エクリプス図鑑外典 二巻 P1

 

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●ウルフヘジンエクリプス

・モチーフ ベルセルク(熊皮男)と同じの意味合いを持つウルフヘジン(狼皮男)
・分類 上級エクリプス

その名前の通り、狼の毛皮を身にまとい、下顎のない狼の仮面を被り、190センチを超える長身と、野生の狼の如き精悍な肉体を持つ上級エクリプス。
主力武器は、自身の欲望を象徴し、力の源でもある両手剣──150センチを超える漆黒の刀身で、切った相手に魂さえあれば、有象無象の区別なくそれを喰らい、力に変える能力を有する事から、当人はストームブリンガーと名づけている──を使う。
また、補助装備の大型ナイフ二振りを、両腰に携帯している。

その欲望の本質は、力への渇望である為か、普通のエクリプスに比べて性欲は少なく、襲う対象も力のない人間ではなく、仲間であるはずのエクリプスを襲う。
その為、イレギュラーではと思われがちだが、あくまでも欲望の本質が異なるからで、エクリプスを襲う理由も、エクリプスが欲望という形で、人間よりも強い魂と力を持っているから。ただ、それだけである。
また、性欲が完全にない訳ではない。
従属させたエクリプスを強化する際、セックスという形で、自身が貯めた力を分け与えている(最も無駄に貯めた力を減らす事を毛嫌いしているし、襲う対象がエクリプスである為、力を分け与えて貰ったエクリプスの数は殆どいない)なお、強化はそのエクリプスがモチーフとなっているものを通じて強化される(例。モチーフ
がクレーエ→ラーベ。フェアリー→バンシー)

黒き魔剣には、今まで手に入れてきた力の全てが蓄えられており、必要に応じて、その力は使用される(魔剣に蓄えている理由は、手に入れた力が、オーバースペックにならないようにする為)、その際、使用される力は、肉体の回復と再生、身体能力の強化、思考力・直観力の向上、広範囲の防御壁や自身を中心に球状に張り巡
らされる全周囲防御結界および局所的な防護盾(防御範囲が狭くなるほど、防御力は向上し、広くなるほど、低下する)、黒い光を刀身に宿らせ、武器自体の攻撃力を強化したり、攻撃範囲を伸ばしたり、敵の防御結界を切り裂いたりするなど、補助的なものがメインで、遠距離攻撃系は当人が苦手としているせいか、殆ど使われな
い。
また、必殺技という概念を嫌っている為か、これといった必殺技を持たない。
必殺技を嫌う理由は、必殺技と呼ばれる技は、それを使用する際に、どうしても意識をそちらに向けなければならず、隙ができてしまうからだ。
それに意読みに長けた相手や自分よりも強い相手の場合、大抵の場合で必殺技は通じない。通じないものを持つだけ無駄だし、必殺技が破られた時に受ける心理的なダメージ、何かとあるとそれに頼ってしまう心理的な隙を考慮した場合、返って邪魔だと考えている。
そして、必殺技と呼ばれる類のものではなければ倒せない相手など、滅多にいるわけでもないのだから、無理に作る必要はないし、それらの技と同じ効果と威力を、通常攻撃でだせる方が強いと思っているからである。
技というものは、その時の状況に合わせてだせばいいし、無意識にできる技こそが役に立つという、実戦経験に基づいた思考と理由なのだ。
現に彼は意読みに長け、高い集中力と鋭い直観力を有し、常に自分が優位になるよう、周囲の環境や自分の能力を活かした、堅実かつ確実的な戦い方をする。その為、自身よりも強い相手や苦手な相手でも、有利に戦いを進め、勝利してきた。
そして、欲望の本質が力への渇望である為、苦戦すれば苦戦するほど、状況が悪ければ悪いほど、その欲望が高まり、強くなるという特徴を持つ。
唯一彼が行なう攻撃の内、名前がついている技は、自身が身にまとっている毛皮から力を喰らう魔犬49匹を召喚する『夜ヲイク猟犬ノ群レ』のみ。
この技で、召喚された魔犬達は、半物質半霊状態故に物理ダメージこそ与えられないが、エクリプスから放たれる、あらゆる力を吸い込み喰らう為、遠距離技を封じる事ができる。また、生命力や意志力も喰らうが、こちらは優先権が低いのか、少しずつにしか過ぎない。
魔犬達が疾走する範囲が広いほど、効果範囲は広がるが、それに応じて効力減少する。
なお、黒き魔剣は、人間時はナイフの姿をしており、彼が望めば、例え、手元になくても、影を通じて、もしくは次元を超越して現れる性質を持つ。また、形は変わっていても元の黒き魔剣と同じ能力を有している。

幼少期に家族をエクリプスに殺され、彼自身も殺されそうになったところを、先代光翼天使マリエルに助けてもらったが、それから10年後。再び、エクリプスに襲われ、その際に恋人がその毒牙にかかり、力を渇望する余り、彼自身もエクリプスへと化した。
現在、彼にとって力を手に入れる事が、その人生の全ての目的と化している。その為なら、いかなる手段も選ばず、匂いと空気で、相手が人間かそうではないかを判別できる能力を活かして、上位・下位どころか、自然に消える程度のエクリプスすら、狩っている。
彼にとっては、愛も平和も、正義も、他者への想いも、無価値同然である。
その理由は、自分がエクリプスへと堕ちるきっかけとなった事件が関係している。
彼自身は自分を犠牲にしてまでも、恋人を逃がそうとしたのに、その恋人は彼を犠牲にして、自分だけ逃げるという事ができなかった。
その結果、彼の目の前で、エクリプスに陵辱されてしまい、彼は絶望感以上に、自分は何もできないのだという無力感に打ちひしがれ、何者にも勝る力を渇望し、その結果、エクリプスと化した。
ウルフヘジンエクリプスと化し、敵のエクリプスを倒したあと、彼は自身の人間性の放棄と、あらゆる安らぎを捨て、力を得る為だけの人生を歩む事への決意、そして、自分の 自己犠牲を無駄にした恋人に対する怒りで、恋人を殺している。
なお、エクリプスと化した際に、天使によって消された記憶をとり戻したのか、光翼天使マリエルに逆恨みに近い感情を抱き、光翼天使を『羽根つき』と呼んで、嫌っている。

『力だ! 神にも、悪魔にも、何者にも勝る力だ!』

 


オメガ様のお言葉

へぇ、なかなかステキなエクリプスじゃない、このコ。
自分の恋人を自分で殺しちゃったんだ……ステキなラブロマンスよねぇ、感動しちゃう♪
力あるものだけが生き残るのは当然だもん、エクリプス同士ででも好きなように殺しあえば良いわ。
まぁ、万が一にもないと思うけど、もしわたしにもその剣を向けるようなら……ふふふ。暇つぶしに相手してあげても良いわよ?、
それにしても、ママはこのコのことどう思ってるのかな? わたしを産んでくれただけじゃなくって、他にもこんなところでエクリプス誕生に関わって……本当、どうしようもなく罪深い聖母さまだよねぇ、あはははは!


●エレファントエクリプス

・モチーフ  象
・分類 下級エクリプス

象の顔を持つ巨大なエクリプス。
首から下は辛うじて人の姿をしているが、象皮状の肌と殆ど曲がらない関節になっている為、機動力は低い。その代わり、巨大な身体を覆うざらついた皮膚は絶大的な物理防御力を持っている。象皮はまるで鋼板のように頑丈でありながら、柔軟な筋肉はゴムのように衝撃を吸収する為、、防御力だけなら下級エクリプスの中でもトップクラス。また知能も、下級エクリプスにしては高い方である。
鋭い象牙や感度の高い大きな耳の他、顔から生えている伸縮自在の長い鼻を最大の武器とする。この鼻は臭いに対して非常に鋭敏であり、また動きの鈍い身体とは違って、まるで蛇のように高速かつ精密に動く。また吸引力も強く、離れた相手を無理やり獲物を引き寄せる事が可能。その逆に猛烈な空気を放出し、獲物を吹き飛ばす事もできる。
この鼻は彼の性器にもなっており、陵辱行為にも使用される。
獲物の身体に巻きつき、体臭を嗅ぎながら、鼻の先端にある指のような突起で獲物の身体を弄ぶ。挿入したあと、吸引したり空気を送り込んだり、突起で膣中を弄くったりして獲物を執拗なまでに責める。
射精の時、そのまま膣中では出さず、引き抜いて噴水のように精液を放出。獲物の全身を精液で汚す事を好む。


『ひへへへへ……どうだ? 精液の噴水は? 気持ちいいだろ〜』


オメガ様のお言葉
こいつの鼻は便利ねえ。こんなに芸達者な責め道具、中々ないわぁ。ふふ、わたしの触手の一本に加えてあげてもいいぐらい。
象さんって動物園でも大人気だよね。このコの噴水かけてもらったら、みんなもっと象さんのこと好きになっちゃうかもね。ね、おねーちゃん♪


●ラクーンドッグエクリプス

・モチーフ 狸
・分類 最下級エクリプス

中小会社の中間管理職に務め、上司や周囲の人間に媚を売る中年の男性が変化したエクリプス。
全身に毛が生え、狸を思わせるでっぷりとしたボテ腹を持ち、常にヘラヘラとした笑みを浮かべている。
呆れるほどにプライドがない。自分では決して獲物を捕らえようとはせず、他のエクリプスに媚びへつらって獲物を貰っている。
反面、非常に恨み深い性格で、一度相手が自分よりも弱い立場になれば、喜々としてこれを苛め、弄び、陵辱する事を喜びとする。
指に短くも太く鋭い爪を持つが、あまり強くはない。これといった特殊能力も持っていない為、強さは下級の中でも最低クラス。その場しのぎの人生を歩んできた為、得意技はずばり『死んだ振り』
しかしエクリプス達の間では、どういうわけか『太鼓持ちのおっさん』、『狸親父』、『人間社会の不幸を一身に背負いしもの』、『競争社会の哀れな犠牲者』など、わけの分からない数々の徒名をつけられ、何故か親しまれていたりする。


「いや〜、悪いねえ〜」


オメガ様のお言葉
ぷぷっ、なにこの惨めな動物。こんなどうしようもないエクリプスもいたのねぇ。
まぁ、でもみんなこんなものかもしれないね。結局わたし以外のエクリプスなんて、どうしようもないクズばっかりだもんねぇ!

※以上、無責任様の生み出されたエクリプスです。投稿ありがとうございました!


 

 

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