「はぁ、はぁ、はぁ……くふぅう、う、う……うううん!」
拘束された四肢が、切なげに蠢く。吐き出す吐息が、熱さを増す。
まだ、どこも強くはされていない。ヌルヌルと粘液を擦りつけられながら、包茎触手で媚肉を弄られている。ただそれだけだ。
そう。たったそれだけなのに――
「くぅ、ふぅ、あ、あ! や、やめなさ……い、ひ、いぃん!」
もはや、退魔師の言動には余裕がなかった。精液に濡れた美貌は艶っぽく紅潮し、鋭かった眼元は儚げに潤んでいる。嬲られる美肌からはじっとりと汗が噴出し、スーツ越しにでも乳首が勃起してしまっているのがわかるほど。細い腰は、無意識の内に小さく震えている。
(くっ……う、疼く。これが精蝕蟲の媚薬……話には聞いていましたが……くぅう。な、なんと強力で……ああ。いやらしい効果…!)
発情している――肉と言う肉が淫らに熱を孕み、官能が猛り狂い身体中が切なくてたまらない。
そう、これが孕魔丙種・精蝕蟲の真なる恐ろしさ。
個々の戦闘力は低い。それは確かだ。現にあのアクシデントさえなければ、圧倒していたのは咲耶のほうだった。だが、孕魔の真価が発揮されるのは戦闘においてではないのだ。
女を惑わし肉を狂わせ、犯し辱め何度も何度も孕ませて産ませまくって堕落せしめる――力無き女性にとって、精蝕蟲はいかな悪鬼羅刹よりも遥かに恐ろしい存在なのだ。そして今の咲耶は、まさしく抗う力を持たぬ非力な乙女に他ならない。現にこうして僅かに媚液を盛られ、前戯にも満たぬ愛撫を受けただけで、熟れた身体はすでに泣きをいれはじめてしまっている――まだ、一分も経っていないと言うのに。
(くうぅ……す、すごい。でも、これはまだ淫魔の責めの序の口にすぎません。こんな状態で、わたしっ……こ、これから……!)
手も足も出ないこんな状態で、百を越える欲望の塊たちに性欲をぶつけられ、十分間も正気を保つことが出来るのか――考えただけで絶望がよぎり、同時に胸の奥が淫らに疼いてしまう。
(ッ! い、いけません! 何を考えているのです咲耶……気を強く持つのです……た、耐えてさえいれば、いずれ光明は訪れます!)
弱気になりそうな自分に、咲耶は必死で檄を飛ばした。最強の退魔師の強固な心力は、逆境においてもそう簡単には挫けない。
だが――心で耐えられても、肉体が先に音を上げては意味がない。
「はぁ、はぁ、はあぁ……う、く……ふぅう、うっ!」
ビクン、と切なげに身体が弾む。胸房に巻きついた肉蟲にぎゅっと乳肉を押し潰された、それだけでもゾクゾクと甘い乳悦が駆け巡る。粘液まみれの乳肉は淫らに熱を孕み、ビンビンに乳首を勃起させて快楽に反応していた。肉蟲の愛撫どころか、コスチュームの裏生地と擦れただけでもひどく切なく、無意識の内に乳房を揺らし悶えてしまう。
(っ……は、発情してしまっています。わたしの乳房……くぅ。なんという事でしょう……いつもより、ずっと敏感になっています……!)
話には聞いていたが、実際に味わうのは初めてだった。
精蝕蟲の分泌液は人間の女性にとって最高の媚薬。コスチューム越しに塗りつけられただけで、咲耶の肉体は急激に感度を増してしまっていた。退魔巫女として厳格な生活を強いられ、たっぷりと持て余している女盛りの性欲が、清廉な意思に反旗を翻し暴走する――
「はぁ、はぁ、はぁ……う、あああっ! む、胸が……ふ、くぅう!」
ぎゅ、にちぃぃい! 形が撓むほどにきつく締め上げられ、乳肉に食い込まされたままの肉蟲が蠕動運動を開始する。たっぷりと分泌された先走りをしつこくしつこく刷り込まれながら、Gカップの美乳が何度も何度も執拗な愛撫で揉み潰された。
「はあぁ……あ、く、うぅうっ! お、おやめなさい……くぅう! む、胸ばかり……ああぁ。き、きつくしてはダメです……ぅっ!」
辛うじて命令口調を保ってはいるが、実際には哀願の悲鳴だ。
(くっ……だ。だめ。胸は弱いのに……これ以上きつくされたら。媚薬を塗り込められて、しつこくされてしまったら……!)
考えただけで、ゾクゾクと胸の奥が切なさを増す。
一際大きく熟れ育った巨美乳は、その感度もまた人並みはずれている。普段は鋼の意思で押し隠しているものの、女盛りの身体は淫らな欲求を常に持て余してしまっている。凛々しい外見とは裏腹、情けないほどに快楽に従順な弱点を、この調子で延々と可愛がられたら――
(! い、いけません……弱気になってはダメ! ここで流されたら“奴”の思う壺……わたしは、こんなところで負けるわけにはいきません……!)
ー本文より抜粋ー
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