エクリプス図鑑外典一巻 P4

 

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●Noθ フレイマーエクリプス

・モチーフ 炎
・分類 下級エクリプス


「燃え盛る炎やその以上事態に戸惑う人々」に異常な熱血心と興奮を覚えるという、一種の相反する性格を併せ持つ放火魔がエクリプスに堕ちた姿。

全身が火傷した様な姿をしており、皮膚からは何十度もの熱を常に発し続けている。
そして一度感情が燃え上がると炎が全身を包むように燃え盛り、まるで炎の魔人を頬仏させるような姿になる。
自身の能力に従い、触手の代わりに炎の鞭のようなものを影や身体から引き出して相手を攻撃・捕縛するのを主な戦法とする。

放火魔という陰湿者でありながら、その性格は一種の熱血者。行為も激しさを増せば増すほど彼の欲望も熱意も激しさを増す。
もちろんエクリプスである彼は犠牲者との兼ね合いなど考えないので、自身の能力で相手が炎に包まれても気にせずに前戯や行為に及ぶ。
その為、未だ彼の行為に耐え切った人間は一人としていない―そう言われている。
また彼の結界は影の炎に包まれており、常に迫る炎に恐怖を覚える相手に異常な興奮を覚えるという異常者でもある。

様々な点において―自分勝手に燃え上がっては、周りをも「燃え上がらせる」影魔である。


「うぉぁあああっ!そうだ!そのまま―燃えろッ!燃え尽きろぉぉッッ!!」


オメガ様のお言葉
炎、ねぇ。
情熱的な人って素敵よねぇ。
アレしてるときも、すっごく燃えちゃったりして……わたし、大好きだよ。
うふふ……ねぇ、ママぁ?


●Noι プラントエクリプス

・モチーフ 植物の茎
・分類 下級エクリプス
・人間時 
・登場 未定


永津が生前の頃、実験魔薬によって影魔に堕とされた人造型エクリプス。
永津―スネアエクリプスの外見に似せたような、植物の茎のような姿をとる。
なお同じ人造型であるワースエクリプスにとっては先輩に当たる。

人造型としてモルモットにされたエクリプスの中では最初期の頃に位置づけられる為、エクリプスとしてさえもそれほど力を持ち合わせてはいない。
しかしながら多くの仲魔が失敗して死んでいった最初期の実験を、見事に耐え抜いたとして永津に重宝されていた。
ただ―本来の心にある欲望を表現したものを具現化した姿でなく、当時の「永津の影の力」を変化させた魔薬を投与されたことにより
彼に「近いもの」へと強制的に変形させられたと思われる。
特に大きな特徴の無いエクリプスで、ただ増幅させられた欲望のままに行動する。

このようにエクリプスの中でも特に特徴も無い者――その一般的(とは少し違う)エクリプスが、後の物語に重大な影響を残してゆくことになる……


「やっぱ先に生まれた下っ端の扱いなんてこんなもんか…ハァ」


オメガ様のお言葉
なんかつまんないエクリプスねぇ。
まぁ、どこでどうなろうと、面白ければそれでいいんだけど……
そうそう、 あのコは今どうしてるのかなぁ?


●Noκ レフィシャリィ(refusal)エクリプス

・モチーフ 殻・繭
・分類 イレギュラー


絶望の果てに「影」の殻に閉じ篭ってしまったエクリプス―いや、もうエクリプスとも呼べないかもしれない。
巨大な繭のような形の影がそこにあることからこの名が付いただけである。
他の誰よりも―並の影魔よりも遥かに昏きその影で、夜の闇の奥深き場所にその身を置いていると言われている。

「自らの愚行で取り返しの付かない事態を引き起こして大勢の人を死なせ、己だけが生き残った」という現実に完膚なきまでに耐えられなかった。
(それは人生の破滅の危険性まで追い込んだ、他の心無い者たちの虐めに対する抵抗―そうしなければ彼女が死んでいたかもしれない、正当防衛といってもいい行為でもあった。
だがそう思うには…そう自分で納得させるには、死んだ人間が多すぎたのである―)
そして自らに潜む絶望の影によって繭のように包まれ、エクリプスに堕ちる前の過程の姿のまま、その闇だけが微弱に胎動しているのである。

彼女の影―その意思には、他のエクリプスにはない最大の特徴がある。
実は彼女の意思の崩壊とともに、彼女の影の意思も連動する形で崩壊してしまっているのだ。
(本来意識を奪うものとはいえ、一心同体ともいえる本来の人格の崩壊が余りに凄まじすぎた為である)
そのため絶望のみに支配されてしまった光影の意思―すなわち彼女の全ての意思が繭のように自身を飲み込んでしまったのである。

「自分自身」という自虐的な絶望のもと―包み込む繭は全てを拒絶し、外部からの干渉を一切受け付けない。
そしてその繭の中では、彼女の意識が生み出した「関係者達」が彼女を常に苛み―虐め―弄ぶ。
またその中には、彼女によって殺されたもの達の魂も幾許か引き込まれており
ここに引き込まれた当初は彼女への恨みと欲情―そしてこの影の瘴気に飲まれ同じように彼女を弄ぶ。
そして彼女もまた当然の罰のように、永遠に贖われぬ贖罪の様に受けいれ続ける。

しかし、その魂達も次第に彼女の余りに巨大な絶望に飲まれ―苦痛と悔恨と絶望に苛まれてゆく。
そして自身の解放を望むようになるが…彼女の「影」に引き込まれた時から既にその闇から抜け出せなくなっているのである。

そして彼女は今もなお「絶望」という名の殻に閉じ篭もり、なお苦しみ続けている…


「私が悪いの……そう…私が……全ていけなかったの……」


オメガ様のお言葉
自尊心、責任感、罪悪感に背徳感……自責と自虐。
う ふふ、あははははは!
面白い、面白いわぁこのコ!
これが人間の「こころ」のフシギよね、これだから人間は面白いわ!
心の光のせいで余計苦しまなければならないなんて……本当、笑えるわよねぇ、あははは!

※以上、S人様の生み出されたエクリプスです。投稿ありがとうございました!


 

 

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