神聖天使久遠・新緑の魔法少女

第一話 『天使と快楽の狭間で』

 デスパイアが潜む森に引きずり込まれた私は、ホーリーエンジェルに変身する前に触手の群れに襲われてしまいます。
 月影久遠としての私のままでは、デスパイアのなすがままです。
 心臓の鼓動を落ち着かせて、久遠は森の入り口にたどり着く。
 胸の奥に痛みを走らせて、クリスタルがデスパイアの存在を告げている。
 周辺には深い霧が降りて、街灯の光が遠くに見えた。
「ここでなら変身できるわ」
 人影がないことを確認した久遠は、神聖天使への変身を決意する。
 両の手を静かに、露出を避けた服装でも隠せない大きな胸元に重ねる。
 可憐な眼差しを閉じて祈るように少し俯き、静かに、力強く祈るかのように・・・。
「エンジェライズ・ホーリーレボッ……はっ!? あぁぁぁぁっーーーーっ!」
 突然両脚首に何かが絡みつき、久遠の身体は背中から倒れ込んだ。
「きゃぁぁぁーー………ぁぁぁぁっーー………はぁぁぁぁぁっーーーー!!」 
 森の中へ、悲鳴ごと吸い込まれるかのように身体が強く引きずられてしまう。
(しまった!………デスパイア!? いけないっ、なんとかしないとっ!)
 胸に重ねた手を解き、変身前の少女の力でじたばたと抵抗するも空しく、身体はそのまま草木を揺らして森の中へと引き引きずられ続けた。
 両手が時折小さな木の枝を掴んでも、久遠の力では速度を落とすことすら叶わない。それでも久遠は、両手で救いを求めるかのもがき続ける。急に、ズシッ、と両腕に強く負荷が掛かかる。
「くうぅっ!! あがっ!? ぐぅううぅっ……うぅぅぅっ!!」
 急激に身体が逆方向からも引っ張られ急停止させられて、身体中がミシミシと音を立てるような痛みが走った。
「止まっ……た? 早く今のうちに、変身しないと………エンジェライッ…あぁっ、やあっ……やだっ、なにこれぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!」
 手首に絡みついたツタのような物体が、さわさわっと久遠の脇にまで伸びてきた。
「はっ、離してぇっ!! いやぁっーーー。いやぁぁぁぁぁっーーーーー!!」」 
 激しく首を振る久遠は、やがて目線の先に10メートル程の異様な気を放つ樹木を視認した。差し込む月光りを浴びてその樹皮はこぶ状のぶつぶつした形状で覆われている。最上部には闇夜に咲いた巨大な妖花。
 さわさわっ、さわさわっと、風の流れに沿わない動きで枝が揺れて……枝から伸びる葉はまるで、口を開くかのようにぱくぱくして見えた。
「これは……植物型のデスパイア…………あっ、あぁぁぁっ……じゃあこれって!!」 
 久遠の気づくタイミングを見計らっていたかのように、周辺から更にツタが伸びてくる。それは敢えて久遠の目の前で、自らの樹皮を割り男性器のようなヌメヌメとした芽が生える様を見せつけてくる。
「あっ……あぁっ……いやぁ、いやっ! デスパイアの触手…なの? ……やめてぇ………離してぇぇぇぇっ……くっ、くうぅぅぅぅっ!!」 
(だめっ………振りほどけないっ………苦しくなるっ……一方……だわ………。へんしんをっ……何とか…ホーリーエンジェルに…変身しないと………!!)
「エッ…エンジェライズっ!……ホゥッ…リィッ!……レボッ……リュー………ションんんッ…がはぁぁっ………」
(くっ、苦しい……クリスタルへ意識が集中できないっ………。早くっ……ホーリーエンジェルに変身しないとっ………)
 触手の拘束力は強く、それでなくとも変身前の久遠は体力的に秀でているわけでもない。
 苦しげな表情で久遠は必死に叫ぶ。
「エンジェライズ!! ホーリー! レボリュう? むっむぐぅぅぅっ!!」
 その言葉を割って、強引にデスパイアの触手が一つ、久遠の咥内へと進入を果たす。
「ぐっ、ぐむぅっ、くぉうぅおぐぁ…………うぅぅぅぐぅ!!」
 大きさと、全体がネトネトした触感で口の中が埋められて、神聖天使への変身を果たさんとした久遠の意志が途切れた。  
「あぐっぅ……うぁぁぁ………あがぁうううっ…………むふぅっ…………」
 無意識に瞼が瞬きを繰り返す。月明かりの下、その網膜に、今までに遭遇したデスパイアと同じような生殖器……保険体育の授業で習った男性器がよりグロテスクになったような触手が何本も写った。
 しっかり止められたシャツの襟首のボタンが弾け飛び、窮屈な胸が白いブラジャーを纏って露出した。
 ロングスカートの両足に触手がはい上がってくるのが分かる。
(いやぁぁぁっ……いゃだぁぁ……やめてぇっ……デスパイアに犯されるのはいやぁっ…………)
 脳裏に幼き頃の悪魔が蘇る。デスパイアに陵辱されてその命を奪われた母の姿が……。
(このまま犯されたら……変身前にデスパイアに犯されたら……絶対に耐えられない!!)
 デスパイアを狩る戦士の心が、今は死の恐怖にさらされていた。
 神聖天使としての力を手に入れた久遠は、その戦いの中で何度もデスパイアに犯されてしまった。だが、変身前に犯されたことは一度もない。生身の状態で犯されるのは、母の受けた惨劇と重なりヒロインの心を恐怖に陥れる。
「っ!!!!!!!!」
 股間に近づいてきた触手の先端から粘液が零れ落ちて、久遠の下着をたっぷりと濡らし亀頭に当たる部分を擦り付けてくる。
 久遠の首が反り返るのも構わず、喉奥にも押し入ってくる触手。ブラジャーはずらされて、少女の年齢以上に育った大きな胸が撫で回される。このままでは、一番大切な所が陥落するのも時間の問題だった……。
(あっ……あぁぁぁっ………パンティの上にも触手がぁ……早くっ、早く変身しないと……このまま犯されちゃう……このまま犯されたら死んじゃう……殺されちゃうぅぅっ………!!)
 母の様に嬲り者にされて殺される。怖い。怖かった。
 月影久遠はその恐怖から逃れようと、危機を脱する力を得ようと必死にもがく。
「ふぇんぐぇらあぃぐぅ ほぐぅりぃひぃぃぃ へごひゅうっぅぅほおおんっっっ!!」
 エンジェライズ・ホーリーレボリューション。
 塞がれた口で、そんな意識を集中しきれていない言葉は意味をなさないというのかのように、クリスタルの力は発現しない。
 追いつめられた危機的状況で変身前の、か弱い少女に過ぎない久遠の心は冷静な対処をできずにいた。
(しゅっ、集……中………。集中するのよ、久遠っ。意識をしっかり持って……ホーリーエンジェルに変身しなくちゃっ……。エンジェッ、ライズ! エンジェライズ!! エンジェッ!…ライズゥぅぅぅぅっ!!!!)
 粘液に浸されて肌に密着した下着の間から触手たちが侵入し、股間部の生地が裂けた。
(ほっ、ホーリー! レボリューションッ! ホーリーレボリューションッ!! あぁっ、早くエンジェライズ! ホーリーエンジェル! ホーリーエンジェルにっ、変身っ! 変身してぇっ! 早く変身してっ! エンジェライズしてっ! レボリューションしてぇぇぇっ!! 変身をっ、変身したいのにぃぃぃぃぃっ!!!!!)
 咽喉奥まで異物で埋められた苦しさと、神聖天使に変わることができない悔しさで、強く閉じたままの瞼から止め処なく涙が溢れる。
「ふぐぅぅぅっ!!!! ぐおぅあぐうぅぅぅぅぐあぐふおおおぉぉぉっむぅぅっっ!!」
 膣内が一気に触手で埋め尽くされた。信じられない圧迫感。神経が雷の直撃を受けたかのような衝撃が駆け回る。快楽なんてない。身体がズタズタにされていくみたいだ。

 トテモ ナガク タエラレナイ
 カラダモ ココロモ モウモタナイ 
 
『わたし……ホーリーエンジェルに、ヘンシンッ……デキナ……カッタ…………』
 変身前の敗北。 
 愛する家族のことでも、大切な仲間のことでも、デスパイアの犠牲となった母のことでもない。
 その想いを最後に、月影久遠の思考はこの時一度停止した。
 
  ※  ※  ※ 
  
 デスパイアに襲われれば、概ね救済される選択肢はなかった。
 獲物の肢体を舐め回し胎内に進入し、絶望という感情を摂取するという目的を達した触手の群れは、うねりながら離れつつあった。巨木の花弁が閉じていく。

  ※  ※  ※  
  
 本来の力を発揮できず、為すがままにされた少女。その服装は無惨にも引き裂かれ、合間から見える肌はデスパイアの体液でヌメヌメと艶めかしい光沢で彩られていた。
 仰向けにぐったりと倒れた身体が時折、目立たないほど微弱にピクッ、ピクッと跳ねる。
(ァッ……ァゥ…………ゥゥッゥァ………ゥゥーーー…………)
(ァゥッィァァー……クアッ…ゥゥア………アガッ………フゥゥッ!)
(グガァ……アグ……ゲッ………ガァ…………ハゥァガッ………)
 あまりの性的な衝撃に一気にオーバーヒートした脳が、知的な思考を呼び起こそうと藻掻いていた。
 彼女の命はまだ生の火を灯している。
 クリスタルの力なのか、今までに受けたデスパイアの陵辱に精神が耐性を付けていたのか。
 その身体には、月影久遠として、デスパイアを狩る神聖天使としての心がまだ宿っている。
「はっ……あああっぅ……うっ、ぅぅぅうう………あぁぁぁぁぁ………」
 うなされるように苦しげな声。普段は内向的な少女が気だるげな表情を見せる。
「ああっ……はああぁぁぁっん……んっ、んあああっん、うっ、ふぅぅぅーー」
(デス………パイア………)
 ツタ状の触手の群れが地中へと身を隠していく。
(私………デスパイアに犯されて………ホーリーエンジェルに変身する前に………負けた………んだ…………犯されてしまった………)
 霞がかった頭で辛い現実が呼び起こされていく。
(くやしいっ……ホーリーエンジェルに変身さえできていたらっ……でも、変身したら勝てたの?? 変身しても、負ける時だってあるのに…………)
 天使の戦いは過酷だ。テレビアニメの変身ヒロインたちが、ごくたまに敗れる程度のお話では済まされない。より厳しい現実が待っていた。今までだって、どれだけ慰め物にされただろう。どれ程性奴隷のような地獄を味合わされただろう。
(もうイヤ!! 何も考えたくないっ!! 戦いたくなんかないっ! もうデスパイアと戦うなんて言わないから………………。こんな目に遭うのはいやぁぁぁぁっ!!)
(それでいいの? かのんちゃんも、霧香さんも、ミントだって戦っている! 私たちが、デスパイアの被害を食い止めなくてどうするの!!)
(そう!! 私はホーリーエンジェル! デスパイアを断絶する魔法少女なんだから! 神聖天使・久遠はデスパイアを許さないんだからあぁぁぁぁっっ!!)
 
 全てを食らいつくしたはずの獲物から活性化の気配を察知したかのように、巨木の妖花が開花する。地中から触手が再び顔を持ち上げた。
 
(デスパイアを処断します………)
 一度敗れた少女の指先がわななき、足の筋肉がガクガクと震える。
「まだっ、身体は動くんだからっ!」
 一度寝返りを打ち、四つんばいに身体を持ち上げる。
「ハアッ……ハァァッ…………!! クリスタル、私に力をっ!! エンジェライズ・ホーリーレボリューション!!!!」 
 エメラルドグリーンの光を纏って立ち上がる久遠の、暴行の後を受けた衣服が霧散していく。陵辱に汚れた少女の身体を浄化するように、デスパイアの体液が消えていく。
(はぁっ、はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーー)
 とても心地よいシャワーのような神聖な光の本流に洗われて、久遠の心と身体に受けたストレスが消えていく。静かな快感と共に力が沸き上がってくるのが分かる。
(自分は今、ホーリーエンジェルに変身している! いつの頃からか心のどこかに描いた変身ヒロインに私が変わっていく……。この瞬間が、好き………)
 指先から肘関節を守るようなロンググローブ。
 清純さ示す純白でありながら、角度は深く小さめの下着。
 前後からサイドへと曲線を描いてより短くなるスカートがその下着をぎりぎり隠すかのように現れる。
 むちむちした太ももを隠すことが罪であるかのようなニーソックスの存在。
 スカートの腰ラインに重なるように白い法衣が現れて胸元までを覆う。さすがに短かすぎるフリルスカートのフロント部だけは前掛けようなカバーが構成されていく。正面から下着が丸見えでは、さすがに戦えない。白いフロントカバーは装着者の意志を尊重しながらも、股間を隠すことであえて敵の欲情をそそろうとするパーツのようにも見えた。
(私の……嫌らしい体型は隠していたい、でもチラッとくらいなら………)
 内気な少女が心に秘めた、自分への変身願望。もっと大胆に振る舞いたい。そんな願いが天使の神聖な法衣をフェティッシュに表現していく。
 首から肩当を形成する装飾が現れても、一際目立つ胸元は大きくこぼれ落ちそうに開かれていた。
 長髪を束ねる髪飾りは羽のような形状に。
 耳元を守るように十字架があしらわれたヴェール。
 要所要所に魔力を生み出す希望に輝くルビー色のクリスタル。
 淡い緑と白で構成された美しい色合いにゴールドのラインが縁取られたその衣装は、これ以上は考えられない装飾美を思わせる。
 彼女は最後にその手で十字のスタッフを携えて、ブーツ一体型のハイヒールで優雅に立った。
 ぼろぼろに傷ついた少女が今、デスパイアを狩る者、神聖天使−ホーリーエンジェル−久遠へと変身を遂げてこの地に降臨した。
「………………………………………………………………」
 気高く強い眼差しがデスパイアを見据え、唇を微かに動かすかのような詠唱で己の魔力を高めていく。
 変身を遂げたエンジェルの出現にデスパイアの触手がざわめき、一気に神聖天使へと突進する。
(この空気の流れは………)
 久遠はスタッフを斜め下段に構え、十字の先端を振り上げる。
「……スペル・オブ・ヒートウェイブ!!」
 術者の魔力を放つ神聖天使の武器・ホーリースタッフが炎を吹き出し触手をなぎ払う。聖なる炎に触れるモノは一気に炭化しボロボロと崩れる。
 デスパイアはブスブスと身体の一部を焦がしながらも、残ったツタを久遠の背後に忍ばせるように伸ばし、獲物の死角から囲むように上下から襲いかかった。
「……はあああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」 
 クロス中央の赤いクリスタルから躍り出る炎は勢いづき、久遠は素早く大きくホーリースタッフを後方へ振りかざす。
 術者からの魔力供給を受け続け、周辺一帯に灼熱の壁が展開。触手のツタは獲物にたどり着くことなく塵と化す。
 神聖天使久遠。その気力も体力も変身前の比ではない。
「行きますっ! スペル・オブ・ホーリー・プレッシャーーー!!」
 デスパイアは強烈な過負荷、重力魔法で押さえつけられる。
 ベキベキと枝が折れ、開いた花びらが大きく垂れ下がり、雌しべのようなものがつぶれで体液が滲み出る。
 再度、久遠の周辺から迫ろうとした触手の行動が聖なる重力で根本から潰されて力を失った。
「デスパイアの犠牲は私だけでたくさんです! スペル・オブ・ジャッジメント!」
 超重力に続いてスタッフから放たれた光が、球体となってデスパイアを封じ込めた。
 神聖天使の魔力からデスパイアがどれだけ藻掻こうと、もう逃れることはできない。 
 久遠は静かに宣告する。
「終わりです。パニッシュメント」
「グギュルルルルウウウウゥゥゥゥ・・・ギュォォォォォーーーー……………」  
 寸分の隙もない断罪の檻の中で眩しいほどに白く輝く炎が発生し、デスパイアを焼いていく。
 断罪の檻が炎のエナジーを更に増幅させるかのように輝きは照度を増して、化け物を浄化していく。
 白い炎と檻が消えると同時に巨木型デスパイアは、この世界から消滅した。
 神聖天使の勝利に、久遠は片手に構えたホーリースタッフの底部を軽く地面に降ろす。
「……デスパイアとのテリトリーだったのね。……不意をつかれてしまったけど、デスパイアに勝った……もう大丈夫……」 
 戦う天使の表情が柔ぎ、ふぅー、とため息をつき空を見上げる。
 月明かりを遮るような低い雲の流れ。
 周辺を見回すと、戦いの跡地にうっすらと霧が漂ってきている。
(もう、変身を解いていいわね…………)
「リムーブシフ……うぅっ!!」
 視界が霞む、貧血のように頭がぼーとする。
「……変身っ…限…界……なの? でもっ……まだっ………うぅっ……」
 天使の弱点・変身限界。
 魔力の枯渇と共に戦闘能力は失われ、魔法少女は欲情をそそるフェティシュな衣装と肉体をさらすだけの、無力なヒロインと化す。
 しかし神聖法衣の各部に埋め込まれたクリスタルは、戦闘能力を示すように今も鮮やかなルビー色を輝やかせていた。
「………違う、変身限界じゃないっ……魔力は……まだ…ある…し……あっ、あぁぁぁっ………」 
 ニッーソックスで包まれた膝が震え、むっちりとした絶対領域の太股にじわっと汗の玉が浮かぶ。
「はあっ……はぁぁっ……はああぁっ……はぁぁっ…………ああぁぁぁぅ……へっ、変っ……よぉ……変だわっ……身体がっ……ヘンっ…に、なって……くるぅ……」
 久遠はもじもじと己の太股をすり寄せ、震える身体を地面に突き刺したホーリースタッフでどうにか支える。
 スタッフの柄が、豊満で艶やかな肉体美の主からの過重で地面にめり込んでいく。
「ああっ……はぁぁぁっ…鎮まって何とかっ………落ち着かせて………リムーブシフトして…………変身を解いて……早く帰らないと………」
 デスパイアとの戦うための力を与えてくれる神聖法衣は、内向的な久遠を高揚させる頼もしい戦闘スーツだ。
 だが戦いが終わって気持ちが落ち着いてくると、変身した自分への気持ちも変わってくる。
 少し動けば下着を晒すであろうフリルスカート。普段はコンプレックスの固まりでしかない巨乳の谷間を、惜しげもなく強調している変身少女の衣装姿が急に恥ずかしくなる。
「もうっ……戦闘は終わったんだから……デスパイアはいないんだからっ………ホーリーエンジェルの衣装、解除していいの…よっ……うっ、うぅぅぅっぁぁぁっん……リムーブ……リムーブシフッ…とぉ……ふっ、ふぅぅぅぅぁぁぁんんっ!!」
 ホーリーエンジェルの身体から興奮が込み上げて変身解除が妨げられてしまう。
「……私の………身体…………おかしいっ……まるで……媚薬に? まさか……変身前に……襲われたときの……デスパイアの体液がっ……浄化されていない……の?… 」 
 このままデスパイアの毒が残った状態で月影久遠に戻れば、また激しすぎる快感で今度は気が狂うかもしれなかった。
「だめっ、感覚が止まらない。ああっ!! 今リムーブシフトしたらっ……デスパイアにボロボロにされた服装に戻ってしまうわ……そんな格好じゃ帰れないよぉぅ……変身したまま、ホーリーエンジェルの格好で帰った方が………いいの?」
 困惑したまま久遠は一歩二歩、よろよろと足を進めた。正面に立ったホーリースタッフが進行方向に傾いていく。股間部が柄に寄りかかり、自分の肉体が過重となって悩殺少女に刺激を与えていく。
「ああああああんっ!! あはぁはああああんんんんんんんぅぅぅっ!!」
 堪らず歩みを止めて肩で息をつくホーリーエンジェル。
「……あっ……あはあぁぁぁぁぁんっ!!
 あそこ……擦っちゃったっ……ホーリー…スタッフに当たって……くぅぅっ………」 デスパイアと戦う神聖な武器での、スカート越しの接触ですら乱れてしまうエンジェル……久遠の思考は、わななきながらいけないことを想像してしまう。
「こっ、これ……魔法使いが空飛ぶほうきに跨るみたいな姿勢になってて……あっ、あぁぁぁっ……」
 悩殺の天使は白い手袋のパールサテンに輝く右手で、スタッフをなぞるように当たった前垂れとフリルスカートを股間部から引き上げた。接触していたスカートと下着の空間に流れ込む空気が生暖かく感じる。
 武器を構え直すことなく添えたままの左手と同じように、右の指が手のひらが柄を握っていく。
(ホーリースタッフに…………ホーリーエンジェルのショーツ……ちょっ、直接……当ててっ……おっ、押しつけて……わたしっ………) 
 下着はとっくに濡れていた……。あそこが湿ってジュクジュクする感覚が、聖なる杖に当たることで余計に自覚されていく。
 前屈みに、くの字になった腰とヒップを悩ましく後ろに突き出す神聖天使。後ろから見ればスカートはずり上がり、お尻を覆うパンティは丸見えになっている。
「…………ぁぁっ……あぁっあぁぁぁぁーーーーーー」
 視界に入ったスタッフ先端の金色の十字架と、その中心部に埋め込まれた魔力を発する赤いクリスタルは、ただ冷たく光り何も答えてはくれない。
「私…………何をしようとしているの?」
(何をって……身体が高ぶってくるから………私は、ホーリースタッフで……ホーリースタッフで…………んんっっ!) 
 罪を裁くシンボルの前に心震えて躊躇する変身少女。
 ハイヒールが左右に地面を削り、足を開く角度が深くなっていく。
 つま先までめり込み、鮮やかなグリーンが土色に汚れていく。
「ぁぁっ…………。ふぅぅぅぅぅっーーーーーー」 
 久遠は深く息を吸い込む。
 杖の直線ラインにあてがった股間の割れ目にキツく、より深く味わうように腰を前進させる。
「くぅっ! はああああんんっ!! ふああああああんんんっっ!!」
 割れ目が埋まる衝撃が堪らない。
「ふっ……ふううううぅぅぅぅぅんんんんーーーーーっ………」
 余韻を楽しみ、耳元を覆うクロスラインで彩られたヴェールが揺れる。
 ぐっと腰を後ろに引いて、また同じ感覚を味わう。
(もっと、もっと感じたいっ。ホーリースタッフに、あそこ擦るの気持ちいいっ!! スタッフがひんやりして、ホーリーエンジェルの濡れた下着の感覚がっ!! 私のイヤらしい液で股間濡らした感覚がっ……たまらないたまらないたまらないいぃぃぃぃっっ! もっと早くっ! もっと深く! あそこを味わいたいのおぉぉぅぅっ!!)
 ただいやらしく腰を使うことに没頭していく久遠。密着したコスチュームは淫欲に振る腰を、胸元からこぼれそうに激しく揺れる乳房の動きを余すことなく際立たせる。
「あっ! あああっんんっ! はぁっ! はうぅぅぅぅんんっ! くうぅぅぅんっ、んあああああっ!!」
 くちゅくちゅっと、股間とホーリースタッフの接触行程から淫音が聞こえてくる。
「はっ……はぁぁぁんんっ……凄いっっ…私……こんなに濡れて……あっ、あそこぐちょぐちょ………愛液……が手袋まで染みこんで……指先も手のひらも…びしょびしょなのおぅぅっ!!」 
 さっきまで心の中で考えていたようなあまりにもイヤラシイ言葉が、何も考える前に口に出てしまう。
「あそこに食い込むのがイイッ! おっ、お豆が……クリトリス擦れて、イイッ! クッ、クリトリス……びくびくしてっ……すごっすぎ……るうぅぅぅっ!!」
 デスパイアと戦うために変身した久遠の思考は、エンジェルの姿で快楽を求めることだけで満ちていく。
「あぁっ……気持ちいいよぉぉ……このままイキたいっ! 早くイッて!! 早く絶頂が欲しいよぉぅ……欲しいのぉっ!!」 
 普段の自分はこんなことは言わない。とても破廉恥な言葉を連呼して、神聖天使の変身自慰行為は激しさを増していく。
 巨乳の乳首はビンビンに隆起し、パールホワイトの生地を押し上げる。神聖な戦闘法衣は、装着者のイヤラシイ性感帯を隠しきれなくなっていた。
「あぁぁぁっーー……イッ、イキたい……もうっ…イキたい……はやっく……イキ…たい……ホーリースタッフで……早くぅぅっ……!!」
 可能な限り後方から一気に腰を突き出し、汗ばむ美脚はもっと左右へ開脚する。
 ホーリースタッフを濡れた手で引き寄せ、急所に極力激しい運動刺激を導き繰り返す。
「はぁぁぁっ……きっ、きそう……く、くるっ……きちゃうっ………いっ、いきそう……いけそうっ! わっ、たっし……ホーリーエンジェルでっ……イッ、イックゥ……イッ…クゥッ……えっ!? ハッ!?」 
 待ちに待った脳髄を快楽電流が駆け上がってくるその時、胸に違う痛みが走った。
「クリスタルの…警告!! デスパイアがっ……いる!!」
 快楽に乱れても美しい顔に焦りが走る。デスパイアの気配からを感じる。
「まだデスパイアがいる。たっ、たたかわなきゃぁ……早くイキた……違うっ! 早くデスパイアを倒さないと…倒して……はやく………」
 足腰がガクガクと震えて、身体中に冷や汗が流れる。ブーツの底が意味もなく地面をもじもじと擦りつける。
「……真正面……くぅっ……何か…………ぅっ……い…る……」
 白い霧の向こうに、ざわざわと揺らぐ黒い影。距離はまだある。
「まりょく……魔力………エナジーはまだあるの………まだ……たたかえる……」 
 自己分析をする神聖天使の表情は、未だ高貴な凛々しさを取り戻せていない。
「………………すっ、すぺるおぶえなじぃあろぅ……」
 スタッフのクリスタルが輝き、十字架先端から霧を裂く光の矢が走る。
 遠距離戦型天使がもっとも多用する攻撃が、デスパイアに鋭く突き刺さる。
 それは時に牽制となり、特別な防御手段を持たないデスパイアによっては致命傷ともなり得る魔法だ。
 着点から迸るエナジーが、黒い影にひび割れを起こすように広がっていく。
 ギュュワアオオオオオオーーーーーーーン!!!!
 次のスペルを永昌するまでもなく、デスパイアは粉砕される。
「………はぁっ……はぁぁっ………デスパイアを……断罪…しま……えっ!?」
 デスパイア消滅地点から10メートル程手前、より神聖天使に近い場所に異変が起きる。
「地面が……隆起していく? また、デスパイアのツタ? ス……スペル・オブ……エナジーアロー!!」
 隆起物の手前には更にツタの壁が地面を割って出現した。
 本体を防御するように、何層もの壁となっていく。
 聖なる矢が飛翔到達。
 命中弾を受けて、ツタの防御壁が崩れていく。
 きらきら光る粉塵の向こうに何かが形作られていく。
「人型?……木偶人形?」
 その表層こそ複雑に絡み合ったツタで構成されている異形物は、糸のない操り人形のように久遠には見えた。
「くっ……どんなデスパイアだって……処断します………今度は……これよっ………スペル・オブ・ホーリープレッ…………」

 イツマデ ジブンノブキニ マタガッテイル ツモリダ

「えっ!?……………………あぁぁっ!!」
 魔法詠唱中の久遠に何者かの思考が進入する。
 その正体を気に掛ける前に、反射的に手元を見た久遠は絶句した。
「!! そっ、そんな!! わっ、私! ほっ、ホーリースタッフに跨ったまま!? で。やだっ……中腰のまま………股間に………ホーリー……スタッフを……押しつけたままで………うそ………違う……これっ、これは………このまま攻撃した方が………ちょ……ちょうどデスパイアが………まっ、跨っていたホーリースタッフの方向に現れたからで………そっ、そうじゃなくて!! 構えてたホーリースタッフの向きに現れたからでっ!!」
(だめだ! うろたえちゃだめっ! わたし……ちゃんとたたかってるじゃない! 動揺しちゃだめぇ………だめぇ………手が震えちゃう………手袋濡れてるからグチャグチュしちゃううぅぅぅぅ…………)
 デスパイアのたった一言に、神聖天使の攻撃は中断されてしまう。
 木偶人形型デスパイアが手をかざす。その頭上の霧が動き、煌めきながら結晶化していく。それは空中で。幾数の不定形なスクリーンのように浮かび上がっていく。
「このデスパイア……霧を操っている? ……まさか最初からこの霧をデスパイアが!? いけないっ……何とかしないと………とにかく…とにかく体制を立て直さないと………私は……ホーリーエンジェル……なんだから……しっかり……するの…よ………うっ、うぅぅぅっ………今は…戦わなくちゃ……」
 言葉で自分を叱咤し何とか股間からスタッフを降ろし、腰を背中を伸ばそうと藻掻く久遠。
「はっ………はぁぁぁぅ…………ふうぅくぅぅっ…………はぅぅっ……」
 開脚した足の間からスタッフを引き抜き、柄を地面に突き立てる。
 まだおぼつかない身体を武器に預けるようにして立つ天使の姿に、変身直後の神々しい毅然さとは程遠かった。 
 浅い呼吸を繰り返し肩を上下させる久遠の目前に、何かのビジョンが発生しようとしていた。
「くっ……何か……召喚しようとしているの? ………させないっ……もっ、もう一度……いきます……スペル・オブ・ホーリー…………」
 デスパイアの予測できない戦法を警戒し、一度は中断された重力魔法で今度こそ敵の動きを封じ込めようとする久遠。
 だがそこに写る映像、新緑と純白衣装のヒロインの姿と流れ出す音声は、術者が魔力を放つ意識を薄れさせてしまう。
『はあっ……はぁぁっ……はああぁっ……はぁぁっ…………ああぁぁぁぅ……へっ、変っ……よぉ……変だわっ……身体がっ……ヘンっ…に、なって……くるぅ……』
 それはデスパイアを狩る使者。神聖天使の痴態。

 ゼンブ ミテイタゾ

「そんなっ! 私の………すがたが……イヤぁっ!! さっきの………映像!? そんなっ………あっ…あっ…あっ…あっ………いっ……イヤああぁぁぁっっっ!!」
 今まで味わったことのない、精神を直撃する攻撃に戦意を無くしていく久遠。
(そんなぁっ………見ていたの? あの時……身体が熱くなってきたから……我慢さえしていたら……私が感じてしまったから……こんな弱みを招いてしまうの? こんなことされたら……恥ずかしくて戦えないよぅっ……デスパイアが……こんなことしてくる……なんてぇぇ!!) 
『ああっ……はぁぁぁっ…鎮まって何とかっ………落ち着かせて………リムーブシフトして…………変身を解いて……早く帰らないと………もうっ……戦闘は終わったんだから……デスパイアはいないんだからっ………ホーリーエンジェルの衣装、解除していいの…よっ……うっ、うぅぅぅっぁぁぁっん……リムーブ……リムーブシフッ…とぉ……ふっ、ふぅぅぅぅぁぁぁんんっ!!』
「私……あんなよろよろ歩いて…………ああっ。だめぇっ! ホーリースタッフにあそこ当たっちゃう……いやぁぁっ………恥ずかしいっっ………」
 恥ずかしいと思いながら、ゴクンッと生唾を飲み込、久遠は我を忘れていく。
『ああああああんっ!! あはぁはああああんんんんんんんぅぅぅっ!! あっ……あはあぁぁぁぁぁんっ!! あそこ……擦っちゃったっ……ホーリー…スタッフに当たって……くぅぅっ………こっ、これ……魔法使いが空飛ぶほうきに跨るみたいな姿勢になってて……あっ、あぁぁぁっ……』
「当たっちゃったぁ………私………何てこと言ってるのぅ? あぁぁ……本当に武器に跨ってる…………スカートまで整え直して……ホーリーエンジェルの、ショ……ショーツに……直接擦りつけてるぅ………」
 霧に浮かぶスクリーンが数多。乱れゆく神聖天使を様々なアングルで本人に見せつけていく。
 神聖天使の新緑色のスカートの中が盗撮そのもので映し出されて、久遠の熱い視線が集中されていった。
「はぁぁぁっ………ショーツ、スタッフに食い込んでる……あんなに濡らして、あそこが透けて見えそうで………ああっ……太股アップで見せないで………むちむちしてて恥ずかしいの………ニーソックスの金のラインがフェティッシュで………この衣装…どうして太股露出させてるの?……隠したいよぉ………」 
『くぅっ! はああああんんっ!! ふっ……ふううううぅぅぅぅぅんんんんーーーーーっ………』
 己の武器に下着を押しつけ、中腰で力いっぱい腰を前後させる魔法少女の映像からもう目を反らせない。
「見せないでぇ……私の全身………ホーリーエンジェルのヴェールからブーツの爪先や踵まで身体中……そんなに動かしているところ見せないでぇ………あぁぁぁ………むっ、胸もアップで見せちゃイヤぁぁぁっ………私の大きい胸、嫌いなのぉ………タプンタプンって揺れて………人からいやらしく見られちゃうところ激しく揺すってる………ちっ、乳首もくっきりしちゃってるぅぅっ………乳首立ってる勃起してるのぉ………ホーリーエンジェルの衣装なのに、乳首目立たたせているよぉぅ…………」 
『あぁっ……気持ちいいよぉぉ……このままイキたいっ! 早くイッて!! 早く絶頂が欲しいよぉぅ……欲しいのぉっ!! あぁぁぁっーー……イッ、イキたい……もうっ…イキたい……はやっく……イキ…たい……ホーリースタッフで……早くぅぅっ……!!』
「ホーリーエンジェルで乱れる姿って凄いぃぃ……自分から快楽を得ようとしている姿がぁっ……あさましいよぉ………私あんなにイキたがってる……あぁぁっ……でもこのあと………くふぅっ!!」 
『はぁぁぁっ……きっ、きそう……く、くるっ……きちゃうっ………いっ、いきそう……いけそうっ! わっ、たっし……ホーリーエンジェルでっ……イッ、イックゥ……イッ…クゥッ……えっ!?…ハッ!?』 
「そう………イケなかったの……デスパイアの気配がして……ああぁぁ………ほんとにホーリースタッフに跨ったままで、攻撃しようとしている………表情も苦しそうで……苦悶の表情で………私は必死なのに………一生懸命戦おうとしているのに……いやあああっっ……見ないでえぇぇっ………」
 濡れた戦闘法衣が半透明のように透けて肌に張りいている。
 それは神聖天使が快楽によって分泌する体液のせいだけではなかった。
 見せつけられるビジョンの中で、ミルク状の霧が渦を巻いて自分にまとわり続ける。
「はぁぁっ………この霧のせいで……どんどん身体が重くなってくる……あのデスパイアの体液じゃなかったの? ……この霧が私の身体を熱くさせるんだわ……」
 デスパイアに有利なテリトリーに攻め込むエンジェルの戦いは、不利を強いられる。
 故に決死の覚悟でエンジェルは戦う。
 それを辱めという行為で晒されるのは最大の屈辱だ。
 まだ神聖天使として敗北してはいない。
 だが自分の武器を使った恥辱の自慰映像を見せつけられて、久遠の心は砕けようとしていた。
(ぐすっ……ひどい…………私、滅多に……オ…ナ…ニー……しないのに………こんなっ……ホーリーエンジェルとして……オナ…ニー……してるところ……こんな映像見せつけるなんて………恥ずか…しいよぅ………うぅっ……もうイヤだ………いっそのこと逃げてしまいたい………)
『………………すっ、すぺるおぶえなじぃあろぅ……』
 結晶スクリーンに浮かぶ再生映像は見るものを誘う香りすら漂わせていた。
 火照る身体を懸命に押さえつけ攻撃魔法を中腰で放つ変身ヒロインの姿は、久遠に更なる煩悩と決意を呼び起こさせる。
「あっ……そっ、そうよ……攻撃……攻撃しなくちゃ………さっきみたいに……すっ、すぺるおぶえなじーあろー。あっ、アロー! くっ、くふぅぅっ………あろぅ…エナジーあろー……エナジーアローが出ないよぅ!! あろーが撃てないよおぉぅぅ………魔力……魔力を集中しないと………集中して………あのデスパイアを断罪ぃするのぉ・・・」 
 垂直に立てたホーリースタッフに両手でしがみつく久遠のヒップはまた後方に突き出されて左右に振られていた。
 短いフリルスカートは腰回りでひらひらするだけで、濡れまくって今や透けた状態の純白下着が後ろから丸見えになる。
「すっ、すぺる! おぶ! えなじーあろー! はあぁんっ……えなじあろぅ……攻撃……魔力……集中……何でもいいから………すぺるおぶ……ああっ………すぺるおぶ……ひっ、ひぃーとウェイブ! うぇいぶぅぅっ……」
 もはやろくに魔法も唱えず、ただ技名を連呼していることに気づけない変身ヒロイン久遠。
 ホーリースタッフにすがる身体がずるずると下がっていく。
「………わっ、技………魔法がでない………すぺるおぶでりゅーじんぐみすと…でりゅーじんぐ……あぁっ……これもできない……クリスタルお願い……力を貸して………じゃっ、じゃっじめんとぉぅっ! すぺるおぶじぇっじめんとおぅ……デスパイアを封じ込めてぇ………封じ込めなきゃ……封じ込めてパニッシュめんとを……ぱっ、ぱにっしゅっめんとぉ…ぱにっしゅめんとぉぉ!!」
 戦慄きながら左膝が地面について、ブーツの爪先からニーソックスがべたりと泥で汚れる。
 なんとか右膝は立ててはいるものの、その足に立ち上がろうとする兆候は伺えない。
 それでもホーリーエンジェルは自分なりの抵抗を続けていく。
 それが快楽に堕ち行く行為だとしても、久遠は自分を止められない。
 あまりに被虐的な天使の痴態が繰り広げられていく。
「なっ、汝…許されざる…罪を…罪を償うべし……せっ、聖なる………てん…天使の名に……おいてあなたを…断罪……断罪しますぅ……ぱっ、パニッシュメントっ! うぅっ……ぱにっしゅ……めんと! 断罪っ…処断っ……だめっ、できない、パニッシュントできないっ、ぁぁデスパイアを処断……できないっ……魔力があるのにっ……魔力が出せないっ……あぁんっ……お願い……すぺるおぶ……ジャジ…メント……じゃっじめんとぅーー! ぱにっしゅ…ぱにっしゅめんとぉーーーー!!」
 ただ鳴き喚くだけの戦闘を口実に自分の中のマゾヒニズムに酔いしれていく少女に、クリスタルの力は反応することはなかった。
「魔力……魔力がでない………何でもいいから……攻撃………攻撃するの……すぺるおぶ………すぺる…すぺるおぶっ………ひぁぁぁっ!!」
 付着する霧がスタッフとぬるぬると手袋を滑らせて、屈む天使の腹部にまで下がってきたとき、重心位置の高いスタッフがぐらつき傾いていく。
「ひぃゃゃゃゃぁぁぁぁっ………………ぁぁぁぁぅぅぅっ!!」
 支えを失って右側から倒れ込む。
「ううっ……………はぁぁぁぅぅっ…………」
 大の字の姿勢に足は不安定に開き、立ち上がろうとして左手は無意味に地面を掴む。湿った手袋には土が付着するだけだ。
「くうぅっ……立つのよ……ホーリーエンジェル……この森から………デス…パイアを……森を浄化しないと…………たくさんの人が…犠牲に……な…るぅ……」
 右手にホーリースタッフを握ったまま、地べたに倒れ込んで足掻くエンジェル。
 その姿は真上の空間に映し出されて、久遠の足腰を余計に萎えさせてしまう。
「また………また写してるの………映し出されて………あぁっ………前の映像じゃ…ない………今の…私の………姿…写ってる………うぅっ………またぁ……」
晒し者にされる神聖天使の姿は、まるで自分が視姦され続けているようだ。
「………また……私の姿見てるのぉ………そうやって………私が苦しんでるところ見せつけて………お願い……やめてぇ………」

 モット イヤラシイコト サレタイノ デショ

「……ううっ……違う………そんなわけないぃ………ないよぉぅっ………」

 モット イヤラシイコト サレタイ 
 ダカラ ヘンシン シタ

「……ぁぁっ……そうじゃない………デスパイアと……たたかう………ため…に……わた…しは……変身したの………たたかう…ために……変身………いやらしいこと……されたく……な……ぃ……うああぁぁっ……」
 ひたすらエンジェルの出方を見ていた木偶人形が、今こそと久遠を問いつめる。
 熱を持った神聖天使の言葉はもはや何の意味もない抵抗に過ぎない。
 身悶えるように転がる身体へと、這うように接近したツタが四肢に絡み這っていく。
 迫る魔手に為すがままの、マゾ天使の姿が暴かれていく。
「あぁっ! くぅぅっ………ひぃっ………ひぁぁっ………ツタの触手……擦れ………離し…てぇぇっ……ひぁぁっ………葉っぱ? ひぃぃっ……腕ぇっ……足にぃぃ……絡まってぇぇ………身体の自由が……効かない………よぉっ………」 
 ざらつく樹皮の異様な感触に畏怖し、擦れる淫葉に戦慄く無抵抗のエンジェル。
 ブーツからニーソックス、ロンググローブに絡んだツタが、露出した太股と上腕部を撫でるように軽く愛撫してくる。たったそれだけのことでも、久遠の熱を帯びた身体は加速してしまう。
「………あぁぁっ、はぁぁぁっん………またぁ………触手がっ、くぅぅっ…………もっと絡みつかれるぅぅ………」
 見下ろすような高さから幾多のツタが、降りてくる。妖しい果実のような実をその先端にぶら下げながら。
「………あぁっ………早くっ、早く逃げないと………私に……何かするつもりなんだわ……くっ、くうっ………にっ、にげっ…たい……逃げ……られなぃぃっ………」
 困惑か期待なのか。久遠の思いを察したかのように、神聖天使の露わな胸元に妖実が落下する。
「ひぐっ! はぐぅぅぅ………ぁぁぁぁっ…………ぅぅっ…………」
 べちゃり、と谷間に命中しその実を柔らかく潰す薄皮の物体は、ドロドロの白い粘液をぶちまける。
「くわぁぁぁぁっ…………なに……これも………アツイっ、熱くなるっ!! むねぇ………べとべとになって………どろどろの………濃い……精液…みたいで………いやっ、いやぁぁぁっ………」  
 とろけるような感覚。もうデスパイアと戦うことなんかどうでもよくなってくるような気かする。
 トゲを伸ばしたツタがフリルスカートを引っかけ、腹部まで捲り上げられショーツが夜気に晒されても、神聖天使はただ色濃いため息をつくだけ。今も映される痴態のビジョンに悩まされ続ける。
「はぁぁっ……はぁぁぁんっ………ぅぅっ………スカート………そんな上まで……捲らないでぇっ………ホーリーエンジェルの………シ…ショーツ……丸見えになってるよぅぅ………はぁぁんっ……はぁぁっ……まっ……またぁっ!!」
 股間に。両太股に。潰れて飛び出す妖液が炸裂する。
「ぐはぁぁぁんっ! お豆に当たったのぉぉぉぅ…………ぎひぃぃぃぃっ……べたべたぁぁ………太股もぉっ………反動で揺れるぅぅぅっ………」
 股間を振り乱し、反動などと言い訳を使いぶるぶると肉感溢れる太股を震わす。
 絶対領域がねとねとにホワイトコーティングされ、美脚の神聖なゴールドラインからニーソックスへと浸透していく。感じやすいところを重点的にたっぷり汚されるさまが堪らない。
「胸ぇ熱いぃっ………法衣にもっ……たっぷりぃ…染みこむからぁっ!! この液っ……濃いよぅっ……今までと比べもにならなぃぃ……まさかぁ………きっ…り…の、霧の原…液なの? 染みこんで………胸も乳首ももっと感じるのぉぉっ!! 足もっ! 足も太股っも……太股擦りつけたいっ! 両太股擦りつけたぃぃっ! ぜっ……絶対領域がっ…ぜったい…りょういきぃぃぃっ! あっ、あそこもぉぉっ!! ふっ! ふぅぅぅぅぅんんんっ!! ふむぅぅぅぅんんんんっ!!!」
淫らにのたうち回る変身少女の正面は白濁液でドロドロになり、地面に擦りつける背面は土汚れで茶色に汚れる。
背面の大きく露出した背中から、地中から這いだした触手根が法衣内部の腰へ尻へと進入していく。
腰を這われ豊満なおしりをさわさわ揉まれるのがたまらない。
「ハッ、ハヒィィッ……背中っ……からも! なっにぃぃっ……背中からっ……やっめぇっ……わっわきばらぁ……くっ、くすぐらないでぇ! イッ、イヒィィィッ……ヒッ……エッ……ホッ、ホーリー…ショッ、ショーツの上からっ………お尻も揉まないでぇぇっ………私のお尻揉まれると……わたしのおしり大きいの自覚しちゃからぁっっ!! だめえぇぇぇぇっ!!!」
 倒れ込んだ地面から予想外の愛撫を受けゾクゾクと震える天使の痴態が続く。
「お尻刺激しなぃでぇ………入れて欲しくなるからやめてぇっ!! あぁぁっ………お願い………入れて欲しくなるぅ………やめぇぇっっっ………!!」
 遠回しにアナル挿入をせがむようにしか聞こえない痴言。
 デスパイアに開発された変身ヒロインは快楽に弱過ぎた。
「えっ!! はぁぁぁっ………こっ、今度わぁぁっっ! 太股裏からあぁっ!! にっ、ニーソックスに入ってくるうぅぅっ!! ふとももおっ……ふくらはぎぃぃっ………また裏側からぁぁっ!! もっと細い触手根が……わたしの足を責めるのぉっ!! ニーソックスの中ぁぁっ……ハッ、ハァァァッ………ハウゥゥゥ………ブッ、ホーリーブーツの隙間からも入ってくるのぉっ!! ホーリーエンジェルの衣装……どうしてブーツとニーソックスの隙間開いてるのぉ? ニーソックスとブースの隙間あるからぁぁっ………そっ、そこも入ってきてぇっ………足のうらぁっ! 爪先もぅっ……ニーソックスの中からも上からも撫で回されるぅぅっ………」
 神聖天使のコスチュームは、クリスタル使用資格者の願望を基に構成されている。
 心の奥底の願望……ホーリーエンジェルの衣装を汚されることで久遠は自己陶酔に堕ちていく。
 堕ちていきたいから自分を止められない。
 ホーリーエンジェル久遠の自己陶酔と被虐趣味は仲間のエンジェルと比べても逐一だ。 デスパイアとの戦いの中で、衣装を汚され、破れ、溶かされる度に戦意を減少させ、変身ヒロインのまま犯されること快楽に身を任せたことが何度あっただろうか。
「ホーリーブーツがっ……ハッ、ァァァッ………ニーソックスに密着しててくれたら……クゥッ……触手の進入だって少しは……ゥゥッ………防げる…の…にぃ……アッハァッ! でもぅ………どうせ………どんな……ハアァァァァンッ!! どんな隙間だってぇっ………触手は………ハアッ、ハァァッ………入ってくるっ…しぃ………ヒッ、ヒァァァ!! 足の指先にぃっ……絡んでぇっ……くすぐられてぇっ………ヒッ、ハッ、ハァァァァッ……アアンッ!! だめぇぇぇっ! ホーリーエンジェルっ! 絡まれると弱いのぉぅっっ!!」 
 背中、腰、脇腹、尻、太股、脹ら脛、足、爪先からゾクゾクする感覚が走る。
 白濁液に染まる巨乳を振り、捲り上げられたスカートから粘液で透ける丸見え下着をクイックイッと空腰で突き出し続ける神聖天使。
 夜。デスパイアの住む森。白い霧の中で痴態天使を晒すヴィジョンは無数に浮かび、その照明効果が久遠の身体に近づく影を落とす。
「!?………アッ、ヒァァ………木偶…人形の…ですぱいあ……私を見下ろしてるぅ……ヒッ、ヒァァァッ、ンゥゥゥッ!! ふぁぁぁぁぁんぅぅぅぅっ!!」
 振り乱す快感を押さえようと、揺れる身体の動きを減らそうと、堪えるようにただ身悶えるエンジェル。
「うぅぅっ………ハンゲキ……マリョク………ぅぅぅっ………わたしの…正面に……いる……デスパイア………いる……いるぅ……あぁんっ、はぁぁぁんっ!!」

 ブキヲ ツカワナイノカ

「あぁっ……ぶっ…ぶきぃ……ぅぅっ……ホーリースタッフは……まだっ…このっ……手にあるぅ……はぁぁっ……ホーリースタッフがあればっ……こうげき……できるっ……スッ…スペ……スペ…スペ……ルッるぅ……オッ…ブ……ゥゥッ……エッ…ナ…ァ…ジ……ィィ……イイッ! アッ…ぁぅっ……アぅぅぅっ!! アツイッ! 身体ぁっ!! カンジ……てぇっ………アッアッアッアウウウウッ!!」
 体液でベトベトの右手袋で握られる、愛用の武器は答えない。
「……ぁぁんっ……しっかりぃぃっ……ホーリースタッフを……奪われたり……手放してしまった訳じゃないんだからぁぁっ……スペッ、スペ…スペぇ…すぺるぅぅっんんっ……スペルを唱えるのぉぉっ………はぁぁぁんっ! 魔法使うのぉっ……魔法少女久遠っ! 魔法少女久遠なんだからぁぁっ!! マホオゥ! まほぅっ! スペルっ! すぺるぅぅっ!! 唱えるぅ………唱えられなぃっ……たたっかうぅっ……たたかえなぃぃっ!!」 今までにデスパイアに犯された自分の姿の、幾多の場面がフラッシュバックする。力尽き、武器を手放しもう何もできない状態で敗北してきた自分。
 だが今は違う。反撃の手段を持ったまま犯されようとしている映像が、デスパイアと戦うヒロインの宿命を思い出させて被虐少女は苦悩する。
「ふっくぅぅっ………くっ、口だって塞がれてないんだから……はぁぁっ………魔法ぉぉっ……つか……えるぅ…のぉ……ふっ、ふぁぁっ……すっ、すぺる……あっろぉ……ふぁっ、ファィァァッ………ミストォゥ……ぷっ、プレッ…シャァー………じゃっジャジ……メン……トォ……ぱっ、パニィシュゥ…メェン………はっ、ハフゥゥゥッンンンっ!!!…」
 気品漂う美しさとさり気ないようで堂々とした露出衣装。手にしただけで強くなれそうな格好いい武器。多用な魔法を自在に操り戦える魔法少女としての自分。月影久遠としての他人を挑発するような肉感的な身体とただただ内向的な性格のバランスが嫌い。魔法少女。天使。ホーリーエンジェル久遠としての自分が好き。これが本当のわたし。デスパイアを倒す時も、苦戦する時も、変身したまま犯されるのも全部本当のわたし。
「……ぁぁぁっ………やっぱり……だめぇっ……あぅぅっ……感じすぎてぇっ………身体熱くてっ……はっ、はぁぁっ……あちこち……責められすぎて……ふぁぁっ……魔法……使えないぃぃっ………」 
 デスパイアがツタ触手の群を伸ばす。ぐちゅぐちゅと樹液を垂らして神聖天使の顔を両胸を、熟れきって堪らないとだらだらと泣き続ける股間付近を伺うように接近する。
「はぁっ………はぁぁぁんっ……来るぅっ! 近づかないでぇぇっ!! もうだめぇっ……犯されちゃうぅ!! はぁぁぁっ……デスパイアの触手にホーリーエンジェル犯されちゃうううぅ!! ヒッ、ヒィアアアァッ!!」

オカサレタインダロウ デスパイア ニ

そんな声が聞こえた気がした時、純白衣装を押し上げる両乳首が擦られる。
「ハッ、ハヒィィィィッ!! 乳首ィィィッ!! ビクビクくるぅぅぅぅっ!! はぁぁぁんっ!! 乳首立ってるからぁぁぁっ……感じっ………はあぁぁぁんっ」
 待ち焦がれていた刺激に頭を仰け反り腰を突き出す。ぬるぬる下着越しに隆起したクリトリスに触手がかすめる。
「フヒィィィィィィッ……ぁぁっ……お豆……擦れて……ふぁぁっ! そぅ……もっとぅ……ふぁおぅっ……ヒッ、ヒァァァッ………アッ、アヒッ……くあああああんんっ!!」
 股間近くで待ちかまえる触手にクリトリスが当たるともう堪らない。
「ハッ……ハァァァッ……さっき………さっきイケなかったからぁぁっ……もう、もうっ……止められない………もっと、もっと感じたくなるぅぅっ!!」  

タタカワナイノカ デスパイア ヲ タオサナイノカ エンジェル ナンダロウ

「ああっ! そんなことぉぉっ…ハァッ……ふぅぅぁっ……これ…以上……わたしを……ぅぅっ………困らせ…ない……でぇぇっ!! もう追いつめないでぇぇぇぇぇっーーーー!!」  

タタカワナイノカ デスパイア ヲ タオサナイノカ エンジェル ナンダロウ 

「はぁぁんっ……えんじぇるぅ………はぅぅっ……わっ、わたし…ホーリーエンジェルぅぅっ………くぅぅっ……エンジェライズぅっ・ホーリーぃぃっ……レボォ……ああっんっ……ちがぅ……変身っ……してるから…くふぅぅっ……これじゃなくてぇぇ………ああんぅっ……イイッ……イイよぉっ……触手愛撫がぁぁぁっ…胸ぇぇぇっ………あそこもぉぉっ……イイのぉぅっ……」  
 半透明の樹液を垂らすツタ触手がショーツにくっきり浮かぶ割れ目を這う。胸を擦るツタはその数を増やし、勃起乳首を責めタワワな乳房を揉みまくる。
「イイッ……イイのぉぉっ……凄くイイッ!! 変身してる方が感じる!! 変身前にされるよりイイのぉっ!! ホーリーエンジェルでされる方がイイッ!! 神聖天使の姿で犯されると堪らないィィィッ!! くあああぁぁぁぁんんっっ!!」
 変身前の強姦はただその衝撃に圧倒された。一瞬でイッてしまった。凄すぎて満たされなかった。ホーリーエンジェルに変身した久遠は今、デスパイアの責め一挙一動に感じ入る。デスパイアに開発されてきたマゾ体質で快楽を堪能する。

 コノママ オカサレタイノカ
 モット ホシイノカ
 モウ タタカワナイノカ

「はぁぁぁっ……ひぁぁぁっ………言わないでぇっ………もぅだめなのぅ……この霧や……体液で……はぁぁっ……わたしの身体を……ぅぅっ……熱くさせといて……くぁぁっ……身体火照って………ふっぅぅんっ…ホーリーエンジェルのオナニーしてるとこ……みっ、見ている…なんて……はぅぅっ……映像見せつけて……四肢の…自由奪ってぇっ……はっぁぁぁっ……白い精液みたいなの……ぶっかけてぇ………クアァッ……背中や……アッ……足に触手潜り込ませて………触手愛撫でぇっ……ハッ、ハァァッ……私のこと……こんなに…ヒイッ……してぇぇっ……アアッ!! あちこち愛撫されてるのぉぉっ!! 触手責めがあぁっ……キモチイイッのおおおっ!! 気持ちいいよぉぉっっ!!!!」   
 神聖法衣の上から内部から触手の動きと体液分泌が激しくなった。コスチュームが吸収しきれない液体はだらだらと溢れ出て地面に水たまりを作る。泥のようになった土の表面から、べしゃべしゃと跳ねる音が陵辱空間に響いた。
 全身愛撫運動が高まり強いリズムで触手がうねり、神聖天使のショーツ前後の穴にだけは丁重な愛撫を、触っては離れを繰り返す。
(このまま高ぶる気持ちに身を任せてたい。それでいいの! そうしたいの! さっきは……ホーリースタッフを使ったオナニーで……イクの我慢したのぉぅっ!! だからもう……今度はもう……この火照る身体をイカせたいの! さっきは我慢したんだからっ、もう我慢したくないっ! でも……反…撃……しないと……反撃…しなきゃいけないの…………)
「……ぁぅぅっ……行きますぅぅっ……スペル・オブ……あぁんっだめぇ……入れてぇぇっ……すぺるおぶ……早くぅ! スペルオブいかせてぇっ! すぺるおぶイキたいっ! スペルオブッ…絶頂欲しいっ! 早くぅっ……スペルオブ・穴に……すぺるオブ……入れてよぉっ……早くしないと……スペルでやっつける……からぁっ……ぁぁっ……イク……わよっ……スペル・オブ……すぺるおぶ・エクスタシー!! 欲しい!! はあああんんっ!! くっ、くるぅぅぅぅっ!!!」
 割れ目に這った触手がショーツを脱がすことなく、きめ細やかなサテン生地ごと膣内へ進入を計る。
 下着を伴った挿入。神聖法衣の上から犯されるのは、エンジェルの防御力がデスパイアに敵わなかった証拠のようだった。
 久遠が本質的に持っていた、敗北による被虐意識が助長されていく。
 デスパイアが久遠の内部に狙いを定めた、たまたまのタイミングだったのだろう。
 まるで久遠が、ねだる様な言葉に合わせるかのようにジャストな責め。
 神聖天使が魔法を放って、その効果で触手を導いたかのような充実感が被虐精神の中に渦巻いて満たされていく。 
「フハアァァァァァンンッ!! 入ってきたのぉぉっ………ホーリーエンジェルの中にぃぃぃっ………触手がぁぁぁっ……やっとぉ……ひぁぁっ……中が埋められてぇぇっ………クリ……舐められながらぁ……ドクドク脈動してるぅぅっ………ウゥッ……ヒァァァッ……これぇっっ……欲しかったぁぁっ………あっ、アアアアアアッッーーンン!!」 
 さっきまでは、触手を誘うようにただ力一杯に空腰を振っていただけの浅ましい痴女だったのかもしれない。
 今、触手挿入を受け入れる天使の腰使いは快楽を最大効率で味わおうとする。受動かつ積極的に、妖しくも優雅な天使の乱舞が上演されていく。
「ハッァァッ!! フアァァァァッ………くふぅぅぅぅっ………ハアッ……ハァァァンンッ………ハッ……イッ、ィィッ!! クハァッ………イイッ……触手ぅぅっ!入れられてぇぇっ……スゴイイイッッ!!」 
 激しい動きにエメラルドグリーンのフリルスカートが揺れて、ホワイトのラインがよりその動きを引き立たせる。
 ビジョンに見下ろすアングルではショーツがスカートの舞に見え隠れし、足元からの映像は、自発的に持ち上げた腰がショーツごと触手根を受け入れる挿入口を露わにしている。
「ヒアアアァァァッッ……ホーリー……ショーツごとぉぅっ! 衣装がおぐにぃぃっ……ショーツ越しにぃ………触手とわたしの襞がぁぁこすれるのぉぅ……デスパイアの触手がイイよおぅ!! 触手もショーツごと入ってくるのがイイのおおぅっ!! はあああぁぁぁぁんんんっ!!」

 ドンナ キブン?

「はぁぁぁぁんっ!! いやぁぁぁっ……ぁぁっ……そんなっ……ことぉっ……うぁぁぁっ……聞か……ない……でぇっ……くあぁぁぁんっ!!」

 キモチ イイノ?

「はぁぁんっ! ああっ……気持ちイイっ!! 気持ちいいのぉっ……これがイイのおぅっ! ずっとこうされたかったの! ホーリーエンジェルが……ついにデスパイアのペニス状触手に犯されているのぉぉっっ!! 凄い快楽が駆け巡ってきてぇっ……デスパイアに感じゃうのぉ!! エンジェルなのにっ……わたしエンジェルなのにっ! エンジェルだから感じちゃうのよぉっーーー!!」

 エンジェル ハ カンジヤスイ ノネ エンジェル ハ イヤラシイノネ

「ああぁぁっ……だってぇ……デスパイアが……エンジェルも狙ってくるからぁ……エンジェルの精気と……魔力狙って……ぁぁっ……エンジェルのこと………性的に……責めてくるからぁ……くぅっ……エンジェルからエナジー吸収するために……エンジェルの身体感じやすくしてぇぇっ……クァァァンッ!!」

 イチバン イヤラシイノハ ホーリーエンジェル ナノネ

「ちがぅぅっ……違うの……そんなことないの……アサルトエンジェルだってぇ……シャドウ……セイバーエンジェルだって……イクシードエンジェルだってぇぇっ……みんなデスパイアの快楽責めに悩まされてるってぇぇっ……くぅっ……私だけが……ぁぁっ……感じやすくて乱れやすい訳じゃないよぅっ………くふふぅぅんっ!!」 
 自分を燃え上がらせる言葉責めに乗って、ホーリーエンジェルの腰も胸もスムーズに乱れ舞う。
 身体中全てで余すことなく快楽を受容する天使の表情には、デスパイアを処断する者の覇気は欠片ほども見受けられなかった。

 ブキカラ テガ ハナレソウヨ 

「ハァンッ! だめぇぇぇっーー。ホーリースタッフ……はなしちゃ……手放しちゃうぅ……ハァァァッ……でもっ……もぅ………クアアンッ……あそこ突かれてぇ……もぉっ……逆らえないからあああっ!! もっ、もおぉぅぅっ……ホーリースタッフ持っていられないぃ……もぉぅ……放しちゃぅぅぅぅっ………」
(どうせもう……戦えないから……身体……こんなにされたから……ぁぁっ……こんなに感じてたら……わたし……もう戦えないよぅ……もぅ……魔力があったって……はぁぁぁっ……ホーリースタッフ……もう……つかえないよぉっ………もう、わたし……感じたいからぁぁぁっーーーー!!) 
 拳から力が抜けてホーリースタッフが落ちようとした時、腕を絡み取っていたツタが更に動き久遠の拳とスタッフの柄を縛り無理矢理固定させた。ずっと地面を掴んでは藻掻いていた左手まで、無理矢理スタッフに添えられ括り付けられて。左脇腹から右肩に伸びるように正面で武器を構えさせられる。大股に開いた足は絡んだツタに引っ張られモデル立ちに近い姿勢に伸ばされる。
 その体勢で久遠が身にした霧のビジョンには、法衣内部で這い回る触手が脈のように走るラインと股間に触手が刺さった変身ヒロインの姿が。泥と粘着質の液体でベトベトに汚れた身体であることを除けば、エンジェライズ・ホーリーレボリューション直後のポーズで陵辱される神聖天使の映像が浮かび上がっていた。
「ヒィィ! ヒァァァッ!! こんなぁっ……変身直後……登場ポーズみたいな姿勢で……うぁぁっ……感じてる時なのにぃぃっ……くふぅん……こんな姿勢取らさないでぇっ……アアアンッ! クゥゥッ! ああっ……中で……クァゥッ……激しく動いてる…くせにぃ……もう忘れさせてよぉっ!!」
 脈動する挿入触手を内股で挟み込み、その動きに絶対領域がまた熱くなる。ぬるぬるする前後運動を素股で感じてしまう。変身ヒロインはアヘ顔の、えせ登場ポーズで悶え続けた。
「ハァァァァッ……くふぅぁっっ………そんなにぃ……ふぁぁぁっ!! わたしにぃ……武器持たせてぇっ……アハアァァァァッ!! もう……ぅぁっ……たたかうぅ……どころじゃぁ……ないっのにぃぃっ……ひぁぁぁっ………こんなっ……ホーリースタッフ……無理矢理……構えさせて………」
 エンジェルとして、半端に戦える状態であることが、犯されながら快楽に身を任せきることに罪悪感を感じさせる。
「ふぁぁぁぁっ!! いっそのこと……ハァッ……魔力が無くなるまで……クゥ…変身…限界まで……ぁぁっ……戦って…ぅっ…おけば……くっ…こんな屈辱……うぁっ……魔力が…んんっ……残っていて……うはぁっ……余計に……ひぃぁぁっ……辛いよぉぅっ!!」
 ここまで犯されながら、神聖法衣は汚されてはいても破られた箇所はない。
 胸が露わにされたり、下着を脱がされていたら久遠の心は完全に折れたかもしれない。 だが久遠が大好きな衣装はそのままの形を留めている。
「ぁっ……ぁぁっ……ホーリーエンジェルの衣装……うぅぅっ………私の髪も………くぅっ……顔も……泥や触手に汚されてるけど………まだっ……私はぁっ……くっ、くぅっ……ホーリーエンジェルとしての私は汚されて……いな……いっ!!」
 ホーリーショーツの防御力が戻ってきた気がする。子宮に当たらんと責め続けた触手の動きが今確かに鈍化している。
 背中や足へと神聖法衣内部に進入してきたツタ触手の愛撫に、何とか耐えることさせできれば。
「絶対ぃ……耐えてみせる……こうなったら………」
(そう……さっきまでみたいな……あんなでたらめな詠唱じゃだめ。…………この………スペルで………)
 霞む頭で神聖天使久遠は戦法を定めゆく。
「……はぁぁっ………くふぅっ……くぅっ………行きます! スペル・オブ・ホーリープレッシャー!!!!」
 今、ホーリースタッフのクリスタルが輝く。
 対ジェネラル戦で追い込まれた久遠が、逆転を掛け自分もろとも仕掛けた戦法。 
 自分がデスパイアより重力魔法に耐え凌げば、勝機は来る。あの時のように。
「………くぅぅぅぅっ………耐えて………くぁぅぅぅっ………耐えて見せるぅ………絶対にぃ………負け……ないぃ………」
 バキッ、バキッ、ベチャッ、ベチャッと周辺からツタ触手が潰れ行く破壊音が聞こえる。木偶人形がガクッと両膝を付き今にもひれ伏しそうだ。法衣内を蹂躙したツタの群が肌の上で潰れ、あるものは縮小化するように逃げ出していく。
 膣内の異物感が弱くなっていく。四肢に絡んだ拘束感が消えていく。
「………身体………キツイ………重ィィッ………くぅっ………もう少し……このまま………この……スペルにぃ…………掛けるっ………やめない……トドメよっ!! スペル・オブ・ホーリープレッ…………!!!!」 

 トドメ ダ ホーリーエンジェル クオン ヨ

「ギッ、ギヒヒヒィィィィィィァァァァァァッッッ!! ヒッ、ヒグガアアアアアァァァッ………ヒギイィィィィィィィッ!!!!!!」
 聖重力から逃げるようにエンジェルから離れようとしたツタ触手の群の幾つかは、押しつぶされ破壊されながらも本来のテリトリーである地中へと逃げ込んだ。
 生き残りは体勢を整え、一本の触手となりホーリーエンジェルの尻穴へと進入を開始した。
 アナルに対してショーツ越しの挿入。まだ責められていなかった性感帯だけを攻撃されて、必殺のスペルは中断させられる。
 待ちわびたような涙を流して天使は泣いた。
 スタッフと法衣を装飾するクリスタルの輝きが曇っていく。
「あがはぁぁぁっ………はふぅぅぅぅぅぅ………ち…か…らぁ……抜け……脱力……す…るぅ……はぁぁぁっ………だめぇぇっーー。ためっ、溜めた…魔力……吸われるぅ………お尻から……魔力吸われてるのぉぅーーーーぅぅっ。ハッ、ガハァァ……ヒグッ、ヒィィ、ハワワァァァ……すわ……ないでぇ………まりょくぅ……摂ら……とらない……でぇぇっ……」
 魔法を放った決めポーズのまま表情は色惚けし、地面から突き上げられて天使の尻が揺れる。
 肉感溢れる太股の間でぐったりと萎れていたペニス化触手が、ムクムクと活力を取り戻し蠢き出す。変身少女のデルタ地帯に濡れて張り付くホーリーショーツの、サテンホワイトに透け浮かぶ痴毛の裂列目掛けて進入を開始する。
「ひああああっーー!! またぁっ……ハァァン……前…からっ……もぉっ……クフゥンッ……だめぇ……アグガァァ………前もぉっ………後ろもぉっ……グッ…ガアァァァッ………キヅイィのおおぅ…………」
 変身ヒロインの勝機を信じた希望の力が、急所責めの前に掻き乱されて発揮できなくなる。
(ホーリーエンジェルの……くぅっ……ショーツの防御力が……ぁぁっ……また………触手責めに負けてるぅ……何も脱がされていないのにぃ………後ろもぅ……前からもぅ……無理矢理……下着ごとおっ! ショーツの弾力がぁぁっ……ひぎぃぃ……ただでさえ触手キツイのにぃぃ……お尻の穴の中ぁぁ……あそこにもぉぉっ……触手でぇっっ、変身衣装が擦れるぅぅっーーー!!!)
 二穴内部に無理矢理沈み込んでパンパンに埋められる、触手が股間内部の壁越しに擦れているような感触が狂おしい。
「ギァァァァァァァッ………はひぃぃぃぃぃ………はふっ……ふああっ……ふっ……ふぅぅっ………イッ、イアッ……イッィィッ、ィィィィィィッ………変身アナルぅぅ、ィィっっ………変身マ…ぁぁっ…ンコォ………ィィィィィィッッッッ!!」
 喉から絞り出す嬌声のエンジェル。苦しさと快楽の狭間で心の防壁が崩されていく。今までとは違う。もはや一瞬たりとも反撃を想像することは叶わない。
「グヒヒイィィィーーーー!! ふぐむふぅぅぅぅぅーーー!!!! ハァッ……グハァァッ………はああああああっ!! はぁぁっ………なんか……走る………あああっ!! またぁ魔力がぁぁぁっ………ひっ、ひははあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーー!!!!」  
 不意を突くように、衝撃の後、無理矢理魔力を吸い取られて心から脱力する。
 神聖天使はただ懇願するだけのコスチューム少女へと成り下がっていく。
「ふああぁぁぁっーーー………魔力………摂られたら………魔法……唱えられなく……なるぅ……技……出せなくなるのぉっ………いやぁぁぁぁっ………やめてぇ……摂らないでぇっ……戦えなくなるぅっ………ホーリーエンジェルとして……戦えなくなるのぉぉっ………」
 震える腕で、拳で愛用の武器を握り続ける。急がなければホーリースタッフはただの杖と化してしまう。
「スペル!! すぺ……すぺ……スペルゥゥーー……ひぃぃぁっ………吸うのだめぇぇぇっ………まっ、まりょくぅ………わたしの魔力が無くなっていくぅぅぅっ………ホーリーエンジェルの魔力がぁぁっっ!! ふぁぁぁぁっ……まっ、前から……後ろからも吸われるぅぅっ……一度に…たくさんぅっ……全部吸わないでえぇぇぇっ……ハッ、ハファァァァァァンンンンッ!!!」 
 荒く乱れる久遠に木偶人形が足音が近づいてくる。
「………ああっ………もぅ……魔力が………少ないぃ………触手抜いてぇぇぇっ………魔力吸われるのも感じるのぉぉぉっ! 両方の穴ぁぁっっ……排泄の穴からぁぁっ! せっ、性行為の穴ぁぁ……デスパイアに犯される穴からぁぁっっ!! 魔力吸われて感じてちゃうゥゥッッ………ぁぁっ………せめて……この……一撃ぃぃっ……一撃入れたいぃぃぃっ………ふぁぁぁぁぁ………ちからっ……抜けるぅぅぅ………やぁぁっ………こっちにぃ……こないでぇぇぇっ………ひぃぃぃぃっっ!!!」
 魔力吸収を形ばかりに防ごうとするかのように、ホーリースタッフを懸命に抱き抱える超美巨乳天使の胸がたわむ。自分の腕で乳首を押しつぶし快楽電流が発生する。
「ひゃゃゃゃぁぁぁぁぁんっ………乳首ぃぃぃぃっ…イヒァッ……腕に擦れてぇっ……ひゃゃゃぁぁぁんんっ………どぅしてもぉっこすっちゃぅぅぅぅっ!! ああんっちくびぃぃイイッ!!………ハァァァッ………ファァァァッ………ハァッ……ファッ……吸うのもだめぇぇっ………ああぁぁっ………もぅっ……長く詠唱できないっ………凄く感じさせられてぇぇっ………さっきまでよりすごぃのぉぅ………ハァァァンッ……」
 ホーリークリスタルからエンジェルの希望の力が減少していくのを、嫌が上で思い知らせれる。
 性的な刺激と共に受ける魔力吸収。エンジェルに対するデスパイアの責めは、久遠が抱く神聖天使としての強い自意識を根底から犯されるような気にさせてしまう。
 変身してデスパイアに犯されるのは怖かった。嫌なはずだった。
 だがエンジェルとして敗北を乗り越える度に、自分の身体がより深い快楽を感じるように変わっていくのが分かる。
 神聖天使久遠が、もっとイヤラシイ変身ヒロインとして成長していることを思い知らされる。
 デスパイアに犯される度に、月影久遠に眠るマゾ精神と肉欲に満ちた身体が開花していくのだと。
(私はホーリーエンジェルとして犯されることに感じているの?)
(ホーリーエンジェルとして犯される自分を自覚できる………この瞬間が好き……)
(ぁぁっ……違うの……そんなことない! 私はエンジェルなの! デスパイアを倒すエンジェルはイヤらしい身体じゃないの。イヤらしい女の子じゃないの……)
 葛藤にすら酔いしれる神聖天使に魔力吸収が加速する。
「はああぁぁぁぁんっ!! 吸うの、だめぇなのを……心まで震えるぅぅっ……はぅぅぅぅっ……身体がぁぁっ……だるくなってくるぅぅっのぉぉっ………まりょくぅ……魔力なくなるぅぅっ……変身…限界くるぅぅっ……変身限界来る前にぃぃっ……ハッ、ハァァァァンンッ!! ぁぁっ……………この…魔法でぇぇっ……決め…ますぅっ……決めるのぉっ……イッ、行きますぅっ……スペルオブ・エナジーアロぅうぐぐふうおおおぉぉぉっ!!!!」
 その魔法でデスパイアを倒せたかどうかは分からなかった。だが神聖天使として戦わなければならない。
 快楽の中で戦い、恍惚する久遠の頭に木偶人形の両手が伸びる。
 触れられる手の感触も目の前にあるデスパイアの顔も、デコボコとツタが絡まった状態から変化していた。滑らかな表皮で整形されたのように生暖かい触感。
 グチュッ、グチュッ、ジュクゥッとデスパイアと神聖天使の舌が絡み合う水音が響く。 仰向けの快楽戦闘ポーズで転がり悶えるエンジェルに、屈み込んだデスパイアからディープキスの洗礼が下る。
「ンッ、ちゅっ、ぷはぁっ……えなじあろぅ……んむぅぅっ……ぢゅるぅ、ちゅるぅぅっ……ァッ、アロゥ…ちゅぅっ、くちゅぅ……ヘナヒイあろー……ふぐぅぅぅ……ちゅぱっ、ちゅっぱぁっ……ぁぁっ! あろぅっ……エナ…ちゅぅちゅるぅぅ…アルゥゥ…ちゅるぅっえなじあるぅーーーー!!! ふっ!? すぅわれるぅぅぅぅ!! ワタシのぉっ……最後のあろぅがぁぁっ……ほーひぃーえんしぇるのぉっ!! ホーリーエンジェルの、さいごぉのぉぅまりょぐがぁぁぁぁっ………ふほあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーー!!」
(あああああっ、やめっ……やめてぇぇっ……せっかく溜めた魔力が……お口からも吸われてしまうのぅ………ハァァァァンッ!! またスペル邪魔されてるぅ………快楽に勝てそうだったのにぃぃっ……ホーリーエンジェル……負けてしまいそぅになるぅ……) 
「ちゅるぅぅぅーーーふぅわれへるぅぁぅぅ………くちゅるぅ、グチュ…ちゅるぅぅーー……変身限界いぃぃ!! きちゃふぅぅーーおおおおっ……ふむぅぅんんっ、ぷはぁっ! 変身限界の前にぃぃっ……んんっ、ちゅっ、くちゅぅ、ちゅるぅぅ……せめてぇっ、最後のスペルオブエナジイアロオウーー!!じゅるぅじゅるぅぅぅ……すぺるおぶえなじいあろう撃たせてぇぇんっ!! ふっ、むふぅぅぅぅぅぅっんんっ!!!」
(二穴挿入が凄すぎるのにぃぃっ!! 三つのお口に入れられて吸収されたらもっと凄いのおぅっ!! 挿入吸収だめえぇぇっ!! ホーリーエンジェル戦えなくなるからぁぁっ!!)
「ぷはっ! ふぁぁぁぁんっ………変身限界来るぅぅっ!! スペルおぶえなじいあろー撃ちたいのにぃぃ………変身限界来てイキそうになるぅぅぅぅ!! ちゅ……ちゅるぅぅぅ…くちゅぅぅ……変身限界イイィィッ!! イクウウッ!! 変身限界でイグのおおおぉっ!! ハアッ! フアアアアアァァァンンッ!! イクイクウウウゥゥゥゥゥーーー!!!! ふぁぁっ! ふはぁぁぁぁぁぁ!! はぁぁぁっ……じゅっ、じゅるぅ……じゅ…ふぁぁぁ………ハァァァァァ………へんしん……げんかぃぃぃぃ…………」
(ふぁぁっ……イッたぁ……イッたぁぁっ……ホーリーエンジェル……やっとイケたぁ…………イキたかったの……ぁぁぁっ……イクのイイっ!! デスパイアに変身セックスされるのたまらなぃぃ……イッたぁぁぁぁっ………) 
 デスパイアの吸引接吻がグチュッと淫靡な音を立てて神聖天使の咥内から離れる。
 ぎりぎりまで魔法少女であろうとした白いロンググローブの両手が震え、新緑のグローブカバーと共に輝きを無くし、装飾された赤いクリスタルは暗色に陰り行く。
 粘着質な落下音。ホーリースタッフはその手を離れ、泥沼のような地面に横たわる。
「ぁぁぁぁっ……ふぁぁっ……ハァァァァンッ……魔力ぅぅっ……凄く吸われたのぉっ……もう…力はいらないのぅ……ああっ! まだ……股間の触手が二つともそのままぁぁっ……やっ、やめぇ……動かっないで……ひぁぁぁっ!! ひぃぃっ! だめぇっ……もう抜いてぇぇ……もう戦えなぃからぁっ……変身限界きちゃったからぁっ……キッツ…イヒィアアアッーー……ハァァァッ!!」

 デスパイアハ エンジェルヲ ユルサナイ
 クライツクシテヤル

「ひっ、ひぃぃぃぃーー!! ひゃあああーー……くああぁぁぁんんっ!! もっ、もぅっ……ハヒァァァッ………ゆるじでぇぇぇぇぇっよぉぉぉぉぉぉっ!!!! わっ、わたしぃっ……ホーリーエンジェルは………もうデスパイアを倒すなんて言いませんっ!! ちっ、誓いますぅぅぅっ!! アアアアンンッっ!! こっ、この場所にもっ、もう来ないからぁ……エンジェルのみんなにも黙ってますからぁっ……何も言いませんっ!! 言わないからぁぁっ…もう……わたし強くないのぅ……もう弱くなってるからぁ……たすけっ………」
 さっきまで快感に震えながらも倒そうとしていたデスパイアに、視界に写る転がり落ちたホーリースタッフの十字にすら許しを請う敗北のエンジェル。
「誓いますぅぅっ!! せっ、聖なるぅ……天使のぉぅっ……なっ、名にかけてぇぇっ……聖なる天使の名にかけて誓いますからぁ!! アッーー、ヒアアアアアッ!! ホーリーエンジェルわぁぁっ……ホーリーエンジェル久遠わぁぁっ……デスパイアを倒すなんて言いませんんっ!! イッ、ヒィィアアァァァ!!!! たっ、助けっ…てぇっ……!!」
(快楽に乱されて……私は何度も堕とされて……でも今日みたいに……私の……ホーリーエンジェルの姿のまま……オナニーしてしまって……乱れる痴態をずっと見せつけられて……こんな……追いつめられかた……きっ、効くぅぅっ……効くのぅ……このまま……また……乱れるぅ……イクぅぅっ……イクッ……気……気を……気をやるぅぅっ……気をやりそう…ホーリーエンジェルで、気をやるぅぅっ……) 
「はあああぁんんっ!! すごいぃぃぃっ……わたしぃぃ……聖なる天使なんて名乗りながらぁぁっ……ベトベト粘液たっぷりかけられてぇぇっ……泥だらけにされてヨゴされてるうぅ!! ホーリーエンジェル感じて乱れちゃうぅぅぅっ………ひぁぁぁっっ………見ないでぇっ……そばで見てないでぇ……」
 魔力を無くし汚れ堕ちたエンジェルの姿にどこまでも高ぶっていく。
(わたしは……今のワタシは、無力なホーリーエンジェルなのぅ!! 月影久遠から変身しているだけでぇぇっ……もうデスパイアの責めに逆らえないっ!!) 
「ひあああぁぁっっ!! キモチイイ触手抜いてぇぇっ……どんどん昇っちゃぅぅっ……昇っちゃうのぉっ……ひゃぁぁぁっ……気持ち……高ぶるのぅ………ハァァァンンンッ!! まだっ、吸うのぉ? もぅスペル使うほど魔力無いのにいいいぃっ!! フハハハアアアアンッ!! 効くぅぅっ! 効きすぎるのおおぅぅぅぅっっ!!!!」 
 身体全体で正常位を受け入れるように久遠の美脚は大きく開かれる。
 最初から目立ち過ぎる巨乳乳首が、神聖法衣越しにグイグイと隆起し誇張する。
 前後の穴に刺さった触手が変身少女のイヤらしい本性を暴き、より逞しさを増していく。

 ドチラカ ヌイテアゲヨウカ

「ははあああっ!! そんなぁぁっ……ひっ、イイッ!! どっちも抜いてぇぇぇっ!! ひぁぁぁっ! りょ、両方共ぉっ!! 中で太くなってじゅぶじゅぶ動いてる触手抜いてぇっっ………はひゃあああぁぁぁぁんっ! ひっ、ひぃぃぃぃ!! 感じすぎてぇぇっ………凄すぎて辛いぃぃぃっ………お尻もあそこもイギヒイイィィィィィ!!!!」 

 ドッチヲ ヌイテホシイ

 デスパイアの思考が、耳元で甘美に囁く様にすら聞こえてくる。
「ああぁぁぁっ……そんなぁっ………どっちも……どっちも……いいからぁぁっ……おしりもぉぉっ……お…ま……ぁ…こ……も感じるのぉっ………ハアッ、ハァァァンッ……どっちもいいからぁ……どっちでもいいからぁぁっ………アアッ……どっちか抜いてぇぇっ……どちらもぉぉっ………おっ、おぁぁぁぁぁっ!! だっ、だめぇっ……おしりぃ……おまっ………凄いイイイイイッ!!!! ハァァッ………きそうっ!! 早くやめてぇぇっ!! どっちでもいいからぁっ………どっちも抜いてぇぇぇっ……墜ちるぅぅっ……ホーリーエンジェルの墜ちるとこ……すぐそばでぇっ見られちゃうぅぅっ!!!! 神聖天使の姿でイクの見られそうっ……ふああああんっ!!」 

 イイノヨ イキナサイ ホーリーエンジェル クオン

「あああぁっ………そんなぁっ……いいの? わたし変身して……魔法少女の格好でイクのぅ? こんなっ……人形のデスパイアに見られてぇぇっ……イッていいのぅ? あぁっ……またホーリーエンジェルの痴態見せつけられるぅぅ……何も脱がされないでぇっ……変身したままの格好で……大きく股開いて、腰突き出して、変身スーツの乳首ビンビンでぇぇっ!! 男の人が好きそうな恥ずかしい巨乳ブルブル揺らして高ぶっちゃうぅぅっっ!! アヘ顔晒してるとこも、写さないでぇぇっっ!!」 
(もうだめっ!! 今度こそ押さえられないっ!! 自分を解き放っちゃうぅぅっ!! 変身オルガスムスをやっちゃうのぉぉっ!!!!)
「はぁぁぁっ……だめっ、もうだめぇぇっ!! イックゥゥッ!! ホーリーエンジェルでっ、イクッ!! ホーリーエンジェルイクウウゥゥゥッーーーーー!!!!! ひぃあああっ!! ホーリーエンジェル久遠イキますぅっ!! アアァンッ!! ホーリーエンジェルぅっ久遠イクゥ!! イックイクイクうううううううっっっーーーーー!!! これぇっ!! これイイイイィィィィっっ!!!!」
(……そう! これぇぇぇぇっ!! 変身する時の何倍もおっ! 何十倍も凄イイイイッ!! 私を変えるクリスタルの輝きよりも遙かに凄い光の奔流が走って来るぅぅっ……身体中からぁぁぁぁっ!! 全ての力が解放されるみたいなのぉぉぅぅっっ……!! ふああああぁぁぁぁっっっっ!!!!!!!!)
 ホーリークリスタルが曇りガラスのように全ての透明度を失った。
(………ァガハァ……意識飛ぶっ! わたしが……無くなる……クゥッ………もう……とどめされちゃぅ……今度は助からない……えっ? ……触手が……私の中から抜けるぅぅっ……離れて行く………デスパイアが……去っていっちゃぅぅ? ぁぁっ……まっ……私を置いてイクぅぅっ……………)
 人間の皮膚に近い滑らかさで表皮を融合させていた木偶人形がその姿を解き、数多のツタ触手へと分かれていく。
 霧の向こうの樹木の群へと去っていく。
 残されたものは、泥の中で快楽の果てにイキ震わえる快楽天使変身の微かな嬌声。
「くぅぅっ……私のこと……ぅぅっ……どこにも連れて行かないのぉぉっ? くぅっ……見逃されたの? はぁ……あはぁぁぁぁぁぁ………ぁぁっ………」
 身体の動きを取り戻そうとして、艶めかしくクネクネと四肢を藻掻き腰揺らし続ける久遠。
 痴態天使を映し出していた数々のビジョンもない。白い霧すら消滅しオルガスムスの余韻に取り残される変身ヒロイン。
 少しずつ絶頂疲労の重い身体を、長い時間を掛けて立ち上がらせるフェティッシュスーツの少女。
 贖罪の対象にすらなったホーリースタッフでその身を支え、空いた手が濃い体液を拭おうとする。
「こんなにヨゴれてるぅっ……はぁぁっ……ベトベトのグショクショで変身スーツに染みこんで重いよぉ……ふぅぅんっ! 肌まで染みこんでくるぅぅっ……あぁっ………拭いきれない。少しずつ地面に垂れていく。ニーソックス重いィィっ……ブーツに垂れ込むのぉぉっ……泥も凄い……綺麗なホーリーエンジェルの衣装がこんなに土汚れと体液で汚くされてるぅぅっ……ふあああぁぁぁぁぁっ!!」
 再び悩殺に身を震わせ、引きずる余韻を味わい続けるマゾヒロイン久遠。
「でもぉっ……リムーブ! リムーブシフトしたらぁぁっ……ボロボロにされた月影久遠の服装に戻っちゃうぅぅっ……裸みたいな格好じゃ帰れないよぉっ………」
(かのんちゃん……霧香さぁん……ミントぅ……助けてぇぇっ……でも助けてもらうの恥ずかしいィィィィッ!!!! こんな姿見せられないよおっ!!!!) 
「あはぁっ! ホーリーエンジェルの衣装……滅茶苦茶にヨゴされてるけど……破かれたりしてないしっ……このまま帰るしか……ホーリーエンジェルの格好でぇぇっ……はぁぁっ……帰るしかないのぉっ…………」
 大好きなホーリーエンジェルの、ケガされた姿でよろめいて立ち去っていく敗北のヒロイン。
 時折ざわめきに紛れ、ツタ触手が喘ぐ歩くエンジェルの姿を伺うことなど知るよしもない。

   ※  ※  ※

 暗く寝静まった夜の街の、闇を照らす街灯を避けるように私は歩いています。
 変身限界を超えてイキまくった私の、家に帰りたいと思う僅かな願い。
 それだけがホーリーエンジェルの衣装に少しだけ力を与えてくる……。
 だからほんの少しずつでも、重い身体を引きずって歩いていけるような気がします。
 ホーリースタッフの重心が先端にあってが重いから……。
 金の十字架をアスファルトとの支えにして……。
 デスパイアを裁く神聖な天使の武器を、重い杖代わりにして……。
 デスパイアの白濁液をぼたぼたと路面に垂らしながら……。
 デスパイアテリトリーの付着した泥状の土をぼろぼろと落としながら……。

 早く……帰って……家に着いたら……リムーブシフトするの……。
 リムーブシフトしたらもっと脱力しちゃうの。
 わたし、ボロボロの格好で倒れ込んじゃうわぁ……。
 でも……美晴さんも……光ちゃんも……海外の義父さんのところだし……。
 家に着きさえすれば……誰にも……誰にも見られずに……変身解除できるぅ……。
 リムーブシフトしたらぁ……リムーブシフトしたらぁぁっ………………。

 その日…………。
 白濁液にまみれた変身衣装で………。
 男を挑発するようなグラマラスな肉体を晒し………。
 悩殺するような喘ぎと表情で震えて歩く………。
 新緑の天使・ホーリーエンジェルを見た人がいるそうです………。

 その都市伝説を、後日私は知ることになるのでした………。



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