エクリプス図鑑外典一巻 P9
●Noψ スネークエクリプス
・モチーフ 蛇
・分類 下級エクリプス
・人間時 嘗て瞳に扱き使われていたジャーナリスト
・登場 聖天使ユミエル・サイドストーリー『バニッシュメント・メモリー』
その名の通りの蛇のエクリプス。他の影魔のように人間形態を模しているのではなく、蛇そのものが巨大化したかのような姿をしている。
人間程の大きさもある蛇ではあるが、大蛇のような威圧感のある存在ではなく、纏わり付くような感じを醸し出す存在。
見た目の雰囲気の通り、その数メートルもある身体を使って獲物のあらゆる場所に巻き付き、その肢体を擦り上げる陵辱を趣向とする。
そのザラザラした鱗によって獲物は最初苦痛と気持ち悪さに悶えるが、皮膚から分泌されるオイルのような液体によって、次第にその扱き責めに快感を覚えるようになる。
またその扱き責めも卓越したものであり、あらゆる体勢も取らされるため、大抵の相手はそのいやらしくおぞましい筈の責めに屈してしまう。
また彼は口の中の細長い舌が自身の陰茎となっており、挿入による責めの際は身体で無く顔と舌で摩擦運動を起こし、同時に口や歯による責めも行う。
挿入箇所から溢れる女蜜や達した自身の精液に喉元を溺れさせてしまう状態になってしまうが、快感と嫌悪で悶える姿を見れるのであればその程度のことなど気にならない。
堕ちたジャーナリストの男は、一言で言うならまさに蛇のような男。
堕ちる前からジャーナリストとして凄まじい直感を持つ彼にとって、相手の弱みを見つける事など造作も無く、それを他に高く売りつけたり、気に入った相手などにはそれを材料に脅迫するのが彼のやり方。
それによって彼の手によって陵辱された女性達は多く、その女達のほぼ全てが泣き寝入りと疼きの憂き目に会って苦しめられている。そしてそれも彼の趣向として楽しませている。
苦痛と絶望、そして快感に嘆き悶える姿を見ることを最大の喜びとする影魔の中でも屈指の外道であり、影魔と同性質を持つ異例の人物である。
但し情報という商品を使った商売に関してはプロな事だけはあり、私的な情報屋をしていた事や、シーアネモエクリプスに悠美の情報や居場所を正確に教えたあたりそのことが窺える。
影魔に堕ちてからはその悪趣向に拍車が掛かったが、天恵学園で人気の風紀委員長にある『裏側』を嗅ぎ付け、手を付けようとたが『裏側』の張本人に虐殺寸前まで追い込まれる。
必死な命乞いによって許されるも、そのまま奴隷並みの使い走りを強要され、強者に対する恐怖心を植え付けられてしまった。
その後、遠出中に支配者が死亡したことを帰ってきてから知ると、彼女が隠し持っていた「あるもの」を嗅覚で探り当て、消失しきっていた生活資金を稼ぐ為にそれを利用することを画策。
そのまま影魔の情報屋となって大もうけしていたが、再び遠出から帰ってきた際に刑人たちと遭遇する。
刑人と遭遇した後の彼の行方は不明。影魔達の脅威に怯え逃げたとも、そのまま消されたとも噂されているが、真相を知るものはいない。
「…なんならそっちの姉ちゃんを代金代わりにしてもいいんだぜ? へっへへっ…可愛い玩具を連れているってのに、ずいぶんと好き物だなぁ手前も…」
オメガ様のお言葉
いやらしいヤツねぇ〜、これだから人間って好きなのよね、わたし!
クズにはクズなりの渡世があるんだろうけど……ふふ。
やっぱり人生楽しまないとねぇ?
●Noω 『ミラージュ・トゥ・アビス』(深淵の如き影)
・モチーフ 不明
・分類 不明
・人間時 不明
・登場 不明
まだ影魔王という存在が確認される前から…否、「影魔」という存在が認知される前から存在していた「影」。
世界の裏側とも呼べる、昏き闇が全てを包む『影の世界』において、遥かな昔に存在していたといわれている巨大な「影」。
存在していたといっても、現在ではそれを証明するための文献や資料は(影魔達の間でさえ)殆ど残っていない。
その僅かな資料を分析するに「黒い羊のような表面に人の姿をした、まるで影が人の形をとったような姿」の存在であったようだ。
影の世界においても一際目立つ昏さを醸し出し、一度動けば周りの昏き闇が震え揺らめき、周囲のあらゆる欲望や悪意を常に引き込み取り込んでいたらしい。
常時影の世界に身を置き、人間の世界に出ることは全くと言っていいほど無かったようだが、嘗て一度、人間世界に顕現したことがあるらしい。
「目の前を数多なる異形なる者が多い尽くし、おぞましい叫びが世界を覆う。その昏き叫びに、世界から一箸の空間が裂け、巨大な闇か這い上がってゆくのを見た。異形の者達はその存在の降臨に歓喜し平伏する」
口伝から伝えられるこの一文から、大多数の影魔が集まり強大な欲望と負の感情が形成する影の力が密集する場所こそがこの世界に顕現する為の扉であること、そして影魔達が主として迎え入れるほどの存在であることが推測される。
また他に残っている口伝には次のようなものも残されている。
「それが地に下りた場所では、そこにいたもの全てが発情し、まるで見たことも無いような淫猥な世界が繰り広げられた。巨大な影の身体からはあらゆる辱めの道具が蠢き、身中にある塔の如き影の棒は艶やかな液と血に塗れていた」
このことからも存在するだけで様々な生命を発情させる能力を持つこと、取り込んだ影の欲望からあらゆる能力を使えること、そして体格に見合った陰茎を持ち併せていたようである。
これらの事実と遥かな昔という時代を考えると、それ程の力の持ち主なら歴史に存在が残っていてもおかしくない。だが別の口伝が、それを防いでしまったことを伝えている。
「乱れし影闇の場に、一筋の光が現れん。金色に輝く翼を持つ一人のその少女、影に光を照らし、深淵を再び影へと押し込る。深淵は自らに飲まれるように引き、然るに地に平穏が戻らん」
金色の翼を持つ者、おそらくは光翼天使と思われるものによって発生して間もなく撃退され、それによって存在が世に出ることなく秘匿されたようである。
それを考えるに、これ自体がやはり弱かったのか、それともその天使がそれ以上の力を持っていたのか…それを伝える口伝は、残念ながら残っていない。
いずれにせよ、太古の昔に世界を支配できるような強大な影魔が存在していたのは事実のようである。
よってここでは、口伝にある深淵という最も深き「闇」と影魔として伝えられることなかった幻のような「影」……これらを表す意味を込め『ミラージュ・トゥ・アビス』と呼んでもいいのかもしれない。
無論、現在ではその存在は確認されていない。影魔王の存在する中で、そのような強大な影魔が存在する余地などないためだ。
だがここで一つある疑問がある。この口伝にあるこの影魔の能力は影魔王…否、むしろ先代の影魔王と能力や姿が酷似しているところがある。
このことから想像するに――
(――この後の記述は、何者かの手によって破られている――)
オメガ様のお言葉
ふぅ〜ん、まぁわたし昔の事なんて興味ないし〜?
歴史のお勉強なんてどうでもいいや。
まぁどんな強大なヤツだったとしても、わたしに比べればゴミクズ同然だろうしね、きゃははは!
※以上、S人様の生み出されたエクリプスです。投稿ありがとうございました!