エクリプス図鑑外典一巻 P8
●Noφ ジンエクリプス
・モチーフ アラブで「ジン」と呼ばれる、「精霊・魔人」そして「風」に当たる存在
・分類 下級エクリプス
・人間時 空凪 風男(からなぎ かぜお)
・登場 未定
周りに風を――否、風そのものが影魔になったといえるエクリプス。人間の大人の質量の範囲内で周囲の風が巻いていうような影魔で、一種の精霊のような存在。
本体の人間は手や道具、それに男が絡むような普通の交わりや陵辱に飽き飽きしていた男。
自分が興奮するようなシチュエーションに出会えず悶々としていたある日の夜、たまたま通った裏路地で悶えている女…手も道具も使わないどころか、身体一切に触れず快感に悶えていた女に異常な興奮を覚える。
そして絶頂に果て、次第におぞましい姿になったその女影魔に対し彼は更なるプレイを要求。その反応に興味を抱いた女影魔の力によって…女影魔の本質と、自身の欲望の意識がマッチングした影魔に落とされることになる。
肉体を失い魂となった彼にとって風こそが自身の身体、そして風を使った干渉こそが他者との触れ合い。
大人の質量分から大体大部屋一つ分の範囲ではあるが、穏やかな風から突風まで、自在に風を操ることが可能。特に風と言う属性上、飛行する物体に対して絶大な迎撃能力を誇る。
そして敵への攻撃は無論のこと陵辱にもその風を使用する。相手を空中において拘束し、360度展開で視姦出来うる舞台に獲物を浮かび上がらせて陵辱する。
空気のような存在によって犯される獲物は肉との交わりでは本来見えない箇所まで晒される上、女影魔に力を貰った影響による「風の中にある相手を発情する菌」によっても責められてしまう。
その無機質な存在に弄ばれ、何にも触れられていないのにも関わらず快感に悶え狂う色情狂の姿を空の上で晒され、恥辱と快楽で悶え狂わされてしまう…それを干渉、そして犯すことが彼の好みの趣向である。
なお肉体を持たない彼は自身を成す風の半分を収束させる形で己のペニスと化させる。何も無いところから責められる相手を見て欲情を昂ぶらせ、粘着感の強い収束風を精液のように発するのだ。
また一種の精神生命体と化しているために物理的な攻撃ではダメージを与えられない。倒すには魂を直接攻撃するか、風そのものを止めた空間に閉じ込めるしかない。
現在では自分を影魔にしてくれた女影魔の配下となっているが、特に組織に組することも無く好き勝手やっている。
だが女影魔の要請があれば有無をいわずにその力を貸す。細菌を主武器にするその影魔にとって、それを自在に加勢してくれる彼は見事にマッチした道具でもあるのだ。
なおその女影魔とは出会った当初、互いに妙な好意が生まれていたらしく…現在では「お互いに相手を滅ぼすのは自分だと思う程に好き合っている」と言う噂が影魔内で流れている。
「オイオイ、体をくねらせるだけでイキそうなのか? 何にも触れてないのに…とんだ変態さんだなぁ」
オメガ様のお言葉
せっかくエクリプスになれたんだったら、自分のやりたかったことを思いっきりしたほうがいいわよ〜。
その点、こいつはエクリプスらしいわね。人間じゃ絶対出来ないプレイだもん。
肉体がないって面白いのかどうかわからないし、もう元には戻れないけどね。あははは!
●Noχ ドレイナーエクリプス(スロウスエクリプス)
・モチーフ 人間が持つ七大罪の一つ「怠惰」を司る悪魔「ベルフェゴール」
・分類 下級エクリプス
・人間時 不明
・登場 未定
廃墟となった山奥の小屋で、人知れず眠りについている影魔。二昔前の様式型の便器に座り毛布をかけ、ただただ惰眠を貪っているといわれる。
いわれる、といのは確かな情報ではない為である――何しろ誰も彼に近づくことは出来ないのだから。
彼の欲望は……ただ寝ること。寝る、とにかく寝る。ただひたすら寝る。一体どれだけ寝れば気が済むのかというくらいに寝る。
また彼の性格は、昔彼を知っているものから言わせればとかく「面倒臭がり屋」であり、とにかく怠け者の一言。
最初は人と関わるのが面倒臭い、学校等が面倒臭い、買い物や遠くに出ることが面倒臭い等々。ただ皆が五月蝿く言うものだから仕方なく動いていたと言う程の、天性の怠け者。
そして一人自立するようになるとその傾向が更に強まってしまい、次第には洗濯をすることは持ちろんのこと、御飯を食べることもトイレを行くことも、終いには息をすることも面倒臭くなってしまってなってしまう。
ただ寝ることを求めているうちに自身の影と同調してしまい、自立してから数ヶ月もたたない内に影魔に堕ちてしまった。
都市や町の喧騒や人付き合い等の、安眠を妨害される事柄を全て嫌っており、その為には人は愚か動物の喧騒すらもない山奥に篭る程。
自分の身の回りのことすらもしないほどの怠け者であり、どうしても自身から出る排泄物の処理をかねて便器に座って寝るほど。更には生命の維持は生まれ出でた影の意思が影の世界や周囲の僅かな悪意から必要分吸収するだけという低コストぶり。
このように他者への害は愚か迷惑の一つもかけていない、というよりもいてもいなくても余り世間と関わり無い、存在自体が意味の無い影魔として見られているために殆どの者達から放置され、名前も名乗られること無い影魔として終わるはずだった。
だが彼の影には恐るべき特殊能力がある。
実は常に展開している生命維持の欲望吸収能力が他の追髄を許さない、というよりも影魔の中で最強の一体に数えてもよい程の高性能なのである。
それは当人の半径百メートル程近づけば実感できる。その辺りにまで近づいたあらゆる存在は、その内にある欲望を徐々に吸い上られ無気力にされてしまうのである。
一度彼に欲望を吸い尽くされた存在はその欲望を二度と取り戻すことが無いと言われ、少なくとも自力ではどうにもならないほどに完全無気力なまま余生を過ごすことになってしまう。
その能力は彼に近づけば近づくほど増大している…山奥の小屋の周りには興味本位や無知なままに近づいた者達の変死体後が存在するというのに、小屋の中にはそれらしいものが無い時点でその強大さが分かる。
更に言うなら…彼に興味を持った当時の影魔王ですら「小屋に入るのが正常を保つ限界であり、それ以上近づくのは危険すぎた」と冷や汗をかいていたほどである。
そしてその中に有用性を見た影魔達によって、現在は影魔達の(当人非公認の極秘)処刑人として利用されている。
影魔達の無限なはずの欲望、その性欲すらもであるすらも吸収し無気力にさせるその強さと性質から、後に影魔達から二つ名が送られている。
ある者は欲望を「吸い取る者」という意味から「ドレイナーエクリプス」と。ある者は望遠鏡から見たその風貌――顎鬚を生やした便器座りという怠惰の大罪を司る悪魔ベルフェゴールのような姿から「スロウスエクリプス」と。
(ただし自身の欲望をコントロールできていないために、七大罪の名を冠している影魔において唯一の下級影魔に位置づけられている)
だが外部の後付など気にすることも無く、彼は今日も今日とて大好きな惰眠を貪っているのである。
――だが吸い取る力は最強でも、それを消化する能力は並より少し上でしかない。故に、必要最低限分を超える栄養…他者の欲望など惰眠の妨げでしかない。
人間のものならともかく、影魔の欲望という多大な食料など喰い切るのにどれだけ時間が掛かることか。
もし……その食物(欲望)が彼の眠りを妨げるまでに膨大となり、彼がそれに押し潰されてしまったら……?
「…………すぅ……………すぅ…………………」
●Noχ-U ルストエクリプス(スピッダーエクリプス)
・モチーフ 人間が持つ七大罪の一つ「色欲」を司る悪魔「アズモデウス」
・分類 上級エクリプス
・人間時 不明
・登場 未定
ドレイナーエクリプスが生命に必要な栄養源である他者の欲望に押し潰され、眠りを妨げられて激昂・暴走した姿。
他者の欲望、とりわけ影魔を象徴する「性欲」に飲み込まれ、自身の欲望である「怠惰」を遮られてしまった状態でもある。
過剰に摂取した性欲を吐き出すために、今までの怠け振りとは一転して自身のうちに溜まった欲望を吐き出そうと動き回る。
惰眠を貪っていたときの髭を生やした姿から、一気に影魔を象徴する化け物の姿へと変化している。とはいえ、その型は人間の者とあまり変わっていない。
何しろガチョウのような足に、牛と羊の頭を両肩に浮かび上がらせた程度の、それ程人間と代わらない姿なのだから。
だが惰眠を貪っていたドレイナーの時とは明らかに違うところがある。その時の彼は……いや「彼女」は女性に変化してもいるのだから。
実は彼が惰眠を貪っていたとき、彼のことに興味を抱いた(先代に当たる)当時のルストエクリプスが、自信の象徴でもあるはずの「色欲」を吸収されてしまい滅ぼされてしまっている。
その当時の「ルストエクリプス」こそ彼が欲望を搾取した最初の影魔であり、(その意味で)まだ『穢れ』を知らなかった彼の影に刻まれるように影響を与えたのが原因なのだ。
Dカップは下らない美巨乳と肉質の整ったスタイルの持ち主であったドレス姿の長髪美女…その影の意識が他の性欲に影響され、暴走する際は必ず彼女と同じ身体と姿に変化するのである。
しかも男性であるドレイナーの影響も混じって、男性と女性の性器を持った両性具有者(フタナリ)でもあるのだ。
故にその性欲は影魔随一…あらゆる影魔はおろか影魔王さえも越える程の、色欲の名に相応しい影魔なのである。
彼(彼女)が一度この形態になると、完全に身体の火照りが収まり欲情が静まって、再び『怠惰』の欲望が自身を蝕むようになるまで収まらない。その色情ぶりは余りに凄まじく、例え相手がいなくとも常に自慰に耽っては精液と愛液(時として母乳)を噴出している。
悪臭の代わりに相手を瞬時に発情させる香臭を常に発し、そして引き寄せられた相手を見つけてはあらゆる手段で誘惑し、有無を言わずに御相手してもらうのである。
だが彼(彼女)相手に、どのような者が相応しいというのか。御相手になったその者は(趣向の内容にもよるが)交わってからものの数分〜数十分で服死させられる程の激しさで犯されてしまうのである。
色欲という関係上から、相手の趣向を読み取り互いに悦楽に溺れるようにしてくれるよういかなるプレイにも応対してくれるのだが…否だからこそ、その激しい情欲に耐えられる者は存在しないといわれる。無論それは影魔はおろか、本来(バイヴ等の)肉体を持たない無機質な物体ですら例外ではないのだ。
しかも自信の眠りを取り戻したいという本来の欲望を取り戻すためもあって、彼(彼女)の色欲を吐き出す勢いに遠慮は存在しない。それこそ、彼の内に溜まってしまった性欲を取り除かない限りは。
また自身の影から生み出した影の竜もまた両性具有者であり、二体の両性からの行為はそれ程凄まじいのか…今ですら分かっていない。
なおその特性上戦闘能力は上級はおろか下級から見ても貧弱極まる部類に当たるが、能力が能力だけに戦闘力は必要としないので問題ない。唯一持つ戦闘技は自身の影の流動を持って溜め込まれた性欲を叩き込み、相手を『色欲』の概念側から肉体と魂を暴発・破壊する「オーヴァールスト」。
基本は自身の小屋の周りを徘徊し、その間中ずっと発情し色欲の解放だけに溺れる。
その姿はまさにドレイナーエクリプスと対極。故に彼(彼女)のことを以前名付けられていた「ルストエクリプス」とは別に、性欲を吐き出すようにするその姿から『吐き出す者』として「スピッダーエクリプス」という二つ名をもつ。
ちなみにこの名が送られたのは、初めてこの形態になったとき。時の影魔王がその場を去ろうとしたときにそれまで溜まっていた性欲が暴走し、取り巻きの影魔達を余りの激しさで交わっている姿からその名が送られた。
(その時は影魔王の力で影の世界に誘き寄せ、そこで七日七晩欲情を発散させることでようやく元に戻っている。その色情っぷりは影魔王も賞賛するほどで、故に危険人物ながらも生かされた)
尚――現在ではこの影魔は「滅んでいる」。
先日、新たなる影魔王が誕生して少し後にこの影魔の反応が確認されたが、四半時もしない内にその反応が消失しているのだ。
影魔達が恐怖するためその時に何があったのかは今も不明であるが、確認できる状態になったときには彼の内にある欲望の中から「欲情」は既に消失していたらしい…
(後、本当に極微弱ながら「憤怒」の類の反応も検出されているが、彼に強姦された者の残留思念と言う事で処理されている)
「やぁぁっ! まだくたばっちゃだめよぉぉんっ! ほらぁっ、私のオチンチンなんかまた――あはぁぁっっ! またっっまたイクゥっ! イっちゃうのぉぉぉっ!」
オメガ様のお言葉
ずっと寝てたりやりまくったり……なんかはっきりしないエクリプスね〜。
わたしだったら遊びたいだけ思いっきり遊ぶけどなぁ。だって我慢なんてできないもん!
普段は大人しく眠っていられるなんて、大した欲望じゃないんだろうね、あはは!!
※以上、S人様の生み出されたエクリプスです。投稿ありがとうございました!