神聖天使久遠・新緑の魔法少女

第二話 『もう一人のホーリーエンジェル』

「あぁっ……ハァァァァンッ……うぅっ……うっ、くぁぁぁぁぁっ……」
 ホーリーエンジェルの衣装に、一部の隙も無くぶちまけられた妖液が放つ異臭……。
 私のアソコ、だけじゃなくて……お尻の穴からも止め処なく溢れ続けるドロドロした液体で、飽和状態になった白いホーリーショーツ……。
 そうなの……私の変身スーツは、エンジェルとしての優雅な気高さを完全に汚(ケガ)し尽くされているのです……。
「……やっ、やっと……いぇ……家に……うぅっぅ……ハァァァッ……」  
 寝静まった街並みを惨めな変身姿を引きずり歩いて、やっとの思いで葉月家に辿り着いた私は、安心感からか立ち眩みしてその場にへたり込むのでした。
 カランッ、と音を立ててホーリースタッフが転がり落ち、その十字架のクリスタルに宿る微弱な輝きすら消えていきます。
「アアッ……ハァァッ……うっ、ぅぅっ……ぅぅっ……」
 このまま意識を無くしてしまいたい。でもまだ私は、ホーリーエンジェルに変身したままなの……。もう……いいのよ……変身を解除しても……。
 ペタリと膝を曲げてコンクリートについた右足と、左足はニーソックスとブーツが真っ直ぐに投げ出されています。そんな姿勢で強調される肉感溢れた太股とヒップラインには、下着をギリギリ隠す新緑のミニスカートがベタッと纏わり付くのでした。
「あぁっ……こんなに……ヌトヌトにされている……」 
 私のムチムチした脚のラインが、ホーリーエンジェルの清く麗しいニーソックスとブーツが、淫媚に汚されているのを改めて目の当たりにしました。
 下半身だけではありません。変身スーツは細部のディテールが不明瞭になるほどに汚辱され、胸の谷間はデスパイアの精液を受け皿のように溜め込んでいます。
 ホーリーエンジェルの十字シンボルが描かれたヴェールは、風になびくことすら無いほどに髪に張り付いたまま……。羽状の髪飾りまでもが、私の長い髪を変身スーツの開いた背中に張り付かせる為に作用しています。
「あぁぁっ……髪からも、ジュクジュクしたデスパイアの体液が……はぁっ、はぁぁっ……コスチュームから大きく露出した私の肌に……ううぅっ……染みこんでくるのっ……」 ホーリーエンジェルを司るフェティシュな衣装が敗北の証となって、無力な装着者に重くのし掛かります。
「……うぁぁっ……くぅぅっ……私……は……最後まで……ホーリーエンジェルの完全な衣装姿のままで……はっ……はぁぁっ……デスパイアの陵辱を許してしまった……」
 戒めを問われるかのような感覚……あんなに懸命に戦ったのに……惨敗という結果が私を支配するばかりです。
(……うぅっ……ぐすっ……うぁっ……くやしいよぅ……でも……いつまでもこうしているわけにはいかないの……エンジェルとしての私を……解放しなくちゃ……)
 もう、戦闘は終わったのです……。脱力しきった姿のホーリーエンジェルは、デスパイアの白濁汁と自分の体液をボタボタと床に垂らし続けているだけなのですから……。
「リ……リムーブ……シフト……」
 変身解除のキーワードを受けて、天使の武器とデスパイアと戦うための衣装が光の粒子に変換されるように薄れていきます。
 リムーブシフトすることによってエンジェルとして受けた陵辱の傷跡と、こびり付くようなキツイ異臭を放つ濃い粘液が消えていきます。
(変身を解除すれば、元の私に戻れるの……)
 リムーブシフトが実行されて、私は白濁にまみれたホーリーエンジェルの姿から月影久遠に……デスパイアを処断する天使から1人の無力な少女へと戻っていくのです。
「……ふっ……ぅっ……ぁぁぁぁっ……ぅぅっ……」
 エンジェルとしての力を完全に失った私は、自分の身体を少しも支えることができませんでした。ツタの触手に襲われてズタズタに裂けた私服姿のままで、倒れ込んでしまいます。
 ホーリーエンジェルの時には束ねられているストレートの髪が変身解除と共に解けて、そのフワッと背中に髪が広がる感覚にすら、私は気を失いそうでした……。
「ハアァァァッ……ハアアンッ……ゥゥッ……ハァァッ……」
 事切れそうになる意識を、少しでも保ちたくて荒い息を繰り返します。
(このまま玄関の前で……家の外で……意識を無くしてしまったら……人に見つかっちゃう……早く、早く家に入らないと……)
 鉛のように重い身体を這うように少しずつ動かして、強張った手で何とかロングスカートのポケットからドアキーを探り出そうとします。
 けれど、触手に何箇所も引き裂かれたスカートに指先が間違って進入し、私の太股を無意味になぞるのがもどかしくて泣きたくなります……。
「あぁっ……あったぁ! 鍵……かぎぃぃっ……早く、はやくっ、鍵を開けないと……ここで力尽きそう……くぅぅっ……あともう少し……だからぁ……あはぁ……久遠、しっかり……する……のよ!」 
 身体全体でドアに這うようにじりじりとした動きしかできないのが情けなくて、涙が出てしまいます……。
「だめぇっ……身体が……身体が言うことを聞かないの……あぁっ……ちょっとだけ、休んでから……ちょっと、だけ……えっ!?」
少し身体を休ませたくなる誘惑に負けそうになった時、遠くからオートバイの排気音が聞こえてきました。まだ外は暗いけれど、走行音とエンジンを掛けたままで停止させる音が交互に聞こえて……ううんっ!? 周辺のポストからカタンッ、という音が近づいてくるの!?
「新聞屋さん!? ああっ! 早く、早くしないと見つかっちゃう!」
 両脚をガクガクと震えさせながら、縋るようにして私は立ち上がります。
「早く……早くぅっ……ぁぁっ……指……上手く動かないぃぃっ……鍵がぁぁっ……入らない……鍵ぃっ……早く入って……入ってよぉぉっ……」
 ドアノブを無駄に引っ掻く音が、ガチャガチャと空しく響くような気がします。
 家に入ることができなくて、私の心はどうしようもなく不安になってくるのです。
 段々自暴自棄になって、『もう見つかったっていい!! どうせ私はデスパイアに敗北した無力なエンジェルなの!!』とそんな思いがよぎった時、右手からスーと挿入されていく感触が伝わってきました。
「ああっ……はっ、入ったぁぁっ……あっ、あぁぁっ……」
 ロックが外れる音がしたと同時に、鍵を抜いて重いドアを力任せに開きます。
「はあぁんっ……きゃぁっ!? アウッ!! クッ……クゥゥゥッ……」
 玄関に身体を滑り込ませると同時に足がもつれ、ふらっと倒れこんでしまいます。
「あぐぅっ……ぐぁぁぁっ……くぅぅっ……」
 私の大きな胸が玄関マットにギュッとのし掛かり、冷たい廊下の感触を頬に感じたのを最後に私は意識を失ったのでした……。
 
  ※  ※  ※
 
 あの森で遭遇したデスパイアは快楽責めに敗北してしまったエンジェルを、何故見逃したのでしょうか。
 本当なら私はあのまま補食されて、魔法少女としての使命を終えていたでしょう。
 そう……。もう、既にこの時から……。
 ホーリーエンジェル・久遠の新たな淫虐の日々が始まっていたのです……。
 
  ※  ※  ※

「ひっ! ああぁぁぁぁぁっ……うぅっ!」
 また夢の中で頭が真っ白になって……私は、ベッドの上で汗だくになって目を見開きました。
「はぁぁっ……アハァァッ……ううっ……くふぅっ……うはぁっ……」
 あれ以来、私は夢の中であのデスパイアと遭遇してしまいます。
 快楽の中でホーリーエンジェルとして戦おうとするワタシ……。
 触手責めに、ハシタナク乱れ狂う変身少女……。
 絶頂の余韻と懊悩の中で辛い身体を引きずって、変身したまま家に帰ろうとする痴態のヒロイン……。
「ああっ……またっ……夢でぇ……!! いやぁぁっ! また手が、手がこんなところを……」
 あの日のことで魘されて目を覚ます度に、私は自分が惨めになります。
 今日も掛け布団は大きく払い除けられていて……最近は下着姿で眠ることが多くなった私の、欲情に身を任せていたかのような乱れ姿にまた目を覆いたくなるの!
 白いハーフトップキャミソールからは左手が大きな乳房を揉みし抱くように進入し、右手は隙間無く擦り合わされた太股の間……股間のクレヴァスに沿うように宛われていたのです。
 胸部と股間以外……おヘソや脇腹の括れたライン、筋肉質ではないけれど適度な肉感を保つ肩から伸びた腕のライン。
 普段はロングスカートで隠している、男性の欲情を煽りそうな太股と長くてムチムチした脚のライン……。
 葉月家の留守を預かるようになった私は、できるだけ健康美を意識した下着を着用するようになりました。
 こうちゃんと美晴さんはお父さんの出張先で暫く暮らすことになったから、今この家には私一人しかいないのです……。
 だけど、私は一人でも平気……。だってもう、子供じゃない。だから、こんなに育ち過ぎた身体だけじゃなくて、心も少しずつ大人にならなくちゃいけないの! ホーリーエンジェルに変身していない時の、普段の内気な久遠はもうイヤ! 本当は、もっと大胆に振る舞える自分になりたいの! 
 だから今が良い機会だと思って、下着から……少しずつ自分を変えようとして、この格好で眠るようにしています……。
 もちろんイヤラシイ大人の女性が身につけそうな、男性をベッドに誘うための際どい色や恥ずかしい形の下着には躊躇しました……。
 でも、これくらいだったら水着の延長みたいだし……いいかなって、思ったの……。
「はあぁっ……私……まっ、またぁ、眠りながらこんなところ触っているぅ……うっ! うくぅっ!!」
 ピクピクと震える指が淫夢の惰性で右の乳首を直接弄び、股間のお豆をヒップハンガーショーツ越しにまさぐります。
「アアンッ! くううっ……。くふぅぅっ……だっ、だめえぇっ!!」
 私は大きく頭を左右に振って、イヤラシク動こうとする両手を更に感じそうになる性感帯から払い除けました。
「こんなことしちゃ、だめ……なっ、流されちゃだめぇぇっ……明日……学校だから……ちゃんと寝ないと……私、寝るの……眠るのよ……はっ、はぁぁっ……」
 そう願って、両手で強くシーツを握り締めます……。
(やだっ……何だかシーツまで……凄く湿っている……)
 大胆に身につけたキャミソールやショーツだけじゃありません。シーツに肌が直接触れる場所まで、汗でぐっしょり濡れていることに今更ながら気付いてしまうのでした。
(そっ……そんなこと気にしなくていいから……早く寝るのよ、久遠! 早く眠ってこんな気持ちはもう忘れるの! イヤラシイことなんか考えない……普段の自分に戻って! もっと大胆な自分になりたいってことと、イヤラシイことする女になるってことは違うのよ!!)
 そうやって自分を説得しようとしているのに、私は腰をクネクネと振り、太股をジリジリと捩り合わせる身体を止めることができないのです……。
「どうしてぇ……どうして身体がぁっ……こんなにぃ……悶えてしまうの!?」
 ホーリーエンジェルとなってデスパイアと戦うことになってから……特に、デスパイアに身体を汚(ケガ)されてしまった日の夜は……正直、性的な高ぶりを覚えたことがあります……。
 汚(ヨゴ)されてしまった身体を清めたくてお風呂場でシャワーを強く浴びたら、その熱い水流が胸や乳首や私の恥ずかしいアソコに当たって『あん!! くっ、くぅぅっ……くふぅっ!!』と、思わず戦慄いてしまったことがありました。
 でも私は、エッチなこと……ましてや自分で自分を慰めたりなんて、とてもキタナラシイことだと強く信じています。
 クラスメイトが、初体験がどう……なんて会話が聞こえくるのだって苦手です……。
 だから、私は……自分から自慰行為とか……1人エッチだなんて……おっ、オナ……ニーなんて……私は……しません……。
 決して自分から進んで……オナニーなんてするのは……好きじゃないです……。
「はああっ……あふぅぅっ……ふぁぁぁぁっ……んんぅっ!!」
 ダメッ、胸がどんどん高鳴ってきます……。
 私の手を……感じやすいところに……持っていきたく……なってきます……。
「くはぁぁっ!! 今まで……今までだってなるべく……我慢してきたのに……」
 本当は……デスパイアにイヤラシイことされた感覚が抜け切らなくて……眠れずにベッドの上で身体が震えてしまったことがありました……。
 でも大きな声出したら、隣の部屋のこうちゃんに聞こえちゃうから……だから必死で口元を押さえて『ふくぅぅっ……んくぅぅぅっ……ふぅぅぅぅぅぅぅんんんっ!!』と、くぐもった声を漏らして……軽くイッテ身体を落ち着かせたことが……あった……かもしれません……。
 でっ、でもそれは、デスパイアとの戦闘のせいで……私がオナニーしたかったから、したわけじゃ……ありません……。
 デスパイアにイヤラシイ攻撃されなかったら……久遠はオナニーなんか……シナイ……です……。
「あぁっ………わたし……一体、何を考えているの?」 
 倒錯に目を彷徨わせて、私はいつものように家の中の気配を伺ってしまいます
 こうちゃんの部屋からガンガンと大きな音楽が聞こえていた時に……つい声に出して喘いでしまったことが……あった……かもしれません……。
 今、家族が留守にしているこの家はもちろん静まり帰っています。外から……風が吹く音が……聞こえてくる位です……。
 もし我慢できなくても……私1人だから、誰にも知られない……。
 私が……すっ、する時は……そう、デスパイアのせいだから……だから今だって……好きで、するわけじゃ……ありません……。
 これは……デスパイアに汚(ヨゴ)された身体を落ち着かせるためなの……。
 だから、仕方が……ない……の……ワタ……シ……。
「もっ、もうだめぇぇっ! やっぱり……シタイのぉぅっ!!」
 シーツを強く握り締めて何とか抵抗していた私の両手が、ハシタナイ命令を受けて股間と胸に素早く向かいます。
 左手はハーフトップキャミソールの下から潜り込んで、激しく両胸を掴み回します。
「はぅぅっ……くっ、くぅっ……はああぁぁぁんっ!! やっぱりイイのぅっ!!」
 右手は綺麗なラインを形作るヒップハンガーショーツの、股間に透けて浮かんだ割れ目に沿って指をなぞらせます。 
「くぁぁっ……あぁぁぁぁっ……はっ……あはぁぁぁんっ! こんなっ、こんなに濡らしているのっ!!」 
 自分の身体を慰めて、誰にも遠慮することなく大きな声を出したのは初めてかもしれません……。 
「ハァァァァンッ! 胸ぇぇっ……揉むと、凄い弾力があってぇぇっ……ぁぁっ……ぐりぐりするとイイのっ! ちっ、乳首ぃぃっ……右も左も……くぅぅんっ! こんなに勃起乳首になってぇぇっ……アアッ……感じるぅぅっ……」
 ああっ……もう自分が自分でなくなるスイッチが入ってしまったの!!
「そうなの……私の胸って……やっぱり凄くエッチなの……形や大きさだけじゃなくて! 感度までイヤラシイのぉぉっ!!」 
 そして、私のイヤラシイ場所はこの胸だけじゃありません……。胸だけじゃなくて……右手の中指が……勝手に動いて……ショーツの上から股間の秘裂をグイグイッとまさぐるの!
 だから卑猥な音が股間から響いてきて、私はイケナイ気分になるのを止められません……。少しずつ股間が……大胆に開いて、段々と膝が立っていって、腰がハッキリ上下運動を始めてしまいます。
(これがぁ……1人エッチ……おっ、オナニー……ああんっ……久遠、オナニーしているのっ!! してしまいます!!)
 凄い、凄く興奮する!!
「くふうぅぅっ! オナニー……おっ、オナニー……やっぱり気持ちイイ!!」
 クッと立てた指をショーツごと……私の恥ずかしいあそこの穴に入れていきます。
「あぐぅっ……くぅぅっ……きっ、効くぅっ……はぁぁぁぁっ!!」
(そう、凄く来るのっ!! かっ、感度が堪らない!! これってきっと……デスパイアに何度も犯されるうちに……淫らな感じ過ぎる身体にされてしまったからだわ……だって私は……元々こんな……エッチなことする女の子じゃ……ないもの……)
「イイっ!! ああっ、もっとぉっ!! うああっ!! もっと感じたいぃっ! うあっ……もっ、もどかしいぃっ!!」 
 下着越しの指挿入は、ほんの数センチ膣内に届くだけ……。触手に無理矢理侵入される勢いにはとても及びません……。
 私は右手を股間から慌ただしく離すと、一気にショーツの中へとその指先を潜り込ませました!
(胸も、乳首もビクビクって! 電気が走るみたいに感じているの!! だけどっ、ワタシ! やっぱりアソコに入れたいのっ!!)
「くっ……クウウウウウウウッッ!! アアァァァァッ!!」
 股間の裂け目を掻き分けて、ジュブシュブッと音を立てながら、濡れた膣口に私の指先が突き進んでいきます……!!
「はうぅぅぅっ! ひっ、ひゃぁぁぁぁっ! こっ、ここぉを……私の指で……うっ、埋まってぇぇっ……はぁぁっ! これがっ、これがイイのおっ!」
 デスパイアに犯されるための穴を、垂直に曲げた指先でクイクイッと前後運動で刺激します。
「ふぁぁっ! はうぅっ! くはぁぁんっ! ひっ、ひぁぁぁっ……」 
(ヌチョヌチョとした襞と指がまとわりつくみたいで。あぁ、あそ……こ……の中に入れるのってスゴイ、スゴくいいのぅ! 自分の指で感じちゃう……女の子ってぇ、みんな、こんなことしているの? ダッ、ダメェッ……むっ、夢中になるうぅぅっ!!)
「わっ、ワタシぃ!! 誰もいない家でぇ!! こっ、声に出して……。大きな声出してオナニーしているの!! 乳首こりこりしてぇ!! アソコ弄くり回してぇ!! オナニー!! でっ、デスパイアのせいでぇっ……久遠、オナニーしちゃうのっ!!」  
 薄く開いた目で、自分の指の動きを追い回します。戒めから解放された生き物ように、欲望のため、デスパイアの代わりを務めるかのような淫靡さで蠢くワタシの指を……。
(だっ、誰もいないからって……ひっ、一人で! キャミソールとショーツ姿でくつろぐだけでも、私にとっては恥ずかしいことなのに……。こんな堂々と1人エッチして……気持ちよくなって……声出して乱れてえぇぇっ! でも、火照る身体を落ち着かせるためなの……っ! だから、このままイッテしまっても仕方がないのっ!!)
「アッ、アアァァッ! おっ、オナニーでイクぅぅ!! 大きな胸自分で虐めてぇっ! あぁっ……乳首指で挟んでオナニー!! ああっ、来るっ! 来ちゃう!! アソコに自分の指を出し入れしてぇ……おっ、お豆も撫で回し……た…らっ! くはああぁぁっ! イクうぅっ! 久遠オナニーでイクのぉっっ! イイっ! 1人でイクッ! オナニーでイクぅぅっ!! くぅっ! くはぁぁぁぁんっ!!」 
(ああっ……私、なんてハシタナイ言葉をたくさん使っているの? オナニーして、イッテしまうなんて。こんなの、本当の私じゃないのに!)
 自分の背徳な一面が強く出てしまう……。そんなもどかしくて堪らない感情の交錯の瞬間、私のイヤラシイ身体全体に……痺れるような強い電流が駆け上ってきました。
「くっ、クウゥゥゥゥッッ!! くはっ! はああぁぁぁんっ!! くふぅぅぅぅんっっ……イッ……イッ……イッタぁぁっ……」
 オルガスムスの衝撃に強く腰を突き出し、宙に浮いた股間を震わせる……これが、誰にも遠慮しない……オナニーの絶頂感……。
「はぁぁっ……あはぁぁぁっ……ふぅっ……くはぁぁぁっ……」
 少しずつ腰がシーツに降りてきて、私はショーツから自分の右手を抜き出します。
「ひぃっ、ひゃあああああぁぁぁんっ!!」
 クチュッと膣内から引き抜かれる指が、また私に脈動するような快感を与えます……。「ハッ……ハァァァァンッ……いっ、今……いっ、イッタばかりだから……あはぁんっ……よっ、余計に感じちゃうの……」
 自慰に乱れ、求め続けた激しい絶頂を迎えても……私の夜はまだ終わらないのでした……。

  ※  ※  ※  

(ああぁぁぁっ……このまま……眠ってしまいたいよぅ……くうっ、くふぅっ!!) 
 火照った股間に添えられたままの右手が、またざわめくように動き出します。
(ああんっ……何でぇ……身体の火照りが、止まらないぃ……ふぅぅぅんっ!!)
「もおダメよ! 久遠! こんなこと、もうやめるの! やめるのよ!!」
 私はやっとの思いで、左手ですくうようにして股間から右手を払い除けます。
「はぁぁぁっ……アッ……こんなに……びしょびしょになって……」
 目の前で、薄明かりを浴びて濡れた様を露わにする私の指先……。  
「うっ……うぁぁっ……ぅぅっ……」
 私の愛液が、ピシャ、ピシャ、と口元に滴り落ちてきます。
 それが唇に触れた時、私の頭にまた霞が掛かり始めたのです。
「ウゥー……ンンゥー……ンンンンンッー……」
 降りかかる滴を、この舌で受け止めたい!! 
 そのために私は、とろけた表情で舌先を唇の先へと延ばしてしまいます。
「ンンンンンンッ!! フウゥゥゥゥンンンンッ!!」 
 膣分泌液と唾液が混ざる味わいが堪らない! もっと、もっと味わいたい! 指を……ゆっ、指を舐めとりたい!!
「フウゥゥゥゥッ!! ンッ……クチュッ……チュルゥ……ピチャ……クチュ、チュプ……チュルゥゥ!! チュ、チュプッ! チュルゥゥッ!!」
 1本、2本、3本……激しく舐め回す指の数を次々と増やしていく私……。
 あぁっ、しょ、触手に口を犯されている時みたいに口内がキツクなっていくわ……。
「フッ、フグゥ……クチュル! チュク、チュルゥ……ピチャ、チュプ、チュルゥ……フムゥゥゥッ!! チュプ、クチュゥゥゥ……フグォゥ……フォォッ、ンンンンッ!!」
 しょく……しゅ……ショクシュ……触手……。私はホーリーエンジェルになってデスパイアの触手に襲われている……。
 聖なる天使が、デスパイアを狩る強い魔力を持った正義の変身ヒロインが……卑怯な手段に敗れて犯されているの……。
 だから変身を……変身しなくちゃ……。このまま……久遠のままエッチな妄想オナニーをしていたらおかしいわ……。早く、早くエンジェライズ……ホーリーレボリューションするのよ……。あぁぁ……でも口が塞がれて……久遠、変身できない……!!
「フグォォッ……ひえんじぇら……オグゥゥ……いっ……ず……ピチュ、チュムウルゥ……ふぉぅりぃ……れっ、れぼぉ、オオオオオン!!」
 ああ……この前、変身邪魔されたのを思い出しちゃう……。へんしん……ヘンシン邪魔されるなんてぇ……あぁっ……ピンチだわ……。くっ、久遠ピンチなの……。
 うぁぁっ……わたしぃ……こっ、こんなことで興奮しちゃうなんて!!
 ベッドの軋む音が、さっきのオナニーでイッタ時よりも激しくなっている気がします。 こぅちゃんと美晴さんがいたら、エッチなことしているのがばれてしまうわ!!
 そんな状況を想像した瞬間、私の指が激しい水音を立てて口内から抜けていきました。「ふっ……ふぁぁっ……ううっ……うぅぅぅっ……。はぁっ……ハァァァァンッ」
 大切な家族のことが頭をよぎった今が、現実に帰れるチャンスでした。
 だけど私の妄想は止まることを知らないかのように、魔を討つための大切な言葉を唱えてしまいます。
「はぁぁぁぁんっ……久遠、ホーリーエンジェルに、変身します!! エンジェライズ・ホーリーレボリューション!!」

  ※  ※  ※

 ホーリーエンジェルは、遠距離戦闘に優れた能力を持つ魔法戦士。
 エメラルドグリーンの光が私を優しく包み込んで、久遠はコンプレックスを抱えた少女の姿から、憧れの変身ヒロインへと変わっていきます。
 クリスタルは私にエンジェルとしての身体能力だけではなく、久遠のままでは挫けそうな脆いこの心に、デスパイアを絶つための強い精神力を与えてくれるのです。
 瞬く程の間に行われる、ホーリーエンジェルへのレボリューション。
 それを淫らな欲望のために唱えてしまった私は、変身過程をいつもとは違う時間感覚で受け止めて行くのでした……。

  ※  ※  ※

 淡い光の中で私のランジェリーが消えて、生まれたままの姿になった私からホーリーエンジェル・久遠への変身が始まっていきます……。
 最初に装着されるのは肘から指先を覆う純白のロンググローブと爪先から伸びてくる同色のニーソックスでした。
 これは私の肌を快いフィット感で覆いながら、上腕部と太股を露出させてホーリーエンジェルにセクシーな気高さを与えてくれます。
 そして、私の下着は変身スーツ同様の神聖な力で守られる白い……紐パンツが……着用されます……。
 あぁっ……こんな紐パ……ン……なんて恥ずかしくて、久遠の時は身に着けたことなんてありません……。
 でもこれはホーリーエンジェルの衣装なのだから、仕方がないの……。
 そんな恥ずかしい下着を隠すエメラルドグリーンのスカートは、股間ギリギリの際どさで……サイドラインがより短くなる曲線を描いて……私のムチムチした太股が露出しちゃって恥ずかしい程に短いのでした……。  
 でも、このスカートは動きやすいから……。ホーリーエンジェルが遠距離戦闘向きだからといって、デスパイアと近付いて戦うのを避けてばかりはいられないから……。
 そう、これはホーリーエンジェルの弱点をカバーするためのデザインだから……恥ずかしくなんか……ない……わ……。
 そんな私の羞恥心は、下半身の衣装のことだけに留まりません。
 連続してフリルスカート上部に重なりウエストを覆いながら、私のこぼれ落ちそうな大きな胸と、胸元を隠す法衣が着用されていきます……。
(あぁんっ……胸のこともいやぁぁ……私、好きでこんな胸……してないのに……胸の谷間がたっぷりと目立ち過ぎているの……)
 そうなの……ホーリーエンジェルの姿は、私のはち切れそうな巨乳と肉感溢れる身体付きを……他のどんな衣装よりも性的にアピールしている気がします……。
 私の大きな両胸を更に寄せ上げて、胸の谷間がこんなにも露出している……。
 だから、デスパイアから救出した人達……おっ、男の人の視線をいつもこのホーリーエンジェルの胸元に感じて……。
 背中だって大きく開いて……でも、これが大人の女性のセクシーな美しさを表現しているの……だから……。
(あぁんっ……ダメッ!!)
 私はいつも、デスパイアだけでなく……この大胆な変身スーツの恥ずかしさと戦っているのかも知れません……。
(いつものことなのに、私……変身しながら興奮しているの? あぁっ……いつもより変身時間が……長い……よぅ……)
 キュッとくびれた腰のラインを強調したウエストラインから、スカート正面に重なる前掛けのような白いカバーが伸びていきます。
 このパーツがとても大事なの……。まるで僧侶のように神聖のイメージを与えてくれるし、スカートの短さも少しカバーしてくれるから……。
 敵と正面から向かい合った時に、ミニスカートから下着が見えそうとか意識しないで済むから……。
 もしこの前垂れがデスパイアの攻撃で破かれたりしたら……白いパンツ見えそうで……わっ、私……恥ずかしくてとても戦えないわ……。
 私、久遠の時はこの身体のことが凄く恥ずかしいの……。
 いつも、誰かが私の身体のことをじろじろ見ている気がして……。
 私がイヤラシイ身体付きしているとか……私のこと……たまらないとか……わっ、私とやりたい……とか……。そんな不潔な言葉が聞こえてきて……。
 だから私は、できるだけ目立たないように、そんなことばかり考えて振る舞うしかないの……。
 だけどそんな自分が、本当は大嫌い! もっと自信を持って、大胆に振る舞える自分になりたいの!
 ホーリーエンジェルは、そんな私の願いを叶えてくれる! そう、ホーリーエンジェルが私の理想。本当の私の姿なの。
 だから、この変身衣装を着こなしてみせる。このくらいの露出度は、我慢するわ。
 今の私は、憧れの変身ヒロインなのよ。
 デスパイアと戦うエンジェルとして、私がその力を得たのだから!
 私を悩ます葛藤が前向きな希望へと結実した時、首から肩部へと覆う新緑色のパーツが形作られていきます。
 複雑な形状をした肩当ては衝撃に強く、大きなクリスタルを伴って私の容姿に戦闘少女としての力強さを与えてくれます。
 でもこの肩当てがデスパイアに溶かされたり、切り刻まれてしまったら……。
 それは、もうホーリーエンジェルの防御力では敵わないという現実を示して、私は心細くなってしまいます……。
 そして敗北したホーリーエンジェル久遠はデスパイアに犯されて……。
 だっ、ダメよっ、久遠……。
 エンジェルは希望を捨てない限り、負けないわ……。
 これからがホーリーエンジェルに変身する最終過程なのよ……。
 今の私は、早く完全なホーリーエンジェルになりたいの! だから、そんなこと考えちゃダメ! 
 あぁ……やっぱり、今日の私おかしいわ……。変身中に……こんなことを考えている……。いつもだったら、心が洗われるような気持ちになって集中できるのに……。
(早く、早くぅ……エンジェライズ・ホーリーレボリューションを、終えたいの……私をホーリーエンジェル・久遠に変身させてぇぇ……)
 私のもどかしい願いの最中に、やっと肩当てと同じ新緑色に光るホーリーブーツとグローブカバーが現れました。
 この衣装に装着された赤いクリスタルの作用によって、私の四肢にエンジェルとしての力が漲って来るのです。
 特にこのホーリーエンジェルのブーツは、より強い意志でデスパイアに対峙する姿勢を取り易くしてくれるから……変身を終えた時、私はキリッと凛々しいポーズを取って『ホーリーエンジェル推参!』と名乗れるの!
 その瞬間が、普段の私から生まれ変わったことを自覚できるから大好きです!
(エンジェルの魔力が、溢れてくるの! あぁっ……もう少しで……!!) 
 喉元を守るゴールドリングがクリスタルを伴って浮かび上がった時、変身スーツにゴールドのラインが描かれます。
 そう、あと少しでホーリーエンジェルに、エンジェライズ・ホーリーレボリューションが完了するの!!
 クリスタルとホーリーエンジェルの十字シンボルを描くヴェールが、私の髪にフワッと舞うように飾られます。
 背中まで伸びたストレートヘアーが羽根状の髪飾りで束ねられた時、この手にホーリースタッフを構えます。
「ハァ……ハァ……ハアッ、ホッ、ホーリィ……エンジェル! す……推参……スイッ、サン!! うっ、うはぁぁぁぁんん……くっ、イっ、イっ……あはぁぁぁぁっ!!」 
(ハァァァァンッ……やっと……やっとホーリーエンジェルに……なれ……たぁ……アアンッ……アアァァッ……)
 ベッドに寝た姿勢で変身してしまった私は、ホーリースタッフをいつものように斜め構えて脚を少し開いたポーズを取っていました。
 そしてそのまま、変身後露出する太股を摺り合わせて喘ぎ悶えるのです。
「ホ……ホーリーエンジェル……推参……ホーリーエンジェル推参……ホーリーエンジェル……すいさん……すい……ハァァァンッ!! わたし……ホーリーエンジェルって、名乗るだけで堪らなくなってしまうの!! あぁっ……ホーリーエンジェルに変身するのってやっぱりすごくイイッ……イイッの!!」
 エンジェライズ・ホーリーレボリューションで軽いエクスタシーに達してしまった私はその余韻を味わいながらも、自責の念を意識するようになるのでした……。
「うくぅっ……私……一人でエッチなことした勢いで……ううっ……あんなイヤラシイこと考えながら……くっ……ホーリーエンジェルに……エンジェ……ライズしてしまうなんて……うぅっ……」
 自慰の勢いを抑えきれずに変身してしまった……。
 こんなイヤラシイ自分がエンジェルとして恥ずべき存在だと思えてきて、どうしようもなく涙が流れてくるのです。
「ぐっ……ぐすんっ……ぅぅっ……ぅぁぁぁ……ひっ、ひぐっ……!!」 
 私はホーリースタッフを握る右手を離して、両目から流れる涙を拭います。
 その白いグローブの触れる感覚で、今の私がホーリーエンジェルであることを一層意識してしまい、また涙が溢れるのでした……。

  ※  ※  ※

 デスパイアに犯された後遺症のせいで、オナニーしながらホーリーエンジェル・久遠に変身してしまった……。
『ホ……ホーリーエンジェル……推参……ホーリーエンジェル推参……ホーリーエンジェル……すいさん……すい……ハァァァンッ!! 私……ホーリーエンジェルって、名乗るだけで堪らなくなってしまうの!! あぁんっ……ホーリーエンジェルに変身するのってやっぱりすごくイイッ……イイッの!!』
 あんなに……名乗りながらイッてしまうなんて……。
 とてつもなく気持ち良かったけれど、今の自分は本当に惨めでした……。
「もう……変身解除しなくちゃ……二度とこんなことしちゃだめなの……うぅっ……リムーブシフト……」
 私は、白いハーフトップキャミソールとヒップハンガーショーツを纏まった久遠の姿に戻ろうとしました。
「? リッ、リムーブシフト……リムーブシフト!? もっ、もう一度……リムーブゥ……シフトォォー、くぅぅぅぅ……」
 それなのに、変身解除のキーワードを何度唱えてもホーリーエンジェルのコスチュームが消えてくれないのです。
「あぁ……リムーブシフトしない……どうしてリムーブシフトできないの? あぁっ……き、きっと、身体がまだ火照っていて……えっ、エッチな感覚が残っていて……意識が集中できないからだわ……」
 そう思った私は、ホーリースタッフを手放してベッドから身体を起こします。
「……うぅっ……気持ちを切り替えて……ちゃんと変身を解除しないと……」
 ホーリーブーツの踵がカーペットに触れる感覚の後、私は息を整えて立ち上がろうとしました。
 そうやってどうにか姿勢を正そうと顔を上げた時、窓ガラスに映る私の姿が視界に入ってきたのでした。
「あっ……ぁぁっ……!!」
 その瞬間、霧の中でデスパイアに犯されたあの光景が脳裏に浮かびます。
『はぁぁぁっ……ひぁぁぁっ……言わないでぇっ……もぅだめなのぅ……この霧や……体液で……はぁぁっ……私の身体を……ぅぅっ……熱くさせといて……くぁぁっ……身体火照って……ふっぅぅんっ…ホーリーエンジェルのオナニーしてるとこ……みっ、見ている…なんて……はぅぅっ……映像見せつけて……四肢の…自由奪ってぇっ……はっぁぁぁっ……白い精液みたいなの……ぶっかけてぇ……クアァッ……背中や……アッ……足に触手潜り込ませて……触手愛撫でぇっ……ハッ、ハァァッ……私のこと……こんなに…ヒイッ……してぇぇっ……アアッ!! あちこち愛撫されてるのぉぉっ!! 触手責めがあぁっ……キモチイイッのおおおっ!! 気持ちいいよぉぉっっ!!』   
 私の恥ずかしい姿を、犯されるホーリーエンジェルの痴態を見せつけてきた、あの鏡のような映像……。
「あれは……あれはもう終わったの……。もうあのデスパイアには、会わない……会いたく、ない……」
 ホーリーエンジェルとして完全敗北を喫した私を、何故あのデスパイアは見逃したの? こんな私に情けを掛けたの? それとも……。どちらにしたって惨めだわ!
「もう……もう考えなくていいの! 変身を解除するよ……リッ、リムーブ……あぁん……」
 客観的に見たホーリーエンジェルの髪は私が思っていたより乱れていて、久遠の時には絶対に出せない艶やかな表情をしていました。
 ただホーリーエンジェルとして立っているだけなのに、下着姿でオナニーに溺れた私の姿よりもイヤラシイ自分かも知れない?
「ううん!! そんなことない! 今の私は自己嫌悪でしかなかったこの育ちすぎた肉体に、思い描いた理想のコスチュームを纏っているのよ! 久遠は、正義の変身ヒロインなの! ホーリーエンジェル久遠推参!!」
 私は背筋を綺麗に伸ばし、ホーリースタッフを持たない身軽な両手を腰のラインに這わせて毅然と立ちます。
 これは今日始めて取るポーズだけど、デスパイアを裁く天使に相応しい神聖な威厳に満ちた立ち姿だわ……。
「んああっ……でも、こんなに格好良くポーズ決めたのに……変身スーツがすっかり汗ばんでしまって……。むっ、胸の白い衣装から……汗で素肌が透けて見える……。ちっ、乳首も隆起して……乳輪までくっきり分かっちゃうの……。私の乳首、こんなに大きくないのに、変よぉ……。ハアアッ……そんなに自己主張させないでぇ……!!」
 私は正義のヒロインに変身しているのに……今日の私の身体は……私の心はどうなっているの? 
 興奮が止まらない……。私は……エッチな気持ちで変身しちゃった? 
 だからホーリーエンジェルになっても、神聖な天使のコスチュームを纏っても……私の……このっ、性欲が止められないの!?

  ※  ※  ※

『ホーリーエンジェルってさ、スッゲェそそる格好しているよな』
『グラマーで胸もパツンパツン! ミニスカートから太股ムッチムッチでさ』
『ジャンプしたらパンツ丸見えだぜ! しかも、紐パン!!』
『おっ、マジかよー! 何かの拍子に脱げたらどうすんだよ! よくそんな格好でデスパイアと戦えるよな。胸だってポロッといきそうだしよ』
『成熟しまくった身体のわりに、童顔だって話もあるぜ』
『クゥーッ! 自慢のボティライン視姦願望のロリ顔美少女戦士! たまんねぇー!』
『それどころじゃねぇって! デスパイアに犯されながらヒィーヒィー、イキまくりって話だぜ』
『感度敏感完熟エロボディ・ホーリーエンジェル!! 俺もホーリーエンジェルとヤッてみてぇなぁ……』

  ※  ※  ※

 私の脳裏を、断罪の天使に変身しても火照が鎮まらない身体と精神を嘲笑うかの様に、男達の声が駆け巡ります。
 これは日常生活で時折聞こえてきた、好奇な視線と会話達……。
 私はデスパイアからみんなを守る為に戦っているのに、エンジェルをこんな風にしか見ようとしない人達がいるなんて……。
 だけど、いつも私は黙って唇を咬んで……心の中で『やめて! 不潔だわ!』と叫ぶしかないのです……。
 お願い……そんな目でデスパイアと戦う私を見ないで……。 
 そう願いながら私は汗ばんだグローブの指先で、この胸元を飾る金のラインをそっとなぞりました。
「……違うわ……。私は見せたがりなんかじゃない……。ホーリーエンジェルの衣装……胸元こんなに見えているけれど、これは女優さんが着るようなドレスを意識しただけ。確かに乳房が覗き込めそうな露出度だけど、魔法の力で身体を守ってくれるし……胸がポロリなんて……したことないわ……」
 グローブの手のひらで、コスチューム越しに、この育ち過ぎた身体に実る豊満な乳房を包み込みます。サテン生地のようにきめ細やかな心地良さが堪らなくて、ガラスに映る私の目が潤ってくるのが分かりました……。
「あはぁんっ……ホーリーエンジェルの格好ってやっぱり素敵……。はぁ……ハアンッ……。私はやっぱり……ホーリーエンジェルのコスチュームが似合っているわ。露出度……ちょっと高い……かもだけれど……」
 ホーリーエンジェルの変身コスチュームには神聖さと共に、もしかしたら過剰な露出度が同居しているのかも知れません……。
「あぁっ……こんなこと考えたら……またアソコが湿ってきそう……はぅぅっ……ホッ、ホーリーエンジェルのホワイトパンティーがびしょびしょに濡れちゃいそう……!? くはぁぁ……ハァ……ワタシ……」
 鏡像のホーリーエンジェルと向かい合ったまま苦悶する私は、既に太股を自然と摺り合わせてモジモジしていました。露出した素肌に玉の様な汗を浮かばせて、変身ヒロインの決めポーズも腰砕けになって行くのです……。
「みんな……そんなにホーリーエンジェルの変身コスをまじまじと見たいの? 私の、久遠の身体が凄くイヤラシイからなの? 久遠、男性の目を釘付けにしたくてこんな身体付きしている訳じゃないのよ……あぁぁっ……正義の戦闘服を、そんな目つきで見るなんて……! どうして……そんな……。こっ、この綺麗な光沢に輝くエメラルドグリーンのミニスカートが……ミニスカートの中身が……しっ、白い紐パンティーが見えそうな気がして、目が離せないの!?」
 私は身体を震わせながら、ホーリーエンジェルにまとわりつく男達のイヤラシイ視線を思い返します。
 それは妄想の中で肥大化して、私の精神に雪崩れ込んで来るのでした。
「はっ、はぁぁっ……スカートがヒラヒラする度に……見えそうになる下着が……気になるなんて……」
 心臓の音がドキドキと高鳴ります……。
 正義の変身ヒロインのパンチラ……そんなに……見たいの? 
(でも……ミニスカートだからって……あぁっ……そんな……簡単には……くぅっ……見えない……わよ……。余程……はぁっ……ローアングルから……うぅっ……覗き込まない限りは……。かっ、確認……かくにんしなくちゃ……。ワタシ、ホーリーエンジェルの……パ、パンチラ……確認します……)
 そう……ホーリーエンジェルの白い紐パンティーが見えるかどうかを確認するために、私はゆっくりと身体を左に回すようにブーツの足元から動かしていきます。
 ガラスにホーリーエンジェルの姿が少しずつ違う角度で映るように……。
 右側面、斜め右後方、真後ろ、斜め左後方、左側面……その都度ポーズを止めてはミニスカートのアンダーラインを確認します。
「……はぁっ……あぁっ……やっぱり……。普通にしていれば、下着は見えたりしないわ……。でも、もっと動いたら身につけているのが紐パンティーだってばれてしまうの? じゃあ、さっきみたいな確認の仕方じゃダメだわ!」
 心を葛藤させる疑問に突き動かされるように、私はその場でクルッと一回りしてフリルの裾を翻しました。
 育ち過ぎて恥ずかしいこのボディラインを、どんな高級ドレスだって敵わない新緑色の変身コスチュームに纏いながら。まるで自分には縁が無いと思っていた、ファッションショーのモデルさんになったみたいに私は舞います……。
 2度、3度……右から左、左から右へ回転を繰り返し、その度舞うスカートに私は恥ずかしさと更なる高揚を覚えて行くのです。
 スカートのフロントは、白い前垂れがカバーして確かに動きが抑えられていました。
 けれど更にスピンの速度を上げていくと、スカートの側面から後方にかけて無防備にヒラヒラと舞い上がってしまいます。
 だからパンツの紐まではっきりと……私のたっぷりはち切れそうなお尻のラインまでもが、しっかりとガラス面に映っていました。
(……私……戦っている時……やっぱりこんなふうに……人に見られているのかしら?) 私はスピンを緩め、熱い吐息をつきながら立ち止まろうとします。
 まだホーリーブーツの足元がカーペットの上でふらついて、住み慣れた部屋が流れているように見えました。    
「アァッン……ハァァ……でも……いつも人前で戦うわけじゃないし……私の……ホーリーエンジェルの……パンチラ……ハウゥッ……そんな見られてしまうことは……ない、わ……」
 悩ましい思いに腰をくねらせ、白い衣装の胸が息つく度に揺れています。
「ホーリーエンジェルのミニスカートの丈が股間のラインギリギリなのは……それと……ひっ、紐パンなのは……デスパイアを誘って……あっ、あぅっ…見えそうなパンチラとこの胸元で……あぁぁっ……デスパイアの気を引いて……そっ、そう、油断させる……為で……」
 目眩の様な感覚が止まらなくて、私は腰をふらつかせながらよろよろと後退していきます。
「アァァンッ! だから……ホーリーエンジェルの衣装ってこんなにいやらしく見えるの? 私、クリスタルの力を手に入れて正義の魔法少女に変身して……正義の味方は、変身ヒロインは負けないって思っていたから……必殺技を使えば絶対勝てるものだって……。だからこんなかわいくて、ちょっと挑発的な姿に変身しても大丈夫って最初は思っていたのに……。でも現実は何度も敗北して……変身したまま化け物に犯されるなんて……」
 変身ヒロイン姿で部屋を彷徨いながら、身体の後方から勉強デスク前に置かれた椅子に触れました。
「ウゥ……ウァァッ……ハゥッ……」
 ホーリーエンジェル久遠として使い慣れた椅子に変身ボディを預けると、力無く四肢を垂らした姿が今もガラスに映っています。
「アァ……ホーリーエンジェルの格好でワタシだらしなく腰掛けている……。素敵な変身グローブの手をぐったり伸ばして……綺麗な変身ブーツと変身ニーソックスの足投げ出してぇ……。表情もトロンと熱を帯びて……。ワタシ、正義の変身ヒロインなのよ? だから……アァッ……もっと格好良くしないと……ハゥゥ……」
 腕と踵に力を入れて懸命に背筋を伸ばし、普段は勉強の為に使う椅子に魔法少女の姿で腰掛けながら、自然と私の左脚が持ち上がって太股が交差して行くのです。
「そう……もっと……エンジェルに相応しい華麗なポーズを……あぁっん、これ、いいかも……。そうなの……足を組んで……このポーズもいいわ……」
 装着されたホーリーエンジェルのブーツとニーソックスによって、私の両脚はフェティッシュな彩りを与えられています。
「私……ブーツの似合う女性になっているわ……。新緑色のホーリーブーツが、私の足元を凛々しく見せてくれる。こんなに格好いいブーツを履きこなせるなんて……」
 久遠、ブーツの似合う女性になりたかったの……。
 理想のヒロインに変身して、ホーリーエンジェルのブーツを見つめているうちに、男性の下卑た嘲笑は遠ざかります。 
「エンジェルニーソックスも……ニーソが……薄明かりの中で白く輝いて綺麗なの。私、ニーソックス……履く勇気が無かったの……。白いニーソックスが似合うって言われたかったの……。でも脚が目立つような服装、恥ずかしくて着られなかったの!」
 ホーリーエンジェルに変身すれば、内気で恥ずかしがりやの久遠にサヨナラできる。  ミニスカに紐パンの下着。ニーソで太股強調するわ。
 この巨乳の胸元だってギリギリまで出して、背中だって大きく開いて見せるの! 
「ハァァッ……変身前の私よりずっとすてきぃ……。ワタシ……ホーリーエンジェルのコスチュームが……好きぃ……ホーリーエンジェル久遠に変身できる自分が好……き…ぃ……。久遠からホーリーエンジェルに変身した方が、ずっと綺麗でいられるの!!」
 戦闘中と違って、変身コスの機能性よりもフェティッシュな色っぽさばかりが気になって、誰もいないこの家の中で私の鼓動がまた高まっていました。
 力無く垂れ下がっていた両腕が宙を這い、やがて汗ばんだホーリーグローブを纏う手のひらが火照った太股の肌をもぞもぞと彷徨います。
「あぁんっ……ホーリーエンジェルのニーソックスの装着感が堪らない……。白い光沢と金の艶やかな色合いが、私の心を掻き乱し続けるの……。脚が……私の脚が……変身したら……変身ニーソックスの性で、色っぽく見えちゃうの……」
 白いパール生地が薄明かりに煌めき、太股を流れる汗にまでその光を反射させます。
 エンジェルニーソックスと私の素肌の境界を走る、強力な魔力を象徴した金のライン。 ホーリーエンジェル久遠に変身したままの私は、コスチュームの装飾美による倒錯という影響から逃れないの? 
 指先は右脚と左脚のニーソックスの金の縁取りを交互にまさぐり、組まれていた両脚が徐々に左右へと開いて行くのを止められません。
「はぁっ……あぁっ……そんなに脚開いたら……ホーリーエンジェルの……パンツが……見えちゃうぅ……」
 もっと大人の、余裕の態度で振る舞える女性になりたい! そんな私の願望と、恥ずかしさギリギリの攻防を示したホーリーエンジェルの紐パンティー。 
 でもホーリーパンツを見せつけたいわけじゃないの……。
 だからきわどいラインを描くミニスカートで私の股間を守っているのよ?
 なのに自分から太股を……脚を開いて……ああっ……こっ、腰まで突き出してぇ……窓ガラスにホーリーエンジェル久遠の紐パンをはっきり写し出そうとしているなんて!?
 開いた股間の谷間にエンジェルスカートが少し掛かるけれど、やっぱりこんな短いスカートでは、この状況ででパンツが見えるのを避けられません……。
「あぁぁっ! もし、もし誰かに見られたら……。ホーリーエンジェルが自分の部屋でいやらしい格好晒しているなんて! パンツ丸見えのポーズだなんて! 恥ずかしいのぅ……。だっ、だめぇっ……かくさ……早く、隠さないと!」
 私は慌てて、本能的な反射で両手を股間に持っていきました。
 パールホワイトに輝くグローブがエメラルドグリーンのミニスカートをグッと股間に押しつけます!
「グッ、グヒィィィィィィィ!! ヒッ、イッ、イィッ! ハッ、ハァァァッーン!!」 その勢いでスカート生地とパンティーが、激しく擦れてしまいました!
「アッ……アァッン……わっ……わたし……いっ、今……イッタの? はっ、ハァァッ……」
 不意打ちのように股間から走る激流に……私は達してしまったのかも知れません……。「やぁぁ……。わたし……変身したままパンツ濡らしてるぅ……押さえ付けたホーリーエンジェルのミニスカートにまで……私の愛液が染み込んじゃうぅ……。汗でグジュクジュのエンジェルグローブにも愛液が染み込んで混じっちゃうの……。アソコから出ちゃう恥ずかしい液体がパンツ以外にもきちゃうのぅ……」
 ホーリーエンジェルに変身することでエクスタシーを得ようとしてしまった私は、今もまた聖なる天使の身体を高揚させて、思わず……少しだけ……イッてしまったみたいです……。
「うっ……はぁぁっ……ホーリーエンジェルのパンツが見えっ放しなの……。股間を守る前垂れが……よっ……横に捲れているから……。うぁぁっ……ミニスカートだけじゃ隠しきれないアングルになって……白いパンツがぁ……興奮してジュクジュクと濡れたホーリーエンジェルのはしたなくなった下着から、久遠のイケナイ割れ目まで見えちゃいそう……」
 
  ※  ※  ※

『ホーリーエンジェルがデスパイアに負けそうだぞ』
『見ろよ。触手に拘束されて股間を向けてるぜ』
『ホーリーエンジェルのピンチシーン、ばっちり撮らせてもらうぜ』
『俺達を守る天使だってわりには見ろよ、あの表情!』
『ああっ、武器を手放してすっかり諦めモードじゃないか』
『ホーリーエンジェルはあの武器を持っていないと、てんで弱いらしいぜ』
『あの表情そそるな。デスパイアに責められるとエンジェルでも感じるんだな』
『すげぇ。ファインダー越しにパンツ濡らしてるのが分かる……』
『こっちも巨乳乳首がコスチュームから隆起しているのしっかり撮ったぜ』
『正義の変身ヒロインのくせに化け物相手に感じるなんて……』

  ※  ※  ※
  
 何なの? この声は!? そんな、そんなこと言わないでぇ……。わたしはぁ、流されない……こんなぁ……幻聴? に惑わされたりなんか……しない、わ!
「あはぁん! みんな……こういうところを……カメラで撮りたいの? こんな姿勢で触手に拘束されている私を……誰も助けてくれなくて……。無理やり見せつける姿勢にされた私の股間に、みんなの視線がしちゃうのぉ……。ああっん……シャッターの音がぁ……フラッシュの瞬きがぁ……乳首隆起しているなんて言わないでぇ……。ワタシ乳首立たせてないわよ? そこまで感じてなんか……」 
 ダメェ……視線を感じちゃうぅ!! ホーリーエンジェルに変身した私の恥ずかしい夜を、誰かに見られているみたい……。
「いやぁ……お願い見ないでぇ……乳首も、乳首も隠さないと……ハァァァァンッ!」
 左手を股間に添えたまま、私は胸元に右手を運んでいきます。白いグローブの手のひらで左胸を、手首で右の乳首を覆い隠して……。
「ハゥゥゥゥッ! そんなぁ……本当に乳首立ってるぅ……ヒィィッ! 勃起してるのぅ……胸に電気が走るのぉ……」
 見えない視線からエンジェライズした身体を守る為に動かした右手が、コリコリした勃起乳首をシルク素材のようなグローブで弄くるのが止まりません。
「くっ、くぁぁぁっ……はぁぁ……きもち……ぅぅ……くふぅ!」
 その動きに釣られるように左の指先が、パンティに押し付けたスカートを股間の谷間にもっと擦り込もうとします。
「フアァァァンッ! くっ、クリトリスも乳首も張っちゃってるの! ぱっ、パンティー……とスカート越しのホーリーグローブ愛撫なのに気持ちいいっ! いひぃぃ、あはぁんー! むっ、胸もぉ……おっ、ほぉぅー……ホーリーコスチュームのぅ……魔法生地の裏側から隆起する乳首を……ウウッ! コリコリ乳首をコスの上からぁっ、うはぁあっ! ホワイトグローブで撫で回したりぃ、摘んだりすると……うあぁっ! 物凄くイイ!」
 ホーリーエンジェルは、理想の私への変身なの。だから性的な感度だって、変身前よりもっと良くなるのよ? 久遠の時より感じちゃうに決まってるわ。
「私……アァッ……えっちなこと……ウゥッ……本当は、前から関心があったの……。ハアァンッ……でも、えっちなことするのは怖かったの……。だけどエンジェルに……アァ……変身できるようになって……始めてデスパイアに犯された時からぁ……」
 それ以上、言ってはいけないわ……、うぅっ……久遠、しっかりするのよ? ホーリーエンジェルとしての誇りを持って! 正義の変身ヒロインは……悪と戦う時に変身するのよ!? 
「ダメダメだめなのぉ! 変身前の素手の触り心地よりずっといいのぉっ! アァッ……変身オナニー堪らないぃ! コスチュームが私を変えてしまうのぉ……。ひぁぁっ……エンジェライズオナニーいいっ! エンジェライズ・ホーリーレボリューションオナニーでもっと感じる身体に変身っ!!」 
 言ってしまったの……ワタシ……本当の自分を自覚してしまった……。
「フヒィィッ!! こんなに気持ち良すぎるなんて、久遠どうして今まで変身してオナニーしなかったの? ウァァッ……ホーリーエンジェルになって性感帯の感度が上がっちゃうって知ってしまったら……。私、変身オナニーするぅ! エンジェライズオナニー毎日しちゃう! 久遠、デスパイアが現れなくても毎日ホーリーエンジェルに変身してオナニーするわ!!」 
 もう、もういいの。自分を抑えなくていいのよ!? ワタシ、本当のこと言っちゃった……。ずっと、シタカッタことを。だから今、ホーリーエンジェルでイキタイ!!
 いっ、いけない……そうじゃないの……きっと欲望の為に魔力を使ったらエンジェルとしての、正義の変身ヒロインとしての資格を失っちゃうかも? それは、いやぁ……。だから、もうリムーブシフトしなくちゃ……。
「イク! イキタイ! アアアアッ……リッ、リムーブシフトー! くぅぅ、だめぇぇっ!! やっぱりイキタイからイカないとリムーブシフトできないの! だっ、だからぁ……クゥゥゥゥン!!」
 そう、このままじゃリムーブシフトできないから……私の利き腕は当然のようにホーリーエンジェルのミニスカートの上から股間に素早く押し当てられました。
「フッ、フアァァァァッ! 変身コスのミニスカ生地を……ホーリー紐パンの割れ目に沿って擦り当てちゃうこれ気持ちイイッよすぎちゃうごめんなさいひぃぃっ!!」
 これダメなのに、ホーリーエンジェル久遠でエッチなことしちゃうの堪らないの! ワタシ魔法少女に変身して感じちゃう、イッちゃうエロい女の子なのよ、だっ、だからイクわ! ワタシイクのよ!
「いっ、イケるぅっ! イクわっ! 久遠リムーブシフトしたいからイクのよ!? アアンッ! ハァッ……くっ、久遠、ホーリーエンジェルの衣装に包まれてイクぅぅっ!!」 デスパイアに犯されるのとは違う、自分で自分の欲情をコントロールしての絶頂。 
 立ったまま腰砕けな変身ヒロイン姿を晒すワタシの、全神経を駆けめぐる火花のような衝撃を余すことなく甘受します。
 ガラスに写るワタシ……正義の味方のホーリーエンジェル久遠は、戦慄くように涎と涙を垂らしながら、すのでした……。
「はぁっ、はぁぁっ、あぁぁぁっ……久遠、感覚がおかしくなっちゃってる?」
 そしてガラスの中の私……いいえ。ホーリーエンジェル久遠はその両手にはみ出さんばかりの巨乳を衣装の上からまさぐって、さっきより妖艶な表情を露わにするのです。
 ガラスの中に写るホーリーエンジェル久遠の痴態を楽しむように。
 本当のワタシは、意志の弱い変身ヒロインエッチ大好き少女なのでしょうか……。
「あっ、あふぅぅんっ……乳首……乳首、むっ、胸がぁっ、法衣で擦れるのが堪らない……どんなに握っても手に余る私の胸……気持ちいいから好き……変身グローブ愛撫が素手で揉むよりずっとずっと、気持ちイイッ!!」
 マダトメラレナイノデス。
 魔法を唱えるはずのお口を広げて涎と涙を垂らしている私は、正義の変身……。
「あぁっ、こんな表情しているぅぅ……ホーリーエンジェルがぁ……アヘ顔しちゃだめなのぉぅっ!!」
 そう、ダメなの……よ……? もう、こんな自分に恥ずかしいことするのは……ダ……メ……なんだからぁ……。
「はぁぁぁん! そっ、そうよっ! ホーリーエンジェルを自分で汚(ケガ)すようなことしちゃダメなの! くぅぅ……り、リムーブ……シフッ……トッ……リムーブシフト、オホアアアアウゥゥッ!!」
 乳首弄りに没頭していた右手がフリルスカート表面からパンツ越しに浮かび上がるクリトリスを擦り出しました。
「ホアァァァゥゥ……イヒィィィィィッ!! おっ、お豆が充血してぇぇっ! ひっ、肥大してぇぇ……しっ、刺激がはぁぁっ……こっ、ここも変身前より感じるのぉぉっ!!」 スカート前部を覆う白いカバーは、法衣装着者の手からは急所を守ってくれるはずもありませんでした。ただぶらんと宙に浮き、私の腰が揺れるままに乱れ舞うばかりで……。「ハッ、ヒアアアッ……ハアアアッ……くっ、久遠……変身オナニーなんて……しちゃだめぇ……ほっ……ホーリーエンジェルは……デスパイアと……クハアアアッ!! たっ、戦うための……フゥゥゥン!! まっ、魔法……てっ、天使……ヒイィィッ!! なのに……オナニーしちゃ……感じちゃ……ダメ……私……おかしい……しゅ、集中……こっ、今度……こそっ……リムーブ………」
「変身解除なんてするつもりないんでしょう?」
「なっ!!?? なっ、なっ……に……!? ファァァッ……クフゥゥッッ……」 
 今度こそリムーブシフトできるかも知れないと思った時、それは現れたのです。
 背筋に寒気が走る思いと共に、変身自慰を実行する両手を止めた私は戦慄きながらその声の方向を見ました。
「くっ……デス……パイア? こっ、声は……外から? どこ……に……?」
 私のエンジェルの本能が戦闘態勢に入ります。熱を帯びた身体は、まだ中腰気味のぎこちない格好でした……。
 敵は……どこなの? デスパイアの気配が分からないわ。
 私は部屋の隅々の様子を伺おうとガラスの反射を注意深く追っていきます。
(どこから……来るの? ガラスには何も映っていない……私が映っているだけ……)
 私はその刹那不敵な笑みを浮かべて仁王立ちをしていました。
(!!)
 私が、確かに笑っていました……。
「フゥッ!!」
 下半身に力を込めてジャンプ! 私の右手が神具を掴み取り、そのままホーリースタッフを突き上げます。そしてその十字架の先端がガラス面を直撃する寸前に、一気に高めた魔力を放つのです。
「スペル・オブ・エナジーアロー!!」
 私の部屋の壁全体を巻き込んで、爆散するガラス片が粉塵の中で妖しい光を放ちながら消えていきます。
「仕留めた!? !?」
 手応えはあった!? 
 けれど次の瞬間、私の攻撃は爆散の逆行程を辿って何事もなかったかのように復元していくのでした。
「さすがは、ホーリーエンジェルと言ったところかしら? でも……あなたは所詮、快楽に堕ちた……」
「何っ!?」
 ガラスの中に映るホーリーエンジェル。でも、これは私じゃない!!
 ホーリーエンジェルの姿をしたそれは、ガラスから実態化すると私に向かって歩み始めました。
 私は後方に飛んで距離を置き、ホーリースタッフを敵の目前に構えます。
「正体を現しなさい、デスパイア!!」
 空を切るホーリースタッフの先端が、険しい風の音を発します。
 けれどそいつは何も意に成さないかのように、ホーリーエンジェルの変身完了ポーズを気取って優雅なヒロイン口調で切り出すのでした。
「あなたの全て、見せて貰ったわ。私はあなたの一番好きな姿でやってきてあげたのよ」
  ※  ※  ※

『あなたの全て、見せて貰ったわ。私はあなたの一番好きな姿でやってきてあげたのよ』 少しずつ私との距離を歩み寄ってくるデスパイア。
 それは確かに一見、変身した私、ホーリーエンジェルそのもの!?
 美麗な空間を纏うように迫る彼女に、私の身体は何故震えてしまうの!?
 そんな……勝手に、私の理想の姿を真似するなんて許せない……わ……。
 本物のホーリーエンジェルは、間違いなくワタシなのよ。
 歯が鳴りそうな表情を悟られてはダメ……。震えを止めて……お願い、止まって! 
 汗ばんだホワイトグローブでホーリースタッフの感触を確かめながら、私は自分を震え立たすことに努めるのです……。
 そうよ、行くわ! 決めるのよ! この距離だったら……私が、ホーリーエンジェル久遠が、デスパイアを一気に処断してあげるんだから!!
「言うことはそれだけなのかしら? 食らいなさい! スペル・オブ・ジャッジメン……くっ、くふぁぁぁんっ……」
 後少しで、必殺の神聖魔法を決められたのに……かっ、身体が重い……脱力……するぅ……まっ……さ……か……魔力の枯渇が……早過ぎるぅぅ……。
 私は、ホーリースタッフを床に突き立ててしがみつき、どうにか倒れるのだけは避けようとします。
 早く、早く……魔力を……どうしてまだ戦闘時間は長くなんか……。
「すっ……すぺる……おぶ……ぁぁっ……えなじー……ぅっ……あっ、あろー……アロー……くっ、くぅぅ……だめぇぇ、まだ撃てない……」 
「月影久遠。あなたは快楽を求めてホーリーエンジェルに変身したでしょう」
「……くっ、そんなこと……ない……わ……。すぺる・おぶ……すぺる・おぶ……ひぃっ、ひぃぃとぉぅぅっ、うっ、ぅぅっ……うぇぃぶ……うぇいぶぅぅっ……くああああんっ!!」
「クリスタルはあなたの願い、月影久遠の身体をより深い快楽に導くためにホーリーエンジェルに変身させたのよ。だから戦うためのエナジーなんてさほどあるはずもないでしょうね」
「ちっ、違うぅぅっ……わっ、私は……ホーリーエンジェル……すぺる……ぁくぅっ! すぺる……おっ……おぶ……くふぅぅぅっ!! すぺる・おぶっ……ああっ……魔力、魔力溜まってぇぇぇっ!! お願い、私はエンジェル! くあぁん、希望、きっ、希望を捨てない限り……ひっ、ひぁぁっ……まっ、負けない……わ……ほっ、ほあああぁぁぁんっ!!」 
「もう勝負は見えたわ。それともまだイキ足りないの?」
 あなたに……そんなこと……言われたく……ない……わ……。
「……誰が……ほっ、ホーリーエンジェルは……ああっ……イキたく……ぅぅっ……イキたくなんか……ない……」
 そう、私はイキたくなんか……絶対に……この私の顔をしたデスパイアを……倒す……の……。 
「劣勢の自分に倒錯しながら、感じているんでしょう?」
「くっ……そんなことない……誰も……感じたりなんか……ヒイッ……」
「左手で股間をまさぐりながらよくそんなことが言えるわね。ホーリーエンジェルの意味は淫乱天使なのでしょうね」
「!! そんなっ……私……股間……まさぐって……なんて……イヒィィッ!! あっ……クフゥ……気持ちいいっ……!? ちっ、違う! 触ってなんかないわ! 今のは違うの! お願い、淫乱なんて……あぁぁぁ言わないでぇぇっ……ううっ私は……私はホーリーエンジェル……せっ……聖なる……うくぅっ……天使のぉぅ……なっ、名にぃぃ……ィィッ……ふぁぁっ……おいてぇ……あなた……ぉっ、うぁぁっ……断……罪……しっ、します……スペル・オブ……」
「見苦しいわよ。これ以上ホーリーエンジェルという存在を汚したくはないでしょう?」 ふざけないで……今更やめられる訳……。もう少しで……もう少しで……決められるのだから……。もう少しで決めて……このホーリーエンジェルの身体で……。
「スペル・オブ……ジャッジ……ジャッジメントッ!! ふっ、ふぁぁぁぁぁぁぁっ……ジャッジ、ジャッジメントがぁぁっ……発射出来いのおぅっ……イイイイイイッ……ゆっ、指から魔力が……あっ、アソコに効くぅぅっ……流れ込んで……はっ、ふああぁぁぁぁぁっ………スペル唱えて……魔法天使なのにイクぅぅぅっ!! ホーリーエンジェルの格好でイク、イク、イク!! イキたかったのぉぉぉっ!! 変身……変身して絶頂するのぉぉぉぉ!!! ひっ、ひぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーー!!」

 私は……ホーリーエンジェル久遠……。
 デスパイアを断絶するために戦う……魔法天使です……。 
 でも、私の身体はどうしてこんなに感じてしまうの……?
 
 違う、こんなの私じゃない……。
 私はデスパイアに敗北して、淫乱な雌の躰に調教されてしまったの……。
 
 もう、ダメッ……ダメェ……。
 お願い……シマス……。
 誰か、お願い……。
 私を……助け……て……。
 たすけて……よぉ……。



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