エクリプス図鑑外典一巻 P6
●Noξ グリーデッドエクリプス
・モチーフ 人間が持つ七大罪の一つ「強欲」を司る悪魔「マンモン」と呼ばれる双頭の鳥
・分類 上級エクリプス
・人間時
・登場 不明
「強欲」という名が示す通り、物に対する執着を体現したかのようなエクリプス。
貧困の世界から這い上がってきたためか、それとも生来の本質だったのか…本来なら欲望に忠実な性格でありながら、その物に対する余りに異常な執着が影の意思すらも取り込み、上級影魔へと伸し上げた。
その強欲ぶりはあの影魔王さえも凌ぐほどであり、名実共に影魔界一の物欲の持ち主である。
裏の世界を牛耳る程の力を一台で築き上げた叩き上げであるが、そこに伸し上がる前から影魔に身を窶していた。
影魔変身時には、金粉を塗ったかのような身体にシルクの布だけを身に纏った双頭の鳥人間となり、その身が放つ影のオーラは周りのものを「暗き影を堕としたような金色」に輝かせる。
影魔に堕ちたことにより基本的な力を得ただけでなく、「「物」を自らの元に呼び寄せるカリスマ性」・「「物」を嗅ぎ付け見極める眼力」といった元々身についていた能力が影魔力で高められており、「物欲」を満たすために才能を極限にまで開放している。
決して戦闘には向いていない性質ではあるが、あらゆる物体を瞬時に偽りの黄金体に変え、そのまま真っ黒な灰化させることも出来る「ゴールド・アシュッド」は他の影魔からさえも恐れられている。
また彼には天性的な悪運に恵まれており、様々な危機的状況に何度も陥りながらも、常に決定的な破滅を回避してきている。
金、骨董、建物、生命……一度目を付けた物は「物」は、例え自身に不利益なものさえも関係なく手にするのが彼の鉄則。
そしてそれを手に入れるためにはどんな汚い手を使おうと、例えどんなに卑屈になろうとその方法を厭わない。また手に入れた「物」は自分の元に返ってくるという確証が無い限りは例えどんなことがあろうと手放すことが無い。
そして彼の物となった「物」を奪おうとする者は全力を持って排除し、彼の手から逃げようとする「物」はその愚かしさを心の奥底まで思い知らしめるのである。
また貧困期から培ってきたから叩き上げられた知識と経験は高く、影魔となる形で力も加わったことにより「物」となったものは彼の手から逃れることは困難を極める。
そうやって珠玉の原石となる『物』を、彼の好みに作り変える事を最大の喜びとしている。
影魔に堕ちてからは影魔の基本的執着である「女」にその物欲を見出しており、その女性を屈服させて臣従させると共に、それを他者に貸し出しては新たなる物欲の足がかりとすることが彼の趣味となっている。
なお彼の趣向は「色彩」。色彩、化粧、精液…あらゆる物を使って自分好みの「雌物」へと塗り替えるのである。その際は媚薬効果も兼ね備えることができる自らの金粉を使用し、快感に悶えさせる事も忘れない。また長年の経験からその女性の個性を引き伸ばす才にも長けており、その美貌を潰すことはない。
基本的には物に対して欲望を見出しているために権力や「世界征服」などといった精神的な欲望には興味は無く、政財界といった裏社会に身を置いているのも「物」を手に入れるのに好都合であるからに過ぎない。
その余りにも下卑た強欲振りには影魔達ですら侮蔑と嫌悪で敬遠されているが、一度手に入れた物は何があっても捨てることが無く簒奪者には決して屈さないために、彼の「物」の中には彼を慕うものも少なくない。
全ての「物」は自分の「物」。この世の全ての「物」を手に入れるため、彼は影魔さえも目の届かぬ闇の中で暗躍し続ける――
「この金もっ! 寝転がっている女もっ! ここで転がっている石ころ一つすらもわしのものじゃぁっ! 誰にも渡さんぞぉぉぉぉぉぉぉっっ!」
オメガ様のお言葉
『物欲』かぁ。エクリプスのクセにつまんないものに拘るヤツもいたもんねぇ。
人間もそう。なんだかつまんないモノばかりに拘るのよねぇ。
ま、この世の全てはもともと全部わたしのオモチャなんだし、望めば何だって手に入っちゃうから……モノが大切って気持ち、いまいちわからないなぁ。
…こんなわたしも、ホントは欲しいものあるんだけどね。それはつまらないモノなんかじゃなくってぇ……んふふふ、ひ・み・つ♪
●Noο シューツエクリプス
・モチーフ 電気機械
・分類 下級エクリプス(イレギュラー)
・人間時 不明
・登場 不明
テレビ、車、冷蔵庫……現代の人間にって、もはや生活に必需品となった電気機械品。それらは使用不能になれば、人間の手によって捨てられ、廃棄処理場に山積みになって放置される…
その処理場に一場所に詰まれた塵屑の山が、強大すぎる影魔の気まぐれによって仮初の生命を吹き込まれ、一体の影魔となって誕生した。
通常とは違う誕生したが故にイレギュラーな存在であり、影魔の手によって誕生したが故に完全なる玩具である影魔。
機械品の集まりであるが故に自我というものは存在せず、基本的な姿を持ち合わせていない。偽りの自我を埋め込んだ主の意思によって様々なものに変化することが可能であり、その気分一つであらゆるものに姿を変えさせられる。
しかし生成の際、箱型ばかりの機械品を使ったために曲線を描くことが出来ず、常に凸凹な体系の不細工を形成してはその主を楽しませている。
自我が無い故に主の命には絶対服従。主が一声をかければ、自分の手に余ることでさえ何の不服もなく付き従う。それでいて主の手によって機械品を身体に付けられなければ自らを修復することは出来ないという、余りに儚い存在である。
ただ母体が人よりも『力がある』機械のために、下級エクリプスでありながら通常の下級エクリプスの数倍…上級並みの力だけは持ち合わせている。
生命を吹き込んだ影の意思があまりに邪悪な故に、埋め込まれた仮初の性格もまた陰湿で邪悪。主の命が無いときは影本来の負の感情に突き動かされ、常に禍々しい欲望を吐き出そうとする。
特に「獲物」を見つけたときには、その角型の全身を使って相手が壊れぬくまで弄ぶ。
元々基本的な姿を持ち合わせていないために責めの形は自由。小さな姿で一転を集中するかと思えば、重ねられた箱を分割して相手の秘部を箱締めにしてその中で責め立てる。
だが曲線を持つことが出来ないために触手のような滑らかなものは持てず、その責め方は直線的。機械として生まれた性分なのか…口付けも、身体を弄るときも、犯しぬく剛棒でさえ柔軟性を欠いたものであり、柔軟な肉体を持ち合わせていない獲物はその責めに絶えられずに破壊されてしまうこともしばしばある。
そんな中でも彼の最大の特徴的な責め方は、自身を一つの箱として相手を完全に閉じ込め、その部屋の中で責め貫くというもの。鉄…プラスチック…熱…冷凍…電気…本来機械であるために、生命が持ち合わせることが難しい技術を自由自在に操って相手を犯しぬく。そして自身が果てる際の射精の変わりに、起動時における排泄水を吐き出して相手を穢しつくす。
無論それは主の命によって拷問道具としても使われ、主の新たなる娯楽として楽しませるのである。その際の中の様子は、それ自身の一部についているテレビ等によって展開できる。無論、外の声も中の獲物に伝えることも…
そうやって、影の意思によって動かされた『機械』は、陵辱者が壊れるどころかオーバーヒートを迎えてもあくなき陵辱を続け、自身が機能停止するまで終わりを迎えることは無い。
主の意思によって偽りの生命を停止させては、主の意思によって再び偽りの生命を受ける――いつか主に捨てられるその時まで、その偽りの生を執着もなく玩具として歩み続ける……
「……ハイ…………命ズル…ママニ………マス、ター……」
オメガ様のお言葉
機械のエクリプスかぁ、珍しい。
ただの道具みたいなもんね。自我がないなんて生きてて面白いのかなぁ……つまんないヤツ。
でも機械ならではの責めっていうのは面白いかもね。他のエクリプスではあんまりないタイプの責めだもんねぇ。
ママもおねえちゃんも本当は電動バイブとか好きなんじゃない? うふふふ!
※以上、S人様の生み出されたエクリプスです。投稿ありがとうございました!