エクリプス図鑑外典 一巻 P1

 

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●NoX ワース(warth)エクリプス 

・モチーフ 人間が持つ七大罪の一つ「憤怒」を司る悪魔「サタン」(外見は魔法使い風)
・分類 イレギュラー


スネアエクリプス―永津が存命の頃の際、万が一におけるオメガエクリプスの「スペアボディ」として実験台にされた人造型エクリプス。
その実験の最中に、彼に潜む影魔を彼自身が殺して「食らった」ことにより、その力と狂気を本来の人格そのままに受け継いだ。
そしてその場にいた他のエクリプス達を惨殺―自身の目的の為に、たった一人で天恵学園に向かう。

その名にもある通り、あらゆる「憤怒」こそが自身の欲望であり力―そして「断罪」こそが自身の欲望―
そして救いたいものを救うことこそ彼の「望み」。
反対に(この時の彼は)「性」を嫌悪しており、エクリプスに本来ある筈の「性への渇望」は皆無。
その点において彼自身、「完全な」エクリプスであり完全なイレギュラー。

常時におけるエクリプス変化の際、(憤怒と憎悪を抑え理性を保つために)外見上はファンタジーに登場する魔法使いの姿をとる。
そして怒りに我を忘れ、受け継いだエクリプスの狂気を暴走させた場合…体に七つの冠の文様が刻まれた、旧約聖書に出てくる悪魔《サタン》の如き姿になる。
また彼自身、常時相手の怒りや憎しみ等の「敵意」を無意識に吸収して己が力としているために、彼の周りの者は自身の怒りを吸い取られ穏やかになるという現象が起こってしまう。

「食らう形で影を取り込み、他の影の力を吸収」し続けているその力は、本来の力を全て開放したオメガエクリプスに匹敵するとさえいわれている程。
武器は自身の影から生み出した大きな杖。戦闘経験はまだ浅いが、影を食らった際に開花した天才的ともいえる知略でそれをカバー。
そして単純に攻撃力のみでならエンジェルエクリプスすらも遥かに凌駕する。
「憤怒・憎悪・殺意」等の、自身の負の感情を瞬時に拳に込め相手に叩き込む《デストロイ・クラッシャー》―
自身の血や影等を媒介に相手の「怒り」に干渉し、内側から肉体ごと精神を破壊させる《レイジ・オブ・バーン》―
武器である杖の魔力(憤怒)を解き放ち、波動砲や衝撃波に変え多数を一斉に攻撃・惨殺する《アンガージ・スレイズ》―等、相手を虐殺する技を基本としている。
また実験時に様々な影魔の力を注入されたために、自身の能力だけでなく注入された影魔の力を使用することも出来る。
影から様々なものを生み出し自在に操ることも出来、「相手の影から能力を吸収・取得する」という能力によって常に進化することが可能。

このように「虐殺者」としてのエクリプスとしては最強を誇れる強さを持つが、代価にしたものはあまりに大きい。
本来ならキャパシティオーバーなまでに付加えられた自身のアビリティを「一度脳死した体」によって何とか受容しているものの、余りの負荷で既にガタがきているのだ。
また常に苦悶の記憶(自他問わず・この頃は悠美の記憶のものが多数)に苛まれ、悲痛に苦しんでもいる。
そして次々に体に訪れる他からの「怒り」という負担――彼の寿命は人間としてもあまりに短い…

人間の頃に一度、他の人間達に「殺され」ており―エクリプス以上に人間の大半を、そしてエクリプス達を忌み嫌っている。
そしてその「怒り」は、本来忌み嫌っているはずの陵辱に駆り立てることもある。
(自身は参加せず。そして男女問わず相手に苦痛と絶望をのみを与えるそのやり方は、エクリプスさえも恐怖と絶望で打ち震えるほどに暴力かつ猟奇的)
しかしそれが人間の全てでもないことも(無意識に)わかっているため、事において無関係者が関わることも忌み嫌っている。
そして「聡明で優しく、想う心を持つ」と見極めた者には、全てを捧げてでも守ろうとする強い想いも残っている。

天恵学園で起きた事件のことを知っており、その際における羽連悠美に自分を重ね「あの子」と呼び哀れみ想い、彼女の尊厳と未来を取り戻そうとしている。
反対に天恵学園の生徒達に対し、対極的なまでの怒りを抱いている。
特に恵理子・藤本・藤堂ことを「糞蛆(内側から暴行・弄びつくして、心ごと崩壊させた屑以下)」と呼んで怒り嫌い、
神野瞳のことを「無価値(彼女が《存在》する限り、悠美が絶望に永遠に堕ち続け抜け出ることが出来ない、存在すら許されない存在)」と呼び憎み蔑み切っている。
しかし普段はそれを微塵も表に出さず、普通の人間を演じている。第三者的に対処してこそ「物事を相手の心に深く刻み付ける」と考えているためである。

もはや自身の命が残り少ないことも、自身が生み出された目的―
「永津が、ユミエルをさらに貶めるのと恵理子の捕獲を目的とした計画に実行者の一人として使用しようと、オメガエクリプスに献上しようとしていたこと」
も全て把握している。
そしてそれを逆手に、自分の真意を達成しようと、思惑を胸のうちに秘め暗躍する。

彼の望みは真実の告発による関係者への断罪と、羽連悠美の失われてしまった尊厳と未来を取り戻すことだけである。
例えそれが、彼女の望まぬことだとわかっていても…


「たとえ何があっても、あの子の未来を取り戻す…何があってもだ…ッ!!」


オメガ様のお言葉
わたしのスペアボディかぁ。ふぅう〜ん、こんなヤツがいたんだ…うふふ、永津も色々してたみたいね。
面白いエクリプスねぇ。これだけの力があるのに、自分のやりたい事をやらないんだ。
まるでユミエルおねえちゃんやママみたいでカッコイイね。変身ヒーローかぁ。面白いわぁ、虐めたくなっちゃう!
「憤怒」ねぇ…うふふ。誰かのために怒るなんて、人間って面白いなぁ。あぁ、もうこのコは人間じゃないか…あははは!
それでユミエルおねえちゃんの尊厳と未来を取り戻すって? それは無理だと思うけどなぁ。
だって、ユミエルおねえちゃんの未来は、わたしの手の中にあるんだもの。その先には終末の闇しかないんだもの、あははは! 
エクリプスのくせに影魔王に逆らおうだなんて…うふふ! 思い違いも甚だしいけど、面白いからいまは許してあげる。
健気で可愛いコ…無駄だってわかってるんだろうけど、せいぜい頑張ってよね。
ユミエルおねえちゃんの未来と尊厳なんてあるのか知らないけれど…せいぜいわたしを楽しませてよね♪
間違ってもわたしに勝てるだなんて思っていないだろうけど…気が向いたら相手してあげるからさ、うふふふ!

 

 

●Noβ メタモルエクリプス

・モチーフ 女優・アメーバ
・分類 上級エクリプス


しがない舞台女優が他のアイドル達の人気に激しい嫉妬と羨望を覚え、エクリプスに変身した姿。
余りに目立たぬ自身の全てを忌み嫌っており、何が何でも己を認めさせたいという欲望から
他人に変身することでその美しさと個性を奪う(あるいは共有する)と共に、自分自身を存在させようとする。
またその嫉妬ー昏いものでありながらも強いその意志が、自身の影の意思を押さえ自我を保つことができる。
しかしながら本当の自分自身―すなわちかつての自分は嫌っており、その証である「本名」で呼ばれるのを最も嫌う。

その最大の特徴は、他人への変身能力。
自身の影よりもさらに濃い、銀色のアメーバと化した体を用いて変身した姿は、まさにそこにその「本人」がいるといっても良いほど。
そして自身の影を操って相手の影を通すのはもちろんのこと、見ることから噂に至るまで―あらゆる方法で取得した情報を元に、精密にその相手に変身することができる。
さらには「その相手の性格や心、その闇や本質」さえも本物そっくりとなることができるため、「その相手と心が通い合った者」でさえも見事に騙されてしまう。
もちろん相手の能力を真似る必要もあるためか、身体能力も上級エクリプスとして十分ある。
また戦術も―陵辱の仕方もアメーバの如く粘着的で、相手のことをよく知ろうと
体の隅々までねっとりと侵食したり、能力を逆手に自身の一部をアメーバに変化させ、相手の体内に潜り込ませる戦法も得意とする。

表立った行動も控えめな行動も得意とするために、どちらか一方に固執したものよりも厄介な相手。
オメガエクリプスがまだ胎児だった頃から配下として付くが、それもただ単にその存在感を取って代わろうと機を窺おうとするために過ぎない。
最もその頃には自身の性格もエクリプスとして相応しいくらいにすさんでおり、オメガとは妙な形で気が合っていたようである。
そうやって相手を欺きつつけることを楽しみながら、自分の理想の姿を追い求め様々な変身を続けている。

そして永津亡き現在―オメガエクリプスの立てた「ユミエルに対するさらなる貶めと恵理子の捕獲」を目的とした計画に、実行者の一人として天恵学園に向かうことになる―


「貴方のその姿―その心―その想い―全て私がもらってあげる…!」


オメガ様のお言葉
人間だった頃の欲望と影魔の能力がそのまま噛みあってて、 エクリプスの鑑みたいなヤツね。
女優さんかぁ…人の真似するのって面白いもんね。私も好きだよ。
でも、このコは自分が空っぽだから姿を奪ってるのよね。
ふふっ、それじゃあこの欲望は永遠に満たされそうもないよねぇ…本当、エクリプスとして相応しいわぁ。
それにわたしになりたいなんて、面白いコト考えてるわね。
でも影魔王って言うのも、これで結構大変なんだけどなぁ…このコに務まるのかなぁ、くすくすくす♪

 

※以上、S人様の生み出されたエクリプスです。投稿ありがとうございました!

 

 

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