エクリプス図鑑 4

 

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●No6 エンジェルエクリプス

・モチーフ 堕天使
・分類   イレギュラー
・人間時  羽連 悠美
・登場   聖天使ユミエル シャドークルセイド
      聖天使ユミエル2 ダスクリベレーション
      聖天使ユミエル3 ダークリバイバル
      
エクリプスとしては完全なイレギュラー。
少女羽連悠美が抱える影魔ではあるが、エクリプスとしての意志は悠美と聖なるロザリオによって抑えられており、その意味では完全なエクリプスとは呼べない。
過去の覚醒時、一度だけ悠美の意志を支配下に置き暴走したことがある。その際には影魔王アルファエクリプスとその部下たちを一瞬にして惨殺せしめている。

悠美が変身する姿「影翼天使ユミエル」は、エンジェルエクリプスの力だけを引き出したものである。
猟奇的なコスチュームに身を包んだ美女の姿をとる。
仮に一個のエクリプスとして評価するならば、すべてのエクリプスの中でも最強クラスの能力を持っていると言えるだろう。直接的な戦闘能力に優れ、特に機動力と攻撃力では他の追随を許さない。
左手の鉤爪を高速旋回させ敵を貫く「スパイラル・レクイエム」、魔力を乗せた斬撃で空間ごと相手を消滅させる「ジェノサイド・イレイザー」、刃の羽と黒鎖により構成される殺戮の竜巻「ギルティック・サーキュラー」等、破壊的な必殺技の数々を持つ。
影から鎖を生み出し、自由自在に操ることができる。巨大な翼は刃のように鋭く、飛翔能力以外に武器としても使用可能。さらには左手の巨大な鉤爪や鋭いハイヒール等、全身これ凶器の塊である。

恐ろしい戦闘力を持つエンジェルエクリプスだが、これはすべての力を解放してのものではない。
本体である悠美本人の人間性、そして優しい性格は、エクリプスの凶悪さを認めていない。影翼天使の力は、エンジェルエクリプスの巨大な力の一部を引き出しているだけにすぎないのだ。誰も傷つけたくないという悠美の想いから、抑え付けられたエクリプスの力は、100%発揮されているわけではない。それは、拘束具や縛鎖で自身を戒めた変身後の姿にも現れている。
仮に悠美が自制を失い影魔に心を明け渡したなら……「影翼天使」ではなく「エンジェルエクリプス」と化してしまったら、一切の情けを持ち合わせない、残虐無比な最悪の魔天使が誕生するだろう。


※蛇足
悠美の二段変身(?)後の姿として、影翼天使ユミエルをデザインしました。

正義のヒロインの力が聖なるものではない、むしろ悪に根ざしたものである――これは弘騎の趣味でもありますが、アニメなどのヒーローにはそう言ったキャラクターが多い気がします。
例えば仮面ライダーも、悪の組織に改造されたわけであり、力の源は善ではないわけです。デビルマンも009もキカイダーもウルヴァリンもスポーンもテッカマンブレードもそうですよね。他にもいくらでも挙げられます。いわゆるダークヒーローものというジャンルもありますし。
さてこれらのヒーローは、力は悪であっても正義のために戦います。行いを決めるのは力ではなく、「心」こそが一番大事なんですよね。しかし人の心とは強くもあり、そして弱くもあります。「悪」の力に振り回され悩み苦しみながら、それでも戦いを続ける――このテーマは大好きで、知らず知らずの間に弘騎もどっぷりとはまり込んでいました。

自然、ユミエルのキャラクター性もそうなったわけです。
悩み苦しむという部分でかなり重いトラウマを負わせ、しかも性格は純朴そのもの。そして悪と戦うための力の源は、そのトラウマの原因となったもの――う〜ん、こう考えてみると酷いですね(笑)。

ユミエルの力の源はエクリプスである――これは投稿版のユミエルの頃から決まっていたことでした。
最初は一巻の中に詰め込まれていて、陵辱が終わった最後の最後でエンジェルエクリプスになってヴジャドを倒し、そして「こんな姿を見られたくはなかった……」と涙ながらに恵理子と別れようとしますが、結局恵理子の優しさに救われる……そんなエンディングの予定でした。
ですが編集様から「二巻で書いてみないか」との提案を頂き、「影翼天使」としてのデザイン、そしてエロシーンも書くことになりました。

パワーアップ変身したのにヤられてしまうというのは「?}かもしれませんが、これはエロ小説ですからね。コスチュームも変わったら陵辱シーンもあって当然です。むしろヤられなければコスチュームチェンジした意味がありませんよねっ!
それにお話も、前述のエンド案を引き継ぎながら、ボリュームが増えたのでもう一歩突っこんだテーマを書くことができ、作者として非常に幸福でした。

さて影翼天使のデザインですが、完成までにかなりの紆余曲折がありました。
そもそものコンセプトが「神聖かつ邪悪な天使」「主役ヒロイン的でありながら邪悪な姿」という背反したものです。さらには光翼天使の雰囲気を残した風にもしたかったですし、完全に悪役的なものにはしたくありませんでした。2→3でデザインが大幅に変更になったのも、このコンセプトの難しさを現しているのではないでしょうか……。
いや、こういう無茶な点に関しては絵より文章のほうが楽ですね(笑)。
鎖や首輪など、自分で自分を戒めた姿というのが、堕天使のイメージですごく気に入っています。

 

 

 

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