「グウゥゥゥ……オッッオッオッ……おぉぉぉぉおぉんんん!」
いったいどこから発声しているのか、まるで幾千もの死者の嘆きを思わせる咆哮を上げ、巨体を揺さぶる魔界獣。ヒトデの腕の一本が咲耶の真下から飛び出し、宙吊にされている供物を掴もうとする。
「うあ……あ、ああっ!」
逃げようとしても、逆さ吊りで拘束されていてまるで自由が効かない。ドロドロの粘液をたっぷりと吸い込んだ肉塊腕は、少女の背中を支えるようにして背面に密着する。
「くぅ……ふ、うううっ!」
ズリュッ、とゼラチン質な肉塊に背中を舐め上げられ、表面に生えそろった無数の肉瘤に尻襞を擽られる。発情しきった身体はおぞましい接触だけでも感じてしまい、咲耶はたまらず恥辱の嗚咽を漏らした。
ヒトデの肉腕は半ばゲル状の不定形で、ぶよぶよと水っぽい脂肪の前では、もがけばもがくだけ身体が埋まってしまう。体内に巣食う触手蟲が表皮を破って飛び出し、咲耶の腕を拘束して肉腕にビッチリと貼り付けた。足を触手に取られ宙吊にされたまま、咲耶は半ば肉腕の中に埋め込まれ、逆さ貼付けの態勢で取り込まれてしまっていた。
僅かの隙間もなく密着した背中側では、ビクビクと蠕動する肉瘤の振動が背骨にまで伝わってくる。
「はあぁっ……う、くぁぁ! ぬ、ヌルヌルして……んはあぁっ。いやっ……ツ、ツブツブがいっぱい動いて……く、うぅぅうん!」
ヒトデの腕の表面には、数えきれないほどに大量の肉粒がびっしりと生え揃っている。そのどれもが大量の催淫液を取り込んでおり、蕩けそうなほどの柔らかさと粘り着くような質感とを伴って無数に蠢いていた。僅かの隙間もなく密着した背中側から、感じやすいうなじから背筋のくぼみ、そして先程の愛撫で欲求不満なままの尻峰までもを同時に愛撫され、切なくももどかしい悦感が無数に連続する。
(うあっ……う、動いています。それも、す、すごくたくさん……く、うぅう。だめです……こ、こんなおぞましいものに……ああ。か、感じるなど、許されません……!)
小さく頭を振り危険な肉悦を否定しようとするも、完全緊縛の状態ではもはや抵抗のすべもない。何百何千もの小さな舌にペロペロと舐められているような、あまりにもどかしく切なすぎる快感の嵐――一つ一つの刺激はさほど大きくないが、それゆえ気を遣ることもできずただ悶えるしかない。休む間もなく続く微悦は、拷問にさえ似ていた。
「はぁ、はぁ、ああ……く、ふ、ああっ! いやぁ、ま、まだ動いて……くうぅ。お、お尻までそんな……はう、くぅ、くぅぅうんっ!」
無数の肉粒に愛撫され続け、ゾワゾワと背筋が溶けそうだ。あまりに切なすぎて、辛い。拘束された両腕は小刻みに痙攣し、身悶えるたび紫色の長髪が粘液の海に波を立てていた。
快楽を拒絶しきれない獲物の痴態に欲情を煽られ、ワームたちもおこぼれに与ろうと共生体から這いずり出していく。ぶよぶよと蠢く何体質な触手が、真上を向いて開脚されている少女の股間へと迫った。
「ひっ……あ、ああ。だめっ……だめです。もう限界なんです! なのに……い、今そんなところを責められてしまっては……ぁ!」
淫魔たちの狙いが何なのか、哀しいかな被辱の退魔師には理解できてしまう。ついに弱みを隠し切れず、憎い敵相手に許しを乞ってしまう敗北者。被虐の予感にピクンッ、とヒクついてしまった淫唇めがけ、何匹ものワームどもが殺到した。二匹の線蟲が器用にクロッチに喰い込み、股布越しに秘唇をくつろげて大きく押し開く。
「ひっ……いや、いや! そんなに広げないで……ふ、あぁあっ!」
ごぽり、と恥ずかしい音を立てて、膣内に溜まっていた恥蜜がお漏らしのように溢れ出す。肉唇浸け込まれた粘液の染みと、内側から溢れ出した恥蜜の染み、その両方で肉色まで透け出してしまっている密着クロッチ越しに、何匹もの触手が亀頭じみた先端を押しこんでいく。
「い、いや、いやぁ! 許してください……そ、そこだけはだめです、そこだけは許し……はう、んくふうぅぅぅぅ〜!」
ぐじゅっ……じゅぶ、にちゅっ! 大きく左右に押し広げられた肉穴に、野太い触手がコスチュームごと挿入された。
「うああっ……あ、あ、あ! あっあああああ〜!!」
ー本文より抜粋ー
|