エクリプス図鑑外典一巻 P3

 

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●Noζ フライエクリプス

・モチーフ ハエ
・分類 下級エクリプス


その名の通り、蠅の如き姿をしたエクリプス。
姿や体臭だけでなくその行動―そして性交においてさえも、エクリプスの中で特に醜悪で性質の悪いものとされている。

まず性交―楽しんだ相手に対する「射精」の際に自身の意思で、一つの卵を子宮に植えつけることが出来る。
そしてそうした場合―妊娠率100%の射精を終えた後、自身の体は蛻の殻となりそのまま果てる。
しかしそして植えつけられ卵こそ体から吐き出した本体であり、それは影の力によって女性の生命力を奪う形で、あっという間に蛆へと成長する。
そして女性の生命力を吸い上げながら問答無用に秘部から這い出てくるのである。
その後、血と愛液にまみれたその蛆は数分で先程までの大きさとなり、あっという間に先程までと同じ―蠅の姿を形成するのである。
大抵は一回の行為で普通の女性一人分の生命力を奪うため、そう何度も相手から生命力を奪うことは出来ないが
肌や羽などは先ほどよりも生命力に溢れ、影としての力も増加した状態で新生するのである。

生物の中で最も早いと言われる「蠅」だけのことはあって、その素早さや瞬発力はエクリプスの中でも群を抜いている。
特に機動力はあのエンジェルエクリプスと同等かそれ以上とされる程で、まさに最高レベルに達しているといっても良い。
しかしその反面、腕力や基本的攻撃力はエクリプスとしては相当に低い―こちらは弱小クラスといっても良いほどである。
ただ吐き出す唾液は、「ただ単に相手に付けるだけのものから肉や骨まで溶かすことが出来るまで」の濃度を自身の中で調節できる。
また本来蠅が持ちあわせる腐臭は、相手を発情させる香りに変化している(これに関しては、当人は気に入らないらしい)。

なお堕ちた当人が浮浪者であるためなのか―陵辱に際し女性を母体にするだけでなく、女を《汚す》形で犯すことによって
「自分の醜悪さを相手にも体感させてやりたい」という陰湿的欲望も持ち合わせている。
そうやって少しずつ力を蓄えながら―死んでしまった女性を(食料をもかねて)腐乱化させてゆくことを趣味としながら行動する。

「テメエももうすぐそのウジ虫の母親になるんだぜ?嬉しいか…って、そんなにヨガってりゃあ嬉しいか」


オメガ様のお言葉

ふふふ、これは素敵なエクリプスじゃないの。 無惨で醜悪なのって、わたしだぁいすき♪
綺麗なものをぐちゃぐちゃに汚し尽くすのって、すっごく楽しいもんねぇ♪
あっ…でもわたしには近づかないでよね。汚らしい。
だって汚いのなんて触りたくないじゃない、あはははは!



●Noζ-U フライプリミアスエクリプス

・モチーフ 人間が持つ七大罪の一つ「大食」を司る悪魔「ベルゼブブ」と呼ばれるハエ
・分類 上級エクリプス


餌食にしてきた女性の影や生命力を吸収しながら、その力を増幅させてきたフライエクリプス―
その吸収した力が一定の域に達し自身の欲望を制御できるまでになり、新たなる姿を獲得した形態。
彼の経緯を知る者からは、時として悪戯半分に名づられけた「グリュトニー(大食)エクリプス」の二つ名でも呼ばれる。

醜かった本性を常に曝け出していた以前までとは違い、中世の宰相のような服装を羽織る人間の姿を標準形態とする。
それに従い面持ちも威厳に満ち溢れ思慮深く、立ち振る舞いも優雅になり言葉も威厳と悲哀に満ちるものとなった。
―しかし礼装や面持ちが華麗になり威厳溢れる言葉が紡がれようと、それは建前だけの偽りのもの。
その中にある自身の本性は以前の時よりさらに醜悪なものと化している。
つまり、自身の持つ腐臭さと醜悪さを「より美しく」「より壮大に」組み替えたに過ぎない。
そして自身の陰湿的欲望も組み替えられている――すなわち
「自分の醜悪さを相手にも体感させてやる」⇒「腐臭・淫猥・醜悪―そこから生まれる《滅び》と言う名の『美』を全てのもに伝える」
というさらに邪悪なものにに塗り替えられ、力の増大と共に「腐敗」を皆に施す王として影の世界を暗躍する。

流石に「叩き上げ」のエクリプスだけあって、普通に上級エクリプスになったものよりも力や欲望の濃度が濃い。
今まで保持していた身体能力が向上しているのはもちろん、自身の影による特殊能力も使用可能。
しかもその影によって影魔に落とされた者は―通常に堕ちた者より体は朽ち落ち腐臭にまみれ、思考は欠落し、彼を讃え、彼の欲望を自身の欲望と同格とする。
また自身の影そのものからも、無数の影蠅を生み出し己が目や手足にすることもできる。
その無数の影蠅を通し自身の力を直接叩き込む技は《ディカリィ・ディスト》と呼ばれ、相手を瞬時に腐敗させ消滅させることも、適度に腐らせ己が食料にもできる。
もちろんそのまま影の蠅で相手を弄ぶことも…

また力の増大に比例して食欲や性欲、そして力への渇望がさらに増大している。
特に食感の方はさらなる変化―腐敗したものや朽ち落ちたものが完全に好みとなってしまった為、(物量の関係上)エネルギー吸収量は以前の比ではない。
またペニスはさらに醜悪で禍々しいものになり、それを使って自分の力で子を生み出させ、その子を自らの手で腐らせ吸収することすらも喜びとする。
さらに犯した女性にそのまま影蠅を植え付け腐敗させ、「食料」兼「僕」に仕立て上げることも出来る。
…そうやって「腐敗と滅び」の世界を作り上げようとすることこそ「彼」の根底的欲望となっているのである。


―しかしここにいる「彼」は、もう以前までの彼ではない。
実は今までに吸収した力―負や影の感情が、なんと逆に「彼」自身の影―そして彼自身を逆に蝕み、支配してしまったのだ。
人格の基本母体は以前までのものが真似られているが、その思想や行動は以前までに殺された様々な女性達の絶望によって常に変えられているのである。
故に彼(彼女達)は隠れ多重人格者。そのため趣向も犯し方も多種多様な技を用いることが出来る。

様々な性格が暗躍しているこの者に、以前までの浮浪者=本来の人格はもう残っていない…


「どうだ…美しいだろう? この腐乱と淫猥、そして滅びに満ち溢れた世界は」


オメガ様のお言葉
……面白くないなぁ。
わたしに断りもなく、なに勝手に力をつけてるんだか。
それに、不敗と滅びの世界を作り上げる?
この世界は、全部わたしのものなのよ。身の程も知らないのかなぁ。
少し……教育が必要かもね、ふふふ!


Noη クルルマニーエクリプス

・モチーフ 女王アリ・怠慢なる最高神アルベリの使者であり蟻の神「クルルマニー」
・分類 上級エクリプス


上流階級の生まれであり、可憐な外見から男性にチヤホヤされながら育った一人の女性―
それが「全ての【雄】は自分の足元に跪き、自分の為に働くのは当然」であると考え、そのまま支配欲にまみれて堕ちた上級エクリプス。
蟻を統括する女王蟻をモデルにした美少女の姿をとり、そこからは上流階級者としてのオーラがにじみ出ている。
「他者―特に男性を働き蟻と認識し、女王蟻としてその上に立つ」という形で、他のエクリプスとはまた違った形で相手を牛耳ろうとする。

自身の影によって無数の「働き蟻」を生み出し、それを使役して様々な事を行うことを基本戦法とする。
また自身の影の力を練り上げ、自らの分身ともいえる巨大な蟻を生み出すことも出来る(下級エクリプスの下位程度の力しかないが、何度も練成可能)。
意のままに動くその働き蟻達は、彼女の陵辱の道具として使用したり相手の体に侵入させて洗脳することも出来る。
そして女王襟―彼女の気に入らぬ相手には「アントアズ・スラッシュ」の命の元、相手の体全てに蟻を充満させ髪の毛一本残さぬほどに食い尽くさせる。
なおその蟻達を利用した、物体に対する輸送力や浸透力はエクリプスの中でも高い。

物腰や行動は上品である為か(他人から見て)少々怠け者的な性格をしているものの、相手―特に男性を支配する為の努力だけは厭わない。
逆にそういったことに無関係な女性達には興味はないが、自身の邪魔をする者への残虐性はエクリプスの中でも群を抜いている。
そして気に入った男性を誘惑して堕としたり、その相手の恋人である女性を陵辱して屈服させることを一番の欲望とする。
しかしながら支配している僕達に対しては意外と一途であり、一度発生したその者達への被支配欲もまた消えることはない。

「働き蟻」―すなわち自身が支配しようとする「雄」という認識は広く、自分の世界にすむ「影魔」達も立派にその範疇である。
しかし影魔の世界において頂点に立っているのは影魔神であり、他の全ての男性エクリプスを顎で扱き使えないことが不満でその神を忌々しく思っている。
力関係が全く分からぬほど愚か者でもないので仕方なく従っているが…時として自分の欲望を主張することを憚らないほどに彼女の欲望は強い。


「ねぇ貴方…私の僕になって、尽くしてくださいませんか?それこそ貴方にとっての幸せなのですよ…フフフ」


オメガ様のお言葉
人間って本当に面白いなぁ。
何不自由なく「幸せ」に育ったのに、こうしてエクリプスになっちゃうコもいるんだし……。
ユミエルお姉ちゃんみたいに「幸せ」なんて全然ないのに、天使になってる人間もいる。
ふふふ、本当…人間って、どうしてこんなに面白いんだろうねぇ!

※以上、S人様の生み出されたエクリプスです。投稿ありがとうございました!


 

 

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