エクリプス図鑑外典 六巻 P2
●デュラハンエクリプス (ケンタウロスエクリプス )
・モチーフ デュラハン&ケンタウロス
・分類 変則・イレギュラー
・人間時 倉沢勇樹 (くらさわ ゆうき)
中世の騎士のような全身を大型で白銀色に輝く騎士甲冑で包み込み、裏地が赤の黒いマントを翻し、頭も鉄仮面で覆われた姿をしたほぼ上級と言える実力を持つエクリプスの亜種。
禍津神の太刀と同じ性質を持つ”ドゥームブレイド”という黒いオーラを宿した極太の両刃剣と”ハルペー”という艶やかな光沢を放つ剣の光と闇の相反する二つの力を使いこなす二刀流の騎士。二つの剣はそれぞれ見た目同様の特徴があり、ドゥームブレイドは重力操作の能力を持ち空間すら歪ませ、更に重力波を斬激にして飛ばす事ができる。ハルペーは光の粒を撒き散らし細かな破片となり無数の斬激を飛ばす事ができ、破片が光の乱反射を起こし相手の視覚を無くさせる事も可能。
必殺技は重力波・重力場を圧縮し、相手を漆黒の闇へ叩き切るブラッディグラヴィトン。光の破片に白光を乱反射させ続けて相手を焼き刻み最終的には全てを焼滅させるスターダストヴァニッシュ。前技は一転集中型なので対単体向け。後技は広範囲への拡散も可能なので対集団用の技と言える。剣は手放しても使い手本人の意思に反応して動き、手放した状態での能力の使用も可能である。
更にデュラハンエクリプスは彼専用の従魔である翼竜ワイバーンと融合することにより、様々な特性のある姿へと変わる事ができるケンタウルスエクリプスにへ姿を変える事が出来る。
人馬一体の姿となったケンタウルスエクリプス・獣としての面が強く現れるレオケンタウルスエクリプス・飛行能力があり空中戦の得意なドラコケンタウルスエクリプス・水中戦の得意なイクティオケンタウルスエクリプスの三形態。ただし、一回変わる事にも負担が掛かり、力の消耗を招く為に連続しての変形は自らの首を絞める事になる為に多様はしない。
通常のケンタウルスエクリプスは下半身が馬に上半身が鎧を身につけた人型。
この姿への変形と共に白黒の双剣も双頭が三叉の長槍に変化、高い機動力を誇るバランス型の姿であると言える。
レオケンタウルスエクリプスは地上を正に獣の如く縦横無尽に駆け回り、足場の悪い場所でも素早い動きを見せつつ強大な攻撃力を誇る。
この姿になると、白黒の剣が変化した鉤爪籠手と四本足にある爪を用いて的を引き裂く超接近の肉弾戦が主体となる。
ドラコケンタウルスエクリプスは上半身が龍の顔と硬質な翼を持ち、翼と白黒の双剣を繋ぎ合わせた弓矢”ブリューナグ”を用いる風の力の使い手で空中高速戦が得意。
イクティオケンタウルスエクリプスは下半身が魚の尾鰭の様なしなやかな尻尾を持ち、上半身はケンタウルスエクリプスの時より装甲が薄い人型。
水中を自由自在に移動する事ができ、鰭の様な仕込み刃と銛を使って敵を葬る。
突如ハンターエクリプスの前に現れ、忠告のような言葉を告げる継ぎを接いだような黒いコートに身を包んだ青年。
彼もまたハンターエクリプスの妖魔の骨と同じ力を宿す神器である五つの宝玉をあしらった十字架”ブラッディクロイツ”を宿すもう一人の狩人。
遵って欲望の本質は怒り、復讐心であり更に彼は性欲を発さない境地に達している為に襲う対象はほぼエクリプスに限定されている。
人に危害を加えるエクリプスに過剰なまでの殺意を見せつつも製錬された実力を見せ付け、エクリプス化してから年月が経っているようでかなりの修羅場を潜り抜けてきた事が窺える。
誰かと組む事など指で数える程しかなく、これまで一人で下級、上級、イレギュラー問わず数多くのエクリプスを葬ってきた。一人なのは他者と組む事で起こりえるトラブルを避ける為であり、無用な情の繋がりを持たない為。
エクリプス化した際に現れる二本の剣は普段は体内に宿っているブラッディクロイツに纏められ、必要に応じて自在に取り出すことが可能。
ハンターエクリプス達と共に戦いつつ、時に容赦なく戦いを仕掛けてくる事もある。それは仲間意識の強いハンターエクリプス達を戒める意味合いを込めているようでもある。
彼の目的はある天使とエクリプスを見つけ出す事。過去にそれらの間で何かが起こったようだが、絶対に彼の口から真実が語られる事はない。だが、その出来事が彼をエクリプスを狩る修羅へと駆り立てたのは間違いない。
『自我を保ってても、自分が人でない事を忘れるな……同じだと思えば何時か全てに絶望する事になる』
●ワイバーン(シーワイバーン)
・モチーフ 飛龍
・分類 変則(従属魔獣)
デュラハンエクリプスの従える召還獣。国外のある寺院で封印されていたものを開放。以来彼を支える唯一無二のパートナーとなった。
通常は全身を鎧で覆われた二足歩行の翼龍の姿をしているが、力の増大により下半身が魚介類の尻尾を持つ水中仕様のシーワイバーンと姿を使い分ける事が出切るようになっている。
刃の様に鋭い翼と鎧による体当たりと、ブレスによる特殊攻撃を得意としており力は上級エクリプス並みの実力を持つ。
欲望の性質は忠誠心。主に従う事こそ最大の幸福であり、騎士精神の如く主の命令は絶対服従。
言葉だけでなく伝えるという行為をしなくても主の意思を感じ取り、期待に沿った行動を取るほどの強い結び付き。
オメガ様のお言葉
これはハンターエクリプスのライバルキャラねぇ。
正義のヒーローかあ、まぁどんなに足掻いてもエクリプスだからね。こいつは少しはわきまえてるみたいだけど……。
でもさ、やっぱり正義のヒーローって カッコイイよねぇ。熱血しててさ、きゃはははは!
●ミュートリアエクリプス
・モチーフ 神官・神
・分類 イレギュラー
・人間時 虚喰乃禍常(コグライノマガツネ)
骸骨を連想させる仮面、ぼろきれの様な全身を包む魔力のマント、その下に見える鎧と一体化したような獣の生態的な身体を持つ神官のような雰囲気を持つエクリプス。
普段は足元まである黒いコートを身に纏い、フードを深めに被っているためにその表情は読み取る事ができない。
声質からすると少年のような印象を受けるが、人間時のままでも上級エクリプスを圧倒する力を有している。
もともとハンターエクリプス達と同じ狩人だったが、禁忌とされた複数の神器をその身に纏うという行為を破った為に膨大な怨嗟に精神が食われて完全なエクリプスと化した。
神出鬼没で幽霊の様に突然どこにでも現れる。ハンターエクリプスが対峙したキマイラタランチュラエクリプスもこいつが使役し、今も様々な影魔を生み出し各地へ解き放っている。
その能力は未知数だが影魔の力を他人に投与して思うがままに命令し操り、それを繰り返してより強い影魔を生み出し続け、更に使えると思った能力を持った者は吸収し自身も強化し続けていて現状の戦闘力は不明。人間の姿のままでも上級を圧倒する事から、すでに途方も無い力を持っている事は確か。
普段からボーっとしているような、何かを悟りきったような雰囲気を持ちつつ、退屈にならなければ自ら行動を起こす事はまず無い。
すでに目的という物は無く、影魔の力を投与するのもただ自分の暇を持て余しているからで、楽しめそうな事は無いかと各地を巡っているついででのようだ。
楽しめそうなものを見つけると絶望悲劇憤怒悲哀様々なシチュエーションを企画し、創作家の様に物語を進めて多種多様な陵辱を行なう。
その規模はその時により様変わりし、一つの家庭から国一つ巻き込んだものまでと大きな変動がある。どれだけの被害が出るかは彼の気分次第。
その暇潰しに巻き込まれた人々は全て運命を捻じ曲げられ、彼の歩んだ道は死屍累々の人々、エクリプスへと変えられた人々、それによる更なる破壊と混沌で敷き詰められていく。
中には徒党を組むもの、組織的な活動を行なうものも現れてはミュートリアエクリプスの力を奪おうとする者も後を絶たない。だが、それ等は全てミュートリアエクリプスの暇潰し程度としてしか相手にされず、彼に牙を向いたものは全てこの世から存在を消されている。稀に彼を神と崇め従うものもいるが、全く相手にされていないという現状。
自分自身が楽しめればそれで良し。それで多大な被害が出ようが、自分の存在が世間に明るみにされようが構わない。仮にそうなったとしても、逆に全ての事柄は彼の暇潰しになるくらいだろう。
遥か昔から放浪を続けているようで、その間に殺し、陵辱してきた人や影魔に天使も数多い。その為、天使の力も内包しているとの噂がエクリプス達の間で広まっているが事実は定かではない。
アルファ、オメガ両影魔王とも出合った事があり、尚且つ戦闘を行いながらどちらからもその力に一目置かれたことがある。
決着はつまらなくなりそうと思い、戦闘放棄した為に彼の不戦敗という事で終わった。
ハンターエクリプス達が知らない、狩人についての伝説の一部を知っているような節が時々彼の口から語られる。
『誰かの為という事ほど無駄な事は無い…何をしても良い結果に繋がらなければ、何の意味も持たないのだから』
オメガ様のお言葉
ふぅん、少しは面白そうなヤツが出てきたわねぇ。
ちょっとナマイキだけど、こういうコは嫌いじゃないわよ。
まぁ、変な勘違いしなければこのまま放っておいてあげるわ。
コイツがすることは見てて面白そうだしね、んふふふ!
※以上、無礼者様の生み出されたエクリプスです。投稿ありがとうございました!