たな淫虐に怯えているようでもあり、またマゾヒスティックな期待感に悶えているようも見えた。
「ひひひひ、行くぜメイ……最後の快楽だ。存分に味わいなぁ!」
 すでに肉蟲でいっぱいにされているのに、なおも催促するように痙攣する貪欲な肉唇。異常なまでに高ぶっている肉穴へ、異常なほどに巨大な鉱物が、残酷に挿入されていく。。
「は、あ……あ、があぁぁぁっ! ひいぃいい、は、入ってくる……ぅうぅうう〜!」
 メリッ……ヂュブ、ミヂミヂミヂィ! 肉の裂ける陰惨な音と、痛ましい悲鳴が重なり合う。あまりに太くあまりに硬質な、巨大すぎるクリスタル。眼を覆いたくなるほど淫らに濡れているとはいえ、そんなぬめりまでこの質量の前では無味だった。巨大な先端部が肉唇をこじ開け、力づくで引き裂きながら進入していく。股を真っ二つに引き裂かれるような激感に、メイは背中を弓なりにして悶絶した。
 ――う、あ、あ! 硬い……お、大きい……! こんな、こんなぁ……ぁ!
 紡錘系の先端部分、窄まった先頭部が膣内にめりめりと入り込む。肉棒や触手とは違う、あまりに硬質なその感触。膣の締め付けを受けても宝石根は僅かにも縮むことはなく、逆に膣壁を押し広げながら暴虐の邁進を続ける。器物挿入によって内側から膣が拡張され、開ききった貝門はめりめりと左右に押し広げられていった。
「が、あ、あああぁっ! ひぎぃいい、ぎっひぃいいいいい――――!」
 凄まじい圧迫感が子宮にまで駆け上がり、柔肉を左右に押し開かれる拡張感がそれに続く。お腹の筋肉がみぢみぢと引き裂かれ、股関節の箍が外れる。腹腔を駆け巡る淫虐の苦痛に、メイは黒髪を振り乱し狂乱した。寄生蟲に解しきられ肉体改造でどうしようもなく淫乱になっていたいた挿入穴にとっても、巨大結晶の質量は迎えられる限度を越えている。股関節がぎしぎしと軋みをあげ、狭門は引き裂け膣壁は押し潰された。まだ半分も埋めていないというのに、寄生虫を詰め込まれている仔袋は早くもパンパンに飽和してしまっている。白いコスチューム越しに、ぼこりと下腹が盛り上がるのがわかった。
 ――うあぁ、あ、ああっ! お、大きい……大きすぎます……ぅ! こ、こんなの無理です……おぉぉ、おなかっ、こ、壊れちゃいます……うぅうう!
 一瞬にして膣穴を満たしながら、しかしクリスタルの進行は少しも緩まない。腹腔を完全に満たされ、限界を越えてさらに進入される。子宮を破壊しかねない挿入の破滅感に、メイは涎を吹き零し感じ入った。ラグビーボール大の巨大鉱物を詰め込まれ、お腹が裂けてしまいそうなほどの圧迫感に苛まされる。宝石そのものの硬度は膣肉の締め上げなどものともせず、極悪な質量がそのまま下半身へと打ち込まれていく。
 まさに絶望と呼ぶほかない未曾有の責め。しかもいまのエンジェルはすべての魔力を奪われ、その肉体強度は人間の女性のものとなんら変わりはないのだ。一突きごとに膣肉が潰され、柔門を引き裂かれ股関節を外される。みぢみぢと音を立てて膣部屋がひしゃげ、筋組織の何本かが容赦なくひき潰された。肉門をブチ裂かれ、内臓を内側から破壊されていく――その虐痛たるや、正気で耐えられる限度をはるかに越えていた。
「あがあぁぁアァ……がひッ、んぎぃいいい! ひぎっ、ひぎっぎぃいいいい〜!」
 大きく口を開け、限界まで舌を突き出して悶絶する変身ヒロイン。涙に濡れた瞳からは光が消えかけ、声の限りに泣き叫ぶ悲鳴には狂気の色さえ滲んでいる。
 ただ入れられただけでも女を殺してしまうほどの凶器だが、挿入コアの脅威はその質量と硬度だではない。鉱石結晶そのものの表面は、ギザギザとした凹凸板が無数に重ねられて形成されているのだ。それぞれの先端は鋭く研ぎ澄まされ、刃のように凶悪な形状を誇っている。その硬度は鉱石そのもので、その鋭さはさながら水晶の剃刀。デスパイアのコアは、触れれば肉をも引き裂く凶刃なのだ。そんなものを肉体の中でももっとも柔らかい内臓に入れられれば――その結果は、見るも無惨な結末となって天使の肉体に刻まれる。。
「ひぃい、ぎいいい! 痛ぁぁぁ……ひぎ、ひぎっぎひぃいいいぃいい――!」
 ビクン! と腰が刎ね、黒髪が乱れ涙が舞い散る。膣内に走る鋭い痛みは、調教されきった淫乱膣でさえ快楽としては受容できなかった。鋭い剃刀がグサグサと膣肉に食い込み、挿入のたびに粘膜襞が文字通り削がれ引き裂かれていく――!
「うあぁあ、いひぎぃいいい! こんなぁ……ぎぃ、いぎいい! だめ、だめだめだめぇ! こんなの壊れちゃう……痛ぁああぁ、裂けてるっ、死んじゃうぅぅゥ〜!」
 鋭敏すぎる粘膜を硬質な剃刀で切り裂かれ、愛液まみれでうねる膣襞をズタズタに引き裂かれる。胎内を剃刀で切り裂かれ、文字通り壊されていく、裂傷から血が噴出し、傷だらけの肉壁がさらに抉られてブチ破られる――拷問じみた苦虐に死の予感さえ感じ、メイは泡まで吹き出して悶え狂った。限界まで拡張された結合部からは、掻き出された愛液とともに赤い血までが流れ出していた。
「ひひひひっ! いい声だメイ……エンジェルの断末魔ってヤツはいつ聞いても最高だぜぇ。へへへ、このまま殺してやるよメイ。ブチ殺して、身体は俺が使ってやらぁ!」
 ずぶっ、めりめりずぶずぶぅ! 陰惨な悲鳴に悦び、魔物のコアは挿入の速度を一気に激しくした。巨大な宝石が裂傷を抉り、傷だらけの粘膜穴をぐちゃぐちゃと押し広げながら突きこんでくる。刻まれたばかりの傷口がすぐさま極太で抉り抜かれ、巨大すぎる質量をいやというほど実感させられる。凶悪なまでの圧迫感と、肉体破壊の壮絶な苦痛が、鋭敏な膣内で絶望の二重奏を奏でていた。
「はぁ、あぎひぃいい! いやぁ、も、もういひゃ……ゆ、ゆるひ……ひいっぎゃああぁァアァ〜!」
 あまりの圧迫感に、もはやろくに言葉も話せない。限界まで背中を仰け反らせ、舌を突き出して声の限りに絶叫する淫虐の天使。ガクンガクンと身体が揺れまくり、Dカップの巨乳がぶるんぶるんと揺れまくる。だが泣いても叫んでも悶え狂っても、絶望的な虐痛は僅かにも減じなかった。挿入を進められるたび、膨らんだ腹部がぼこぼこと脈を打つ。膣内出血で赤く濁った愛液が、ブーツやスカートを陰惨な血の色に染めていった。
 紡錘系の凶器は、進めば進むほどにその太さを増していく。最初の一撃で、天使の膣穴はすでに飽和状態だった。それ以上侵入されれば、もはや部屋が壊れるしかない。そして、デスパイアの責めは相手が死のうが壊れようが決して緩まない。残酷に挿入が進められ、天使の膣穴は押し広げられて破壊されていく。
 ――く、ぐぅううう! 太い、お、大きい……苦しい。死ぬ……し、死んじゃうぅぅ!
 凄まじい苦痛と圧迫感に、意識さえ朦朧となる。魔力を失った女体に対し、一切容赦なしの破壊的な極太挿入。最奥にまで達しても、挿入の勢いはまるで止まらない。触手愛撫で解されていた柔らかな子宮口がぐちゅっと押し潰され、凄まじい虐痛が駆け巡る。
「ひ、あ、あああがぁあ! と、届いてます……奥にまで、あ、当たって……ひぎぃいいいい! 子宮っ、つ、潰されちゃうううぅう――ッ!」
 お腹の奥の奥までを虐め抜かれ、剃刀で切り裂かれ巨塊で潰される。凄まじい苦痛の稲妻が、脊髄を通って脳髄にまで叩き込まれた。ブリッジ体勢で反らされた背中をびくびくと痙攣させ、泡まで吹いて悶絶する淫虐のヒロイン。朦朧とする意識の中、血の色の火花がバチバチと散っていた。
「ああぁおっ……うぎぃい、ひあ、あがひぃいぃいい〜!」
 グチュ、ヂュブブブヂュッ! ひときわ淫惨な衝撃が下腹に響き渡る。クリスタルの大半が無理矢理に膣内に押し込まれ、もっとも野太い中心部で肉門をこじ開けられたのだ。限界を越えて拡張され、狭隘な膣門はもはや完全に引き裂けてしまっていた。股関節が砕けて外され、太ももは左右に百八十度の大開脚してしまっている。避けた肉門からはだらだらと血が流れ、床にまで赤い液だまりを作っていた。巨石を詰め込まれた下腹部はぼっこりと隆起し、コスチューム越しにクリスタルの形状までもがわかってしまうほどだった。
「は、あ、あがあぁあァッ! んぐ、ぎ、あ、ああぁああぁああぁ……」
 凄まじいショックに、顎がガクガクと痙攣している。舌は突き出しっぱなしで硬直し、もはや意味のある言葉を発声できない。大股開きのブリッジ体勢で、メイはただただ苦虐に悶え、地獄じみた苦痛を甘受するしかなかった。
 ――ダメ……も、もうダメ……!
 身体も心も、とうに限界を越えた。破壊されていく――このまま、殺されてしまう!
「ひいひひっ、手前ももうお終いだなメイ。おおら、慈悲深い俺様から淫乱なエンジェル様に最後の選別だ。冥土の土産にでもするんだなぁ、くひひひひっ!」
 血みどろの膣内を占有し、デスパイアのコアはひどく上機嫌だった。新居たる子宮内はどこまでも暖かく柔らかい。うるさくうねる淫乱な膣襞はすべて剃刀でズタズタに切り裂いてやった。子宮口を押し開いて先端を突き刺し、完全に魔力を同調させるまであと僅か。寄生完了までの余興に、デスパイアは今一度淫らな宿主を喜ばせてやることにしたのだ。
「はぎぁ、あ、あ……んひ!? いひぁあぁ、ま、また動いてる……うぅう!」
 もはや魔物の言葉を聞き取るだけの余裕もなかったメイだが、身体に走る感覚には哀しいほどに従順だった。ぴくぴくと四肢を震わせ、快楽の媚声をあげるナイトエンジェル。乳首で、クリトリスで、アナルで、そしてまた耳の中で――ざわざわ、くちゅくちゅと、無数の寄生虫たちが再び淫らな愛撫を再開してきたのだ。
 何度も何度も発情粘液を執拗に塗りこまれ、いやらしい蠕動の気持ちよさを芯の芯まで教え込まれ、メイの肉豆はもう完全に触手陵辱の虜に堕してしまっている。コリコリに勃起しきっている乳首をきゅっと締め上げられ、包皮を剥いて充血している淫核をシコシコと扱かれれば、たまらない切なさで肉芯が融けてしまいそうになってしまう。
「あおぉお……あひっ、あひっ! 乳首……お豆……はひぃい、いっいいぃいい〜!」
 子宮破壊の惨苦から一転、天にも上らんばかりの快楽を三つの局所に叩き込まれ、メイは黒髪を振り乱しよがり喘いだ。苦痛で思考が消えかけていようと、従順な女体の鋭敏さは少しも変わっていない。いやむしろこの痛みから抜け出したくて、あさましいおんなは少しでも多くの快楽を求めてしまっているのだ。そんなところに突然これほどの快楽を与えられ、淫虐の天使は卑しくも一瞬でメロメロになってしまっていた。触手巻きにされてぎゅるぎゅると搾られるおっぱいも、ブーツ越しの粘液愛撫に晒されている両足も、どこもかしもたまらないほどに気持ちいい。
 快楽で可愛がってくれるのは、体外に集っている魔物だけではない。天使の女体に最初のオルガスムスを刻み込んだアナル責めの魔蟲も、脳髄にまでスペルマを流し込んで異常すぎる飛翔の悦びを教えてくれた耳責め蟲も、それぞれの持ち場を容赦なく苛め続けていた。長らく陵辱に晒され続けていた急所は、それぞれの相手といまや抜群の相性に開発されきっている。鼓膜の奥にまでぬるぬると侵入されるのが、尻粘膜をくちゅくちゅと伸ばし嬲られるのが、それぞれこれ以上ないほどの喜悦として感じられてしまう。
「おお、お尻ぃい……ひあ、耳も、耳もまた責められてるっ! だめ、だめなんですぅう、わたしっ、もう耳だけは、耳……ぁあぁぉお、お尻もだめですっ。すごくっ、すごく感じちゃいますからぁああぁぁっ!」
 腸液と媚毒体液でヌルヌルになった尻粘膜が丁寧に磨き返され、鋭敏な性感帯へと改造された耳の処女穴をずぽずぽとピストンされて犯されまくる。異常だとわかっていても、もうやめて欲しくないぐらいに溺れきってしまっている触手悦に、折れたエンジェルの心は逆らえなかった。再び腸内を突き上げられ、両耳を責められ脳天にまで被虐の魔悦を染み込まされる。アブノーマルな快感を憚ることなく貪り、メイは聞くもあさましい声でよがりまくった。あまりの快感に四肢がガクガクと痙攣し、触手に集られている両巨乳をぶるんぶるんと揺すりまくる。
「おあぁ……す、すごいですぅ! い、いいの……気持ち、よすぎますぅうう〜!」
 触手に嬲られ虐められることに至上の悦楽を覚え、涎を零しながら屈服の嬌声を上げる淫乱エンジェル。膣を破壊される苦痛に泣かされながら、同時に触手責めの淫悦に陶酔する。苦痛と快楽が一緒くたになり、耐えようのない異形の魔悦となって心身を蝕む。マゾヒスティックな肉悦に蕩けきったアヘ顔は、淫乱痴女さながらのあさましさだった。
「へへっ! ちょっと弄っただけでもうメロメロかよ。やっぱり大した淫乱だなエンジェル様は……くくく。感じた途端、子宮もビクビク痙攣始めてやがるじゃねえか!」
「あ、あはぁあぁ……はひ、いいいっ! くふっ、んっくひぃいいいい!」
 エンジェルの矜持を貶める最悪の言葉にも、もう言い返すことはできない。快楽に従順すぎる女体はデスパイアの言葉どおり淫らな蠕動をはじめ、極太凶器に押し潰されながらもきゅんきゅんと疼いて子宮口を開きつつあった。新たに分泌された愛液が膣内の裂傷に染み込み、たまらない痛みが胎内に駆け巡る。ズタズタに痛めつけられた粘膜はなおも淫らもざわめき、また剃刀で引き裂かれるとわかっていながらも挿入物に絡み付いて淫らに蠕動していた。膣穴全体が血にまみれながらも、それ以上の快楽を求めて破滅の凶器を奥へ奥へと飲み込んでいってしまう。
「あ、ああぁ、あうぅうっ! だ、だめです……これ以上食べちゃだめ……お、奥まで入っちゃだめですぅう! いやぁぁ、も、もうこれ以上はぁ……はぐぅっ、ひぎぃいいいい!」
 ぐじゅり、めぎめぎみぢみぢ! 自ら招いた挿入で膣肉が裂け、子宮が音を立てて押し潰される。信じられない惨態に、メイは巨乳を揺らし悶絶した。淫虐を行っているのはデスパイアではなく、色に狂った己が肉体なのだ。痛いのに、苦しいのに、お腹がパンパンで死んじゃいそうなのに、それでも淫らな膣は租借を早めクリスタルを飲み込んで行くのだ――苦虐の先にあるのが、いま全身で感じている幸福と同じものだと信じて。
「ひぃいい、ひぎぃいいい! だめなの、は、入ってきちゃいますぅ……お、奥にまで当たってっ、ひぎぅうう、潰れちゃううぅうううぅうう〜!」
 ずぶ、めりゴリゴリ! 凄まじい激感が胎奥で炸裂する。怒涛の挿入で蜜壷が潰され、クリスタルの先端部がついに子宮口に突き刺さったのだ。胎内をめちゃくちゃにされ内臓を穿たれ、凄まじい激痛が迸る。同時に全身の寄生虫が淫らな愛撫を激しくし、苦痛と快楽を同時に叩き込んで天使の官能を倒錯させる。きつくて苦しいのに膣襞が痙攣し、ガクガクと身体が揺れまくる。乱れる天使の性感帯を虐め続けている触手蟲もまた、ビクビクと激しく痙攣を始めていた。耳の中にもお尻の中にも、じゅわあぁぁっと大量の体液がしみ込まされていき――そして。
 ぶしゃああああ! ぐちゃっ、ぶっしゃあああああああ!
 大量の肉蟲たちが、一斉に多量の濁液を噴出した。
「あ、あ、あああ! で、出てる……くひぃいんっ、出てますぅ、またぁ、またいっぱい出さちゃってますぅうう〜!」
 耳にもアナルにも、同時に大量の汚濁をぶちまけられれる。従順すぎる穴を大好きな快楽ミルクで可愛がられ、マゾヒスティックな媚声をあげ悦びまくる淫乱天使。やはり、触手の出してくれるミルクの味はたまらなかった。官能を狂わせ思考を倒錯させ、理性をドロドロに溶かしてメロメロにさせてくれる。子宮貫通の激痛の最中、今すぐにでも天国へ飛ばされそうな悦びに追いやられ、メイは涎を吹き零して悶えまくった。さらには乳首やクリトリスに絡みついている肉蟲も滝のように多量のスペルマをぶちまけ、脆すぎる性感帯に再び汚辱の悦びを教え込んでくる。身体中に絡み付いている細虫たちも一気に射精し、気高き聖衣を汚濁の白でぬるぬると染めていった。
 媚毒を吐き散らす寄生虫たちは、まるで射精中の男根のようにビクビクと激しく脈打っていた。粘液でぬちゃぬちゃにされた性感帯で、女殺しの逞しい脈動が木霊する。尻穴や鼓膜、それに脳髄にまで濃密な粘りを染み込まされ、コスチューム越しに射精蟲の脈動をたっぷりと味わわされる。それは淫乱すぎる天使の女体にとって、嬉しすぎる責めだった。
 ――あ、あ、ああっ! すごい……すごいですっ! 犯されてます……耳もお尻も、全部一緒に……あぁぁ、こんな、こんな……ぁ!
 気持ちいい――圧倒的な快感が、堕ちた心を食いつぶしていく。ビクビクと膣蔵が痙攣し、クリスタルを一層噛み締め子宮へとめり込ませていく。その度駆け巡る破滅的な苦痛さえ、全身で感じる虐悦に飲まれ快感として倒錯してしまう。ずぶずぶと子宮を貫かれズタズタに膣襞を引き裂かれているのに、それさえもがどうしようもなく気持ちいい――!
「ああぁ……あはぁ、あっはああぁぁ! あひぃい、こんな、こんな……ああぁ……!」
 耳が気持ちいい、膣が痛い、アナルがたまらない、子宮がきつい、乳首もクリトリスもいい、耳もアナルもきもちいい、もう、どうなっているのかわからない。いたいのもくるしいのも、ぜんぶ、ぜんぶすごすぎて――!
 ――ダメ……です。わたし、もう、もう……!
 気持ちよすぎて、何も考えられない――意識が天国へと飛ばされる瞬間、
「ひひひっ。イっちまいなエンジェル様……せいぜい楽しみな、これが最後の幸福だぜ!」
 ブル、ブルブルブル! 最奥にまで入り込んでいたクリスタルが、突如激しく振動を始める。絶望の魔力を解放しながら、内臓奥に叩き込まれる地獄の振動――ズタズタに傷つけられた性感帯に、悦楽と絶望が直接叩き込まれる。
 ――ひあ、あ、あ! すごい……すごいすごいすごいすごいぃぃぃィッ!
 内臓が潰れる。子宮がひしゃげる。膨らまされたお腹がぼこぼこと脈打ち、開きっぱなしの結合部分が引き裂けながら痙攣する。
 こんなの耐えられない。激しい。たまらない。激しすぎて苦しすぎて、たまらないほど気持ちよすぎる! 
「らめぇ……わたひ、わたひっ! ま、また……またイイィィ……」
 蕩けきっていた女体で、耐えられる責めではない――!
「ック……ああぁぁぁぁイクっ、またっ、またイッちゃいますぅぅうゥ〜!」
 ぶしゃっ、ぶっしゃあああああああ! 聞くもあさましい屈服の嬌声とともに、裂けた秘門が決壊した。ブリッジ体勢のまま下半身がくぃっと限界まで突き出され、天を向いた肉門から大量の潮が噴出する。快楽の白と絶望の赤とが混じりあった汚蜜は留まるともなく噴出し続け、痙攣する太ももをぬるぬると汚しつくしていった。
「ひきぃいいいぃイッ……き、ひ、イ、イぃぃ……イっ!」
 苦痛と快楽で同時に極めさせられたオルガスムスは、あまりに甘美で、同時に苦しかった。戦慄く唇からは細々と意味不明のうめきが漏れ続け、涙に潤んだ瞳にはもはや生気さえ感じられない。ふるふると黒髪を震わせ悶え続けるイキ顔は、快楽に犯されきった雌豚そのものの淫らさだ。血混じりの潮吹き絶頂は長く長く続き、メイは延々とかすれた様な声で泣き続けていた。
「おぁ、あ、あ……あ、はぁっ」
 やがて、天国とも地獄ともつかぬ時間は終わりを告げる。強張りきった四肢から力が抜け、どっと床に倒れ付す絶頂天使。凄まじい快楽ですべての力が失われ、もう指一本も動かせない。天を向いて隆起する淫らな巨乳と、子宮奥にまでクリスタルを埋め込まれぼっこりと膨らんでしまっている下腹だけが、呼吸のたびに痛ましく脈打っていた。
 ――ああぁ……だ、ダメです……。わたし、もう、もう……!
 意識が遠のいていく。あまりにも凶悪すぎる陵虐、あまりにも異常すぎる絶頂。魔力を失った華奢な身体で、耐えられるはずがなかった。もはや全身に力が入らず、どこが痛いのか、どこが気持ちいいのかさえわからない。デスパイアのコアが絶頂直後の子宮と結合を始め、もはや完全に魔力も生命さえもを収奪されていく。敗残のエンジェルの心に去来するのは、ただ冷たい虚無と絶望のみ――。
 ――死ぬ……し、死んじゃいます。もうダメ……です。わたし、このまま……。
 意識が消える――諦観が、天使の希望を塗りつぶしていく。
 エンジェルの使命は過酷だ。正義のヒロインが勝てる保障などどこにもない。デスパイアに遅れを取れば、このように淫虐極まりない責め苦を味わわされ、そして決して救いは訪れない。
 希望を守るための戦いに待つものは、絶望しかない。歴戦のエンジェルは、そのことを嫌というほど理解していた。だから――、
 ――死ねる……。わたし、やっと楽に、なれるんですね……。
 使命に殉じての末期、戦いの果ての死。この永久に続く苦しみから、ようやく解放されるのだ。それは、使命という名の虚構で自分を騙し、苦しみを甘受して戦っていた、悲しいヒロインが最も望んでいた救済――だった。
 だが。
 ――死ぬ……!? ち、違います……ダメ、ですッ!
 もはや魔力も失い、すべてを奪われた。安寧なる死の誘惑を前に、しかしメイの心の中には、まだ一つだけ譲れないものがあった。
 ――このまま死ぬなんてできない……わたしはあのコと誓ったんです。絶対に死なないって……祐樹くんと、一緒に生きるって!
 光を失っていた瞳に、一筋の希望が宿る。
 今までのエンジェルならば、ここで屈していただろう。
 エンジェルとしての使命、デスパイアを滅ぼすものとしての責務。そんな虚構だけを糧に、自分を騙していた戦士ならば、絶望という絶対的な事実の前に自らに膝を折っていただろう。死を感受し、もはや立ち上がることはできなかっただろう。
 だが――いまの彼女は、違う。
 ――生きる……。あのコのため、そしてわたし自身のため。わたしは負けるわけにいかない……絶対に生き抜かなければいけないんですッ!
 『使命』『責務』そんな薄っぺらなものではない。
 いまのナイトエンジェルには、戦うべき本当の理由が――守るべきものがあるのだから!
「うあああぁ、あああぁあああぁぁぁ――!」
 突如。
 すべての力を失っていた天使は、声の限りに叫びをあげた。切ないほどに胸を打つ、すべてを駆けた必死の凛声。まだ終わってはいない――それは戦士の誇りをかけた、戦いの叫びだった。
 ――負けない! わたしは、絶対に勝たなければいけないんです!
 大切な何かのため――大切なあのコの、希望を守るため。空っぽになっていたクリスタルに、無限強の魔力が満ちていく。
 エンジェルの魔力の源は、希望の力。希望――それは決して尽きることのない、もっとも純粋で、そして強い力。
 諦めない限り、大切な何かがある限り。
 決して費えない、想いの力――!
「な、何だと……なんだこの力は! ナイトエンジェルゥ、貴様……どこからこれだけの魔力を!?」
 もはや完全に屈服させたエンジェルから迸る魔力に、デスパイアは驚愕の声をあげた。汚れきった全身から噴きあがる希望の魔力の凄まじさ、その気高さ美しさ――絶望の魔物が忌み嫌いそして恐れる純粋な魔力に、デスパイアは完全に気おされていた。
「くぅう……あああああっ!」
 裂帛の気合とともに、メイはその場に立ち上がった。希望の魔力が溢れ、直撃を受けた寄生虫たちは一瞬で浄化される。束縛蟲を一気に引きちぎると、メイは床に落ちていた獲物に手を伸ばした。一撃でデスパイアを滅ぼす必殺の刃が、再びエンジェルの腕に握られる。
「ナイトグレイブ……お願いします。最後まで、わたしに力を貸してください!」
 渾身の力を込め、慣れ親しんだ相棒を握り締める。主の想いに応えるように、天使の武器は聖なる輝きを強めていた。
「ふ、ふ、ふ! お、恐れ入ったぜメイ。だが切り札を出すのが少しばかり遅かったなぁエンジェル様、もう俺のコアはお前に寄生しているんだ。俺たちは一蓮托生の身なんだよ、お前に俺はもう殺せはしねえよ!」
 復活した天使の姿、そして魔力溢れる武器を前に、しかしデスパイアにはまだ余裕があった。分体である寄生蟲など何匹殺されてもたいしたダメージではない。そして心臓部であるコアは、もはやエンジェルの胎内に納められているのだ。どれほどの希望の力を用いようが、ここからの逆転などありえない――だが。
「ええ、そうですね。でも……だからこそ、避けられないですよね〜?」
 穏やかな、しかし強い口調で語るナイトエンジェル。クリスタルから魔力が満ち、手持ちのグレイブへと流れ込んでいく。煌々と輝きを放つ刃が向けられるのは――コスチュームを押し上げている、自分の腹部だった。
「な……ば、バカなッ!? 貴様、まさか自分ごと俺様のコアを……!」
 自分もろとも魔物を穿つ――あまりに凄絶な戦術に、絶望を司るはずの魔物が逆に絶望の声をあげていた。
 対し――メイは、あくまで穏やかに最後の言葉を紡いでいく。
「ふふ……はい〜。わたしたち、一蓮托生の身なんですよね〜。だから……一緒に、死んでもらいますよ〜?」
 あくまで穏やかに、淑やかに。
 されど、その瞳にはゆるぎない決意を満たして。
 ナイトエンジェル――メイは、最後の一撃を解き放つ。
「穿ちなさいっ! ヴァリアント・インペール!」
 カァァァッ! グレイブから噴出す希望の輝きが、鋭く研ぎ澄まされた槍の穂先の形を取る。武器をコアに魔力で形成された光の槍は、冷酷までの正確さで目標を貫いていた。
 白いコスチュームが穿たれ、光刃が腹部を貫通し床にまで突き刺さる。
「バ、バカな……ぎゃああああ〜!」
「う、ぐ……ああああああああっ!」
 一匹と一人の断末魔が響き渡る。巨大な長槍に串刺しにされ、戦士の腹部から凄惨な血潮が噴きあがった。希望の魔力で形成された刃による、乾坤一擲の必殺技。直撃を受けたデスパイアのコアは、ひとたまりもなく消滅していた。
 ――あぁ、これで……!
 己が刃で自分の身体ごと間を貫き、自身の血で気高き聖衣が赤く染まる。突き刺された槍に身体を支えられ、ガクッと脱力するナイトエンジェル。朦朧とする意識の中、メイは、
 ――ゆうき、くん……!
 守るべきものの笑顔を――彼女のとって唯一つの希望を、ずっと胸に抱き描き続けていた。
   

               ※   ※   ※

「おねえさん、芽衣おねえさんっ!」
 どこかで、自分を呼ぶ声がする。暖かい声――ただ使命のためだけに生き、孤独な虚無に囚われていた自分を救ってくれた、大切な少年の声――。
「あ……。祐樹、くん……?」
 その声に導かれ、芽衣は目を覚ました。視界に入るのは、暖かな家庭の天井。変身は解け、パジャマに着替えさせられて柔らかなベッドに寝かしつけられている。
(ここは……)
 見覚えのない場所ではない。ここは、彼女が守れなかった犠牲者たちが暮らしていた場所――そして守るべき少年が、現在を生きている場所。浅倉家の一室だった。
「わたし、ど、どうして……っく!」
「ああっ! ダメだよおねえさん、無理しちゃ! 傷だらけで大変だったんだから!」
 ズキンッ! ベッドから起き上がろうとした瞬間、腹部に苛烈な痛みが走った。少年に優しく身体を抱かれ、再びベッドに身体を預ける美女。見れば全身は傷だらけで、至るところに包帯が巻かれていた。
(そうか……わたし、デスパイアと……。でも、どうして生きているんですか……?)
 死を覚悟しての一撃――いや、生き残れるはずがなかった。強大な魔力の塊である刃で、腹部を打ち貫いたのだ。無事であるはずがない。
 だが、芽衣は生きていた。全身には傷が残り、特に腹部の激痛は顕著だが、しかし傷は明らかに完治の方向に向かっている。
 常人の治癒力ではない。クリスタルの魔力が為せる、癒しの技だった。
(ナイトクリスタル……わたしを、守ってくれたんですね……)
 あの時、デスパイアごと自分を貫いた希望の刃は、しかしエンジェルには最小の打撃しか与えなかった。邪悪のみを滅ぼすナイトエンジェルの力は、希望溢れる天使を殺すことはしなかったのだ。希望の魔力に満ちたクリスタルは主の傷を癒し、命を繋ぎとめてくれたのだ――『生きる』という、強い希望に応えて。
(ありがとう……。本当に、ありがとうございます……)
 芽衣は心の中で、命の恩人に感謝する。エンジェルとしての力の源であるクリスタルは、今まで、彼女にとって使命の枷でしかなかった。でも、今は心から感謝できる。
 エンジェルとして生まれてきたことも。
 希望を守る使命を与えられたことも。
 そして――自分の、運命にも。
「よかった……おねえさん、生きてて。ぼく……おねえさんにまで死なれちゃったら、もう……」
「祐樹くん……」
 一命を取り留めた後、無意識のうち、自分の足はこの家に向かっていたのだろう。
 自分のことを、こんなにも思ってくれる人がいる――いまの自分にとって、本当に安らげるただ一つの場所へ。
 そしてそんな自分を、この少年は賢明に受け止めれくれたのだ。身体中には、ぐるぐると包帯が巻かれている。お世辞にも上手とは言えない、でも一生懸命な想いが伝わってくる――少年の手による快方は、不器用だけれど、純粋な愛がいっぱいに詰まっていた。
「ありがとうございます、祐樹くん。キミが、わたしを救ってくれたんですね……」
 デスパイアとの激しい戦いによる傷は、残念ながらこの少年には癒せない。
 だけど、彼はもっと大事なものをくれた。
 救ってくれた――心の傷を、救ってくれた。
 孤独なエンジェルを支えてくれるのは、この少年の存在だけなのだ。
「おねえさん……ぼくね、ぼくね……」
 泣きそうな顔で、こちらを見つめてくる。純粋な瞳に籠もる不器用な愛情に、芽衣は心からいとおしさを感じていた。
(ああ……祐樹、くん……)
 守りたい――何があっても、この子の笑顔を。
「大丈夫です。大丈夫ですよ〜……」
 ふっと、穏やかな笑みを浮かべ。
 芽衣は身体を起こすと、その豊満な胸を少年の顔にぎゅっと押し付けた。
「え……わ、わぁっ!?」
 突然の抱擁に戸惑う少年を、強く、優しく――想いを込めて、全身で抱きしめる。
「キミは、わたしが守りますから。一緒ですから。ずっと、ずっと一緒ですから……」
「うん……うん。ありがとう、芽衣おねえさん……」
「わたしこそ……本当に、ありがとうです。祐樹くん……」
 触れ合うからだとからだ、こころとこころ。
 暖かな時間が流れる――たまには、こんな時間もいいだろう。一時の休息の中、天使は安らかな幸福を、いつまでもいつまでも噛み締めていた。


 
   

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