エクリプス図鑑外典 影蝕の偽書編 1
●影蝕の偽書編 設定
影魔騎士団編以降のストーリー。
敵側であるエクリプスの幸福 、そして悠美の出生の秘密に迫るテーマです。
※注:水雲風様のお考えになられた「聖天使ユミエル4」以降のパラレルストーリーです。
本編の設定・展開とは関係ありません。
●グリモアエクリプス(影蝕の偽書)
・分類:特殊エクリプス
・モチーフ:魔道書
・所有者:亜門京介(あもん きょうすけ)
人皮を紙に、生き血をインクに、脂を糊に、そして表紙には眼球を埋め込んだ異形の魔道書。
かつて影魔の存在を知ったある魔導師が、その力に魅せられ研究した結果執筆された禁書中の禁書。
この世に存在するありとあらゆる影魔について記されており、現在に至るまで自然とそのページが増え続けている。
その所有者には影魔と天使に関する知識の他に、影魔王以外のあらゆるエクリプス(すでに死んでしまったものも)を特定条件の下に従属させることが出来る。
また、所有者の血を使って書くことでオリジナルのエクリプスを出現させることも可能だ。
中世ヨーロッパに二百部ほど出回ったがその殆どは焚書され、今となってはバチカンの書庫に厳重に封印された一冊が残るのみである。
だがオメガエクリプスの復活に呼応するかのように盗み出され、バチカンが総力を持って探し回ったが消息不明となる。
影魔騎士団壊滅後ある私立高校の図書館に忽然と現れ、それを一人の少年――亜門京介が借りてしまう。
彼は特に目立った欲望を持つこともない優等生だったが、虐められていた幼馴染の明兎を守るために『影蝕の偽書』の力に手を出してしまう。
結果、虐めていた生徒達は全員死亡し、代償として明兎はエクリプスと化してしまう。
『影蝕の偽書』の知識から天使が明兎を狩ってしまうことを恐れ、京介は天使たちと敵対する。
「君を守るそのために僕は世界の敵になる」
●バニーエクリプス
・分類:下級エクリプス
・モチーフ:ウサギ
・人間時:因幡明兎(いなば みんと)
白スク水にウサミミ、ウサ尻尾、栗色の髪を三つ編みお下げした少女の姿を持つエクリプス
本体である因幡明兎は京介の幼馴染。純真純朴、かなりのドジっ娘で何もないところでも良く転ぶ。そのくせ世話焼きで頼まれると嫌とは言えない性格。両親が共働きの京介のために食事を作ったり家事をすることも珍しくない。それは学年トップで一流大学も視野に入れている彼の負担を少しでも減らすためであり、また彼女の純粋な好意の表れでもある。
しかしその性格が特定の生徒達に目をつけられ、壮絶ないじめを受けることになる。
無視や物を隠されることなどは当たり前で、生徒達の暴力衝動や性的欲望の捌け口としても利用され心身ともにボロボロになっていたが、それでも京介とは別のクラスだったことと、彼の負担になってはいけないと彼の前で明るく振舞っていたことでなかなか気づかれなかった。
しかし、『影蝕の偽書』が京介に輪姦の現場映像を見せたことで発覚してしまう。そのことで京介は生徒達を惨殺。そして明兎は京介の罪の証としてエクリプスと化してしまう。
強い欲望を持っていないために力は脆弱だが、そのスピードは天下一品。また、その聴覚は一キロ先の人の心音を捕らえることが出来る。
さらに生物の持つ霊的波動『魂の音』を聞き分けることもでき、御座市に生息する全生物の反応を感知できるほどだ。
エクリプス化したことを恨むでもなく、自ら堕ちていく京介の支えになろうと奮闘する。
「はわわ、敵です敵です敵ですよぉ。天使さんたちが来ちゃいましたよぉ」
●スクールエクリプス
・分類:特殊エクリプス
・モチーフ:学校
・人間時:なし
京介が『影蝕の偽書』に記した最初のエクリプスで、彼が通う学校の校則及び授業カリキュラムという形で存在する。
「生徒の消失について詮索しない」「校内で起こる如何なる異変についても興味を示さない」等があるが、『影蝕の偽書』の力があれば自由に書き換えられる。
定められたルールに従っている限りにおいては何一つ害のないエクリプスであるが、いったんルールを破れば懲罰という名の陵辱が待ち受けている。
このルールは学校の敷地内では絶対であり、校内にいる者は全てルールに拘束されてしまう。
なお「学校関係者以外の敷地内への侵入を禁ずる」という校則があるため生徒か職員にならなければ中に入ることができないが、超進学校であるため悠美の学力では到底無理である。
●ゴーストエクリプス
・分類:上級エクリプス
・モチーフ:悪霊
・人間時:すでに死亡
白い靄のような姿をしたエクリプスで、その本体は『影蝕の偽書』を記した古代の魔導師。
元々黒魔術に淫し邪悪な呪法を研究していた彼だったが、ある時エクリプスに遭遇しその謎の解明に生涯を捧げた。
死の間際まで『影蝕の偽書』を書き続け、その影響で自らもエクリプスと化すが同時に寿命を迎えてしまう。
肉体は滅んでしまったがその霊魂のみが今も生き続けている。
エクリプス化した後は人間に憑依して『影蝕の偽書』の更なる編纂に勤しむ一方、憑依した相手をエクリプスに変えてその力を実験した。
変化する際は既存のエクリプスの他、それらの掛け合わせやあるいは自らが考えた影魔の姿となり、その長所や短所を見極めていた。
当然それは天使たちの知るところとなり何度も狩られているが、霊魂までもを消滅させることはできず、すぐに次の犠牲者に取り憑いてしまう。
真理の家族を奪ったエクリプスであり、真理の師を殺したエクリプスであり、そして光翼天使マリエルに初めての敗北を与えたエクリプスでもある。
だが、最後に逆転を許しその力の大部分を奪われてしまう。なんとか逃げおおせることに成功したものの、『影蝕の偽書』はバチカンに封印されるという失態を犯す。
その後、一切の消息を絶って力を蓄えていたがオメガエクリプス誕生の報と、『影蝕の偽書』の反応を受け再び日本の地へと舞い戻ってきた。
性格は思いっきり学者肌で、何事も納得いくまでとことん調べつくさなければ気がすまない。戦闘の際も相手の力をとことん引き出す戦い方をする。
しかし、いったん相手の事を調べつくせば逆に相手の力を完全に封じ込め、苦手な攻撃を繰り出すという戦い方に変化する。
悠久の時を生き、多くのエクリプスや天使の特性を知り尽くしているからこそ出来る芸当だ。
悠美の両親について何か知っているようで、そのため彼女に並々ならぬ興味を示す。
「妙な因果もあるものだ。貴様があの娘とともにいるとは」
●アポストルエクリプス
・分類:上級エクリプス
・モチーフ:神父
・人間時:大神正敬(おおがみ まさたか)
白き法衣を身に纏ったコンドルの姿をしたエクリプス。
本体である大神正敬はかつて真理の師であった神父。ゴーストによって身寄りを失った真理を世話し、退魔師として戦う術を教えた。
それは真理の中に光翼天使としての資質を見出したからであり、強制的に真理は戦いの中へと身を置くことになった。
生真面目を絵に描いたような男で、冗談を言うどころか何かの拍子で笑うということもない。長年一緒に暮らした真理ですらしかめっ面以外を見たことがない。
その分、退魔師としては優秀でたとえ相手がどれだけ強大でもその頭脳を駆使して渡り合ってきた。しかし人の身では限界というものがあり、真理が天使に覚醒してからは専らサポートに回る。
真理とともにゴーストを追い詰めることに成功するが、一瞬の隙を突かれて憑依されてしまう。エクリプスと化する自分を殺すよう真理に頼みフレイムテンペストで焼け死んだはずだった。
しかしオメガエクリプスの復活に呼応するかのように現れ、バチカンから『影蝕の偽書』を盗み出して京介が手に取るように仕向けた。
空中戦を得意とし、高高度からの落下攻撃は驚異的。
すでにその魂は邪悪に堕しており、真理のことも弟子ではなくメスとして見ている。
なお、真理から悠美へと渡ったロザリオは彼が真理の誕生日に贈ったものである。
「ああ、確かに後悔しているな。真理、あの時お前を犯していれば良かったのに」
●キラーエクリプス
・分類:イレギュラーエクリプス
・モチーフ:堕天使
・人間時:不明
無数の甲虫が群がったような赤黒色の装甲を全身に纏い、背には骨だけの六枚の翼、そして血の涙を流した仮面を付けた女性型エクリプス。
遥か昔彼女が人間だった頃、恋人の男がエクリプスと化し凄惨な事件を起こした。
その原因が不幸な生い立ちから来る心の傷にあることを知っていた彼女は恋人を匿い、人里離れた山奥でともに生活する。
男は時たまエクリプス化するものの彼女はその欲望を全て受け止め、少し奇妙なそれでも幸せな生活を送っていた。
しかし、そんな暮らしも長くは続かず村人から影魔の話を聞いた天使に恋人は殺されてしまう。
絶望と天使への憎悪から彼女はエクリプスとなり、その場で天使を惨殺。その力を吸収したといずこかへ消えた。
その後、各地を転々としながら天使を殺しエクリプス達を守ってきたため半ば伝説的なエクリプスとして有名になる。
彼女の欲望はあくまでも天使たちへの復讐であり、人間達に手を出すことはしない。
反対にエクリプスに対しては非常に同情的で、いかに悪行を働く影魔でも労わりその安全を守ろうとする。
そのような経緯からエンジェルエクリプスやバーストエクリプスといった面々は非常に許しがたい存在である。
数多の天使たちを屠り、その力を吸収したためその力は絶大で影魔王自ら己に匹敵するとまで言わしめた。
事実、アルファエクリプスがマリエル討伐を行う寸前まで親衛隊長として常に傍に仕えていた(その後、北米で天使狩りをしていたらしい)。
二本の鞭を自在に操り、
相手の影を切り裂く防御不能の『タッチ・オブ・ザ・イービル』
あらゆる攻撃を反射する『サングィンミラー』
666個の闇球から放たれる死の光線『インピースジャッジメント』
等強力な攻撃を持つ。
京介によって呼び出されその境遇に同情。自分と同じ悲劇を起こさせないために彼女は彼らの剣となる。
「あなた達に……あなた達天使に私達の幸せを奪う権利があるって言うの?」
●ピョートルエクリプス
・分類:レジェンドエクリプス
・モチーフ:ピョートル大帝
・人間時:同上
『影蝕の偽書』によって召喚されたエクリプスで、シロクマとコサック兵を掛け合わせた姿を持つ。
本体であるピョートル大帝は帝政ロシアの礎を築き上げたロシア史上最大の英雄。
ツァーリの名に相応しい武人であったが、困ったことに家臣の歯を抜く趣味が合った。
エクリプスと化した今、先端がペンチ状になった触手で犠牲者の歯をいっぺんに引き抜いてしまう。
そうして歯茎だけになった口腔に極太の性器を突き入れて心行くまでイマラチオを楽しむのだ。
その怪力も脅威ながら特筆すべきは冷気を操る能力である。凍り付いて脆くなったところにその豪腕が振るわれればたちまち砕け散ってしまうだろう。
「しゃぶれしゃぶれ! 余の逸物を味わう栄誉に身を震わせよ!」
●ヘロデエクリプス
・分類:レジェンドエクリプス
・モチーフ:ヘロデ王
・人間時:同上
『影蝕の偽書』によって召喚されたエクリプスで、体中の肉が腐り堕ちた王の姿をしている。
本体のヘロデ王はユダヤの王だったがキリストの生誕を恐れてベツレヘムの幼児を虐殺したという。
その罰が下ったのか晩年は「ヘロデ王の病」と呼ばれる身体の肉が腐り落ちる奇病にかかる。
神を恨みながら死んだ彼はエクリプスとなって蘇り、教会や修道院などを襲っていた。
特にシスターや天使といった存在は許しがたいらしく、性病で爛れた触手で膿だらけにして穢ことを好む。
彼が触れるのものは神の加護がなければたちどころに腐り果てしまい、うかつに攻撃すれば飛び散った膿で辺り一帯を死の土地にしてしまう。
彼自身もそれを理解しているのか、相手の攻撃を恐れずに突進していく。
死と荒廃を招く腐敗の王の異名を持つ猛悪なエクリプスである。
「人も大地も何もかも、神の創りしものなど全て腐り落ちるが良いわ」
●ラムセスエクリプス
・分類:レジェンドエクリプス
・モチーフ:ラムセス王
・人間時:同上
『影蝕の偽書』によって召喚されらエクリプスで、金色の装飾品に包まれたミイラの姿を持つ。
本体のラムセス王はモーセの出エジプトを妨げようとした古代エジプトの王。
ミイラ化した肉体に生気を補充すべく人を襲っていたが、やがて天使のような力の強い存在を襲うほうが効率が良い事に気づく。
枯れ枝のような触手のエナジー吸引力はすさまじく軽く触れただけで、並の人間ならミイラ化してしまう。
天使といえど絶頂に達してしまうほど責められれば命の危険がある。また仲間のエクリプスも彼の吸収対象であることから非常に恐れられている。
今回力のある天使が集まった御座市に現れたことは宿命といえるかもしれない。
「くく、渇いて渇いて仕方がない。その身に帯びた神の力で我が身体を潤わせてもらうぞ」
●イザベルエクリプス
・ 分類:レジェンドエクリプス
・モチーフ:史上最後の魔女イザベル
・人間時:同上
『影蝕の偽書』によって召喚されたエクリプスで、闇色のローブを羽織った美女の姿を持つ。
本体のイザベルは1662年4月13日に当局に自ら魔女だと名乗り上げ、裁判にかけられた史上唯一の魔女である。
詳細な魔女としての経歴を告白し有罪となったにもかかわらず、公文書や裁判記録上にも彼女の最期は記録されていない。
絞首刑となった、あるいは魔術によって牢から逃げ出したなど様々な伝承が語られるのみである。
一見して単なる人間のように見える彼女だが、その身体は無数の蟲で出来ており強靭な再生能力を持つ。
蟲の種類は千差万別で戦闘時には柔軟な戦術を組み立てることができる。
だが真に恐ろしいのは陵辱時に発揮される。触手や蟲責めもさることながら、女体に卵を産み付けてしまうのだ。
しかもそれは膣内以外でも可能で、陵辱後日数が経つと哀れな犠牲者は蟲に中から食い破られることになる。
そうして産まれた蟲を再び自分に取り込んでイザベルは強くなっていくのだ。
「うふふ、あなたのこと食べたいってこの子達が騒いでいるわ」
オメガ様のお言葉
そうそう、エクリプスだって色々考えて生きてるんだよねぇ。
人間の 歌でもあるよね、みんなみんな〜生きているんだ友達な〜んだ〜♪って……うふふ。
使命だ正義だって、天使だってやってることはわたしたちと全然変わらないんだしさぁ。
その辺、ママやお姉ちゃんはどう思ってるのかなぁ? 心が痛まないのかな?
まぁ……煌翼天使になったお姉ちゃんは、その辺り色々あるんだろうけどね……フフフ。
あぁ、わたしは気に入らないヤツはブチ殺しちゃうよ? だってわたし王様で友達じゃないしさぁ、ははははは!
※以上、水雲風様の生み出されたエクリプスです。投稿ありがとうございました!